焼きそばなのに、スープに浮かぶ!? 黒石市名物「つゆやきそば」を 知ってますか?

青森市から弘前市へと至る間に位置する黒石市は、
町をあげてご当地グルメの「黒石やきそば」を盛り上げ中。
人口3万6000人(2013年5月現在)のこの町には、
やきそばを出すお店が約70店舗。
県内外から訪れる観光客がこれらを何件も巡れるようにと、
「やきそばマップ」を発行し、
住所や営業時間やお店の特徴だけでなく、
駐車場の有無に至るまで掲載されているので、レンタカーでの旅行にも便利です。
お店によって差はあるものの、
「黒石やきそば」は麺が太くて平らで見た目は「うどん」にそっくり。
食感はもちもちで、ウスターソースがよく絡みます。
戦後、黒石の街に生まれたたくさんのやきそば店。
当時は「おやつ焼きそば」と呼ばれ、
10円単位で、金額分のやきそばを新聞に包んでくれるというスタイルだったそう。

そんな中、昭和30年代後半に、
今はなき「美満寿(みます)」という店が、
焼いたやきそばにわざわざつゆをかけた新種が生まれ、評判に。
これが「黒石つゆやきそば」です。
ここ「食堂妙光」もそんな「つゆやきそば」の名店。
営業して20年を越えるこの店の店主に訊けば、
小さい時に食べていた「美満寿」の味を妙光食堂らしく仕上げたのだそう。
「寒くて凍りそうな真冬でも、
お小遣いを握りしめてやきそばを買いに来る子どもたちのために、
冷たい焼きそばの上からラーメンのスープを店主がかけてくれたのが、
始まりじゃないのかなぁ」

ざっくり言うと、こんな風に作られます。
タマネギ&モヤシを豚バラ肉と一緒に炒めた鉄板に、
平太でモッチリの麺と特製ソースが入り、強火でジュージュー炒める。
芳香が漂い始め、これで十分焼きそばとしてイケるものを、
ラーメン用の丼(すり鉢)に入れ、ここで一気にラーメンのスープを投入。
たっぷりの天かすとねぎが放り込まれ、出来上がり。

「天かす」が仲人になって、醤油とソースがみごとにマッチ。

麺にしみ込んだソース味。そしてしょう油ベースのスープとのミックス味。
食べ始めには、麺の周りを包むしょう油味、
しかし麺の奥底は確実にソース味。
どう考えてもミスマッチに思われるこの組み合わせ。
なぜこの味が人々の心を鷲掴みにしてきたのか、皆目見当もつきません。
その理由を探しつつ食べ進めていると、
スープに浮かんだ「天かす」がいよいよ溶け出し、
しょう油味とソース味を仲立ちしながら、コクを出していくのに気付くはず。
とんがっていた2つの味が一緒になったその妙味を、
舌が認識した瞬間に、ハマるのです。
観光で弘前を訪れたなら、黒石市はすぐ近く。
この古くて新しい味は、本当におすすめです!

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