サンマの水揚げ量日本一と言われる、根室市。
その市街地、ひときわ活気あふれる雰囲気の魚屋があります。
店内に一歩入ると、明るく照らされた店内には、
早朝に仕入れた旬の魚がぎっしりと並び、
買い物かごを手にした地元客で賑わっています。


店内には、鮮魚のほかに魚総菜も並び、常連客と店員の会話が飛び交う。
取材で訪れた8月末はサンマ漁が始まったばかり。
店の入口では、早朝に仕入れたサンマの選別・箱詰め作業が行われています。
高級車ぐらいの値段がするというサンマの選別機もフル回転。
たえず手を動かしながら、
お客さんに声をかけているのは、魚信社長の浅野昌英さん。

身体も頭もフル回転で対応してくれた浅野さん。
もともとは今の店の6分の1ぐらいのスペースで、
車庫のような店からスタートした魚信。
30年の歴史を支えてきたのは地域のお客さんたちと浅野さんは語ります。
「根室はお年寄りが多いから、個人宅への配達を始めたんだ」
初代社長が引退後、一時期は従業員の数も減ったこともあるそうです。
浅野さんが根室に戻ってきて社長になってからは、
徹底した地域密着型の魚屋として、
地元客の信頼を得るところから始めました。
「うちのお客さんには『冷蔵庫には魚をためないでいいよ』って言ってる。
うちの店を冷蔵庫だと思ってもらえればいいから。
ここにはその日に仕入れた魚があるからね。
だからお客さんはほとんど毎日魚を買いに来るんだよ」

ナベコワシ、ウサギアイナメ、青ソイなど根室ならではの地魚も豊富。
魚の仕入れは地元で揚がったものが中心。
落石、花咲、根室、歯舞、それぞれの漁港から新鮮な魚を仕入れています。
店内にはこの土地ならではの珍しい魚も並んでいます。
例えば、ウサギのような顔をしたウサギアイナメ(300円〜)、
お腹が膨らんだナベコワシ(300円〜)。
一体どうやって食べるの? と思ったら、
ハキハキと元気な従業員の人たちに尋ねてみましょう。
ウサギアイナメは煮付や味噌漬けに、
ナベコワシはその名のとおり鍋に、
と地元ならではの美味しい調理の方法を教えてくれます。

青光りして、見るからにおいしそうな新鮮なサンマ。
サンマの発送だけでも何トンもの量。
1日4〜500ケース、多いときは1500ケースものサンマを
朝から晩まで出荷し続けるそうです。
透明で澄んだ目をした見るからに新鮮なサンマは、ぜひ刺身で。
地方発送のクーラーボックスには刺身のさばき方も書いてあります。
サンマは時価で価格は毎日変動します。
(取材時は1尾140円、20尾1ケース2800円)
「うちの店はね、お客さん同士も仲がいいんだ」
魚屋で毎日のように顔を合わせて声をかけ合う。
漁師町らしいコミュニケーションの場がそこにはありました。

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