オールハンドメイドの、 町のシャツ屋さん。 「COMMUNE」

シンプルな店構えと、入り口のガラス越しに店主・久米さんが
黙々と作業されているところをみると、入るのをためらってしまう人も多い。
言わずもがな私もそのひとり。それまで何度か前を通ったことはあって、
「なんだか滋賀には珍しいかっこいいお店があるなぁ」と思っていた。
でも中をじっと見るわけにもいかず「服がある」ということしかわからないまま。

その後きっかけがあってシャツ屋さんだと知り思い切って入ってみれば、
寡黙な職人さんではなく、なんとも気さくで話上手なお兄さん。
シャツを買うだけじゃなく、話をしにやって来る人が多いのも納得。
お客さんの対応も、小さいスペースだと特にお店の人の視線が気になるけれど、
それを感じさせないフラットさはさすが。

お客さんも友達も、いろんな人がやって来る。
そんなこともあってか、いつのまにか話しながら縫えるようになったそう。
もちろん手を抜いているわけではなく、「つい自分にもできるんじゃないかな?」
と見ているこっちが思ってしまうほど、流れるようにスムーズに作業をこなしていく。
意識ではなく手が勝手に動くくらいの感じなのだそうだ。
ちょっと話をしている間に、さっきまでバラバラだったものがシャツの形になっていく。
細かい作業の連続で、それをさらりとやってしまうところは見ていてとても気持ちがいい。

決して広くはない店内で、型紙をひいて、生地の裁断、
縫製、ボタン付けまで全ての行程が行われている。
そうして話をして、作られている場所を知ることで、一着の服にとても愛着がわいてくる。

COMMUNEのシャツは、シンプルだけど細かいところにちょっとしたしかけがあったりする。
前立てがパッチワークになっていたりして、「かわいい!」というお客さんもたくさんいる。
そういうさりげない感じがくすぐられるんだなぁと思っていたら、
「そういうところもいいけど、結局は着心地やからね。
デザインで『おっ』って思って手に取ってもらえたらいいねん」
と、おっしゃっていたのが印象深かった。

はじめはセレクトショップをして、好きなものに囲まれたいと思い
「売るんやったら構造知ってたらお客さんに説明できるな」と服飾の学校へ。
その頃から一番よくシャツを作っていて、こうだったらいいなと直したりしていたそう。
ずっと飽きないし、年をとっても着られるしと、
自然とお店をするなら「シャツ」と思うようになった。

「シャツ買うんやったらあそこ行こうかなーって。
欲しいなーと思ったら思い浮かぶようになりたい」と久米さん。
「次の世代になっても、おとんがここで買ってたしここで買おか、ってなったらいいな。
今、親と一緒に来る子どもが大きくなって来てくれたらおもしろいな」