連載
posted:2012.8.22 from:岡山県小田郡 genre:エンタメ・お楽しみ
〈 この連載・企画は… 〉
若手アニメーション作家・水尻自子のショートアニメを、各地域の方言でお届け。
声の出演者による方言エピソードなどもご紹介します。
なめこ:なんかなぁ。いっつもごめんよぉ。
豆腐:何が?
なめこ:いっつもヌルヌルしょーてから、ぼっけぇ気持ち悪いなぁって思よーらん?
豆腐:そがんことねーよ。それがあんたのえぇとこじゃが。
なめこ:そうかなぁ? でもホンマはちょっと気持ち悪い思よーらん?
豆腐:全然そがんことねぇよ。ヌルヌルしょーらんなめこやこぉ、ネバネバしょーらん納豆と同じじゃが。
なめこ:ありがとう。ちょっと元気出たわ。
●声の出演者より
「~している」という言葉は、「~しよる」→「~しょーる」と音便化して
定着したようです。
「ぼっけぇ」という言葉は「すげぇ」→「ぼっけぇ」→「でぇれぇ(最上級)」と変化します。
「でぇれぇ」は私としては男性言葉のような気もしますが、
帰省した際は女の子も使っていて、笑ってしまいました。
岡山弁は基本、理解しやすい方言ではないかと思います。
が、たまにまったくルーツが理解できない単語が存在し、
祖母の言葉はほかの地域の方には理解できないこともあるようです。
例:
とらげる=片づける
かやる=倒れる
みてる・のうなる=なくなる
ちばける=ふざける
など
私も妹も関東に住んでいるため、ふたりがそろっても岡山弁を使うことは
なかなかないので、なんだか昔に戻ったみたいでとても懐かしかったです。
●編集部より
妹さんとやっていただいたのですね。ありがとうございます。
「ぼっけぇ」の部分は、前回の男性による岡山弁では、たしかに「でぇれぇ」を使っていましたね。
岡山出身の作家、岩井志麻子さんの小説で『ぼっけえ、きょうてえ』という作品がありますが、最初どういう意味か全然わかりませんでした。
「とても怖い」という意味ですね。
profile
Yoriko Mizushiri
水尻自子
みずしり・よりこ●1984年青森生まれ。手描きやコマ撮りアニメーションを中心に制作。新作「布団」が第14回広島国際アニメーションフェスティバルで木下蓮三賞を受賞するなど、気鋭のアニメーション作家として注目を集めている。
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声の出演:そらさん
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