日本で唯一残る製塩法。手作りの極み。 「揚げ浜式製塩」

400年以上の歴史を持つ「揚げ浜式製塩」。
国の重要無形民俗文化財にも指定されている、能登の伝統技術です。

汲み揚げた海水を砂浜の「塩田」にまき、
太陽と風の力で蒸発させると、砂に塩が付着します。
その砂にさらに海水を注いで塩分濃度の高い水を作り、
それを釜で炊いて水分を蒸発させ、塩を作ります。

こうして時間と手間をかけて行われる天然の製塩法は、
能登が世界農業遺産に選ばれた理由のひとつでもあります。

塩づくりの原料となる海水は、塩田の目の前に広がる日本海から汲み揚げます。
その量は、1回あたり72リットル。
なんと重さにして60kg以上!

石川県の「ふるさとの匠・伝統の匠」に認定されている浜士(はまじ)の登谷良一さん。
浜士とは、製塩に従事する技術者のこと。
「浜」に「サムライ」と書いて浜士。カッコイイですね。

登谷さんが海水をまく姿はさすがの迫力。
キレイな孤を描き、かつ霧状にまんべんなく撒けるようになるまで、
10年以上はかかる技術だとか。

海水が乾いたら、数人で手分けして砂を集めます。
砂を集める道具は「いぶり」。押し出すのではなく、手前に引いて使います。

集めた砂を「沼井(ぬい)」という箱に入れ、上にむしろを敷き、海水を注ぎます。
海水がゆっくりろ過され、底の穴から
塩分濃度の高い「かん水」が流れ出てきます。

かん水を釜に移し、まずは6時間「荒炊き」して、ゴミや不純物が取り除きます。
その後、やわらかい炎で17時間「本炊き」に入ります。

煮詰めていくと、結晶化した塩が浮き上がってきます。
これを集め、4〜5日放置してにがりを抜けば、
ついに奥能登名物「揚げ浜塩」の完成です。

1,080リットルのかん水からとれる量は、たったの180kg。
非常に希少な塩だけあって、その味は格別。
ほんのりとした甘味をたたえ、数々の料理研究家から愛用されています。

「しおサイダー」1本200円、6本セット・化粧箱入り1,300円。

揚げ浜塩を使った「しおサイダー」もオススメ。
すっきりとした甘さが評判を呼び、
発売1年で25万本を売り上げた、能登を代表するヒット商品です。

5月1日〜9月30日の期間は、
予約すれば誰でも塩づくり体験や見学ができます。
ぜひ、江戸時代以前から受け継がれる貴重な伝統をご覧ください。

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石川県は、日本海に面し、加賀百万石の歴史と文化、そして豊かな里山里海の風景が息づく土地です。海と山に育まれた自然の中に、城下町や温泉地、伝統工芸の産地など、多彩な景色が広がっています。古くから北前船の寄港地として人や文化が行き交い、多様な交流の中で独自の文化を育んできました。加賀と能登、それぞれ異なる風土と歴史が重なり合い、土地ごとに個性豊かな魅力が息づいています。

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