ファームと食べる人をつなぐ場所
ところで自然栽培は、無農薬野菜や有機野菜と何が違うのでしょうか?
それは、肥料や農薬を使わず、自然本来の力を生かす農法のこと。
低農薬や有機野菜を使ったレストランは増えてきましたが、
自然栽培の野菜を扱っている店は、まだまだ珍しい存在です。
その背景には、yoyo.さんと農家さんたちのつながりがありました。

「以前この場所で店を開いていたホシノコーヒーラボさんから
ここを引き継がせていただくことになったときに、
ヴィーガンのパンケーキミックスをつくっている〈マリールゥ〉の鈴木誉也さんが、
〈ふなくぼ農園〉や〈宮尾農園〉をはじめとする
近隣の自然栽培系の農家さんを紹介してくれたんです。
新潟市近郊には自然栽培の農家さんのネットワークがあり、
〈おひさま日曜市〉というマーケットを開いたり、
〈人田畑〉という販売組合をつくったりと、いろんな活動をしているんですよ。
この農法で自然の摂理に沿ってつくられた野菜は、
慣行栽培のものと、ひと味もふた味も違うんです」

こちらは自然発酵させてつくっているヴィーガンキムチ。
2016年暮れから新潟県糸魚川市の山深くに暮らしていたyoyo.さんは、
2019年春に新潟市へと拠点を移しました。
新潟市の野菜を取り巻く環境には、以前から魅力を感じていたといいます。
「新潟市には大好きな祖母が住んでいて、子どもの頃からよく遊びに来ていました。
祖母のそばにいられるということに加え、
おいしい野菜を提供できる環境が整っているということは、
ここに暮らし、お店を開きたいと思った大きな理由のひとつです。
新潟市には、自然栽培の野菜をつくる人がいて、
マリールゥさんのように発信する人がいて、消費者がいる。
いいサイクルがあると思ったんです。
アメリカには、都市型農業が進んでいるポートランドというまちがありますよね。
都市の周りに農園があって、オーガニックの野菜をつくる人がいて、
食べる人がいて、若い人の就農率も上がり、
まちが活性化していくという好循環が生まれている。
そのなかで、飲食店も重要な役割を果たしていて。
私も、気概だけはそういった役割を担う気持ちでやっています。
ちゃんとできているかどうか、わからないですけれど(笑)。
少しずつ食の大切さや新潟の食のシーンを広めていけたらいいですね」

マリールゥの鈴木さんに話をうかがうと、
「野菜は土から抜いた瞬間に命が終わってしまうので、
農家さんたちは『地元で食べてほしい』と言います。
yoyo.さんのような、おいしいヴィーガン料理を提供してくれる方が
来てくださって良かったです」と、太鼓判。
yoyo.さんも「ここへ来て、食べてください」と語ってくれました。

〈マリールゥ〉の鈴木誉也さん。ヴィーガンのパンケーキミックスを販売したり、〈おひさま日曜市〉を開催するなどさまざまな活動を展開。
またマウンテン・グロサリーでは、不定期でライブなどのイベントも開催しています。
「ここから食だけではなく、文化も発信していきたい」と、yoyo.さん。
これからますます、yoyo.さんのパワーとおいしいものに惹かれて、
人が集まるスポットになっていきそうな予感がしました。

個室には、沼垂にある福祉事業所・NPO法人〈障がい者生活ステーション さんろーど〉で描かれた作品が。「すてきな絵とともに彼らの活動を伝えられたら」という思いから作品を紹介している。

沼垂テラス商店街には、カフェや居酒屋などの飲食店のほか、
本屋や陶器工房、コワーキングスペースなども。
お店の人との会話も弾む、元気な人と情報が集まっているスポットです。
新潟市を巡るなら、ここからトリップを始めてみては?

information
mountain△grocery
マウンテン・グロサリー
住所:新潟市中央区沼垂東3-5-16
TEL:090-6516-8626
※1回ひと組の予約制、コース料理での提供。
