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〈山形ビエンナーレ2016〉
山形の物語を体験する
みちのおくの芸術祭

コロカルニュース

posted:2016.7.29   from:山形県山形市  genre:アート・デザイン・建築

〈 コロカルニュース&この企画は… 〉  全国各地の時事ネタから面白情報まで。
コロカルならではの切り口でお届けする速報ニュースです。

writer profile

Yu Miyakoshi

宮越裕生

みやこし・ゆう●神奈川県出身。大学で絵を学んだ後、ギャラリーや事務の仕事をへて2011年よりライターに。アートや旅、食などについて書いています。音楽好きだけど音痴。リリカルに生きるべく精進するまいにちです。

「道の奥は、未知の奧——」。
2016年秋、山形にてみちのおくの芸術祭〈山形ビエンナーレ2016〉が開催されます。

これは山形の中心市街地で2年に1度開かれる
アート、音楽、文学、ファッション、料理などのプログラムが楽しめるお祭り。
東北芸術工科大学が主催し、2014年に初開催。
今年で2回目を迎えます。

芸術監督はアーティスト/絵本作家の荒井良二さん、
総合プロデューサーは東北芸術工科大学学長/映画監督の根岸吉太郎さんです。

荒井さんは山形市のご出身。
2010年から開催してきた市民参加型の展覧会
〈荒井良二の山形じゃあにぃ〉の活動を引き継ぎ、
2014年より山形ビエンナーレの芸術監督を務めています。
この芸術祭は「芸術祭をみんなでつくるワークショップのようなもの」
という荒井さんのスタンスが軸になっているのだとか。

芸術監督の荒井良二さん

「第2回山形ビエンナーレの開催テーマは“山は語る”です。
本来ならば“山は語らず……”だけど、人やケモノの営みがあれば、
そこにはきっと物語や肉声があるはず。
山をひらいて、“みちのおく”の門をくぐった先で、
はてさて、どんなストーリーが語られるのか。
みなさんが主人公になって山形の物語を体験するんですよ。
山形ビエンナーレの会場を歩いているうちに
“あれ、この空間や体験自体が物語なのかな?”って感じてもらえるようなお祭。
そして、その真ん中から子どもたちの声が響いてきたら嬉しいです。
どうぞお楽しみに!」(荒井さん)

〈荒井良二と野村誠の山形じゃあにぃ〉(2015)老人ホームや銭湯など、さまざまな場や人と交流する即興演奏や共同作曲で知られる野村誠さんと荒井さんによるイベント。山形ビエンナーレ2016では2人の掛け合い即興ライブツアーを繰り広げます。

山形ビエンナーレの見どころのひとつは、
ミュージシャンとアーティストが
その場かぎりの即興セッションを繰り広げるパフォーマンスプログラム。

いしいしんじさんの〈いしいしんじのその場小説〉。その名の通り、いしいさんがその場でどんどん小説を書いていきます。

今年はタップダンサーの熊谷和徳さんと
アフリカンパーカッショニストのラティール・シーさんによるセッション、
ミュージシャンのあふりらんぽ、滞空時間によるライブ、
作家のいしいしんじさんによる〈その場小説〉、
詩人の吉増剛造さんとアーティストの鈴木ヒラクさんによるドローイングパフォーマンス、
川村亘平斎さんによる影絵芝居と音楽など多彩なプログラムが楽しめます。

国の重要文化財〈文翔館〉の議場ホール(旧県会議事堂)や、
東北芸術工科大学キャンパスの水上能楽堂〈伝統館〉、
旧温泉施設、元養蚕試験場などといったユニークなロケーションも見どころ。

川村亘平斎さんによる〈BAN BOO NEST〉

ユニークなのは、古くから市のまちとして栄えてきた山形市七日町界隈に
手仕事、農作業、アート、服、本の市を立て、
東北に根ざした活動を行うクリエイターや
生産者を紹介する〈市プロジェクト〉。

会期中の毎週土曜日に立つ〈ふうどの市〉では毎週1名の農家さんを招き、
昼は伝統野菜や果物と料理の販売、夜は交流イベントを開催します。
そのほか、山の手仕事やものづくりを伝える〈山姥市〉、服の市〈山形衣市iiti〉、
本の市〈ブックトープフェス〉、アートの市〈芸術界隈〉が出現するそう。
これは楽しみですね!

山の食や手仕事にまつわる知恵や技術を伝える〈アトツギ編集室〉の〈山姥市〉。ものづくりのこれからを見据え、山の手仕事を伝承・交易させる場としての市庭(いちば)〈山姥市〉を文翔館の前庭に立てます。

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ユニークな案内人と山やワイナリーを巡るツアー

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ナカムラクニオさんによる〈ブックトープ山形〉。〈BOTA coffee〉の2階に6次元のサテライトとして姉妹店〈7次元〉を期間限定でオープン。自主企画の読書会やトークイベントを随時開催します。

国の重要文化財〈文翔館〉をはじめとする施設では
アートや文学、ファッションなどの展示が楽しめます。
荒井良二さんはもちろん、
絵本作家のミロコマチコさんやデザイナーの大原大次郎さん、
カフェ〈6次元〉の店主、ナカムラクニオさん、
各地の祭祀や民話などをモチーフに寓話的世界を描く
田中望さんなどの展示が登場。
以前コロカルでご紹介した〈十三時〉でも、
山伏の坂本大三郎さんが展示やイベントを行います。
いずれもお見逃しなく!

ミロコマチコさんの『あっちの目、こっちの目(クマの話)』。山形ビエンナーレ2016では〈みちのおくつくるラボ〉のメンバーと森とまちの境界で聞き書きを重ね制作した、山車のような立体絵本『あっちの目、こっちの目』をお披露目するそう。

山形にゆかりがある人たちと芸術祭を楽しむなら、ツアーもおすすめ。

山伏の坂本大三郎さんといく湯殿山ツアー< 平澤まりこと旅する YAMAGATA TRAVEL BUREAU 2016>

イラストレーターの平澤まりこさんと、山の自然や信仰、風土と食、地域の
デザインに触れるスタディツアー〈平澤まりこと旅する YAMAGATA TRAVEL BUREAU 2016〉。
このスタディツアーでは、坂本大三郎さんといく湯殿山ツアー、
〈森岡書店〉の森岡督行さんとめぐる寒河江の建築をめぐるツアー、
イラストレーターの平澤まりこさんとタケダワイナリーを訪ねるツアーなどが予定されています。
詳細はこちらから。

呑みながら山形の話を聞きたいという方は、
開催期間中の木・金・土曜日の夜に開店する日替わりマスターの店〈BARミチノオク〉へ。
老舗漬物屋〈丸八やたら漬旅篭町立呑処〉の奥座敷で、
夜毎に変わるマスターの山形話とおいしい漬物を楽しめます。
この芸術祭には、来場者と山形の人たち、
そしてアーティストが一緒に楽しめる催しがたくさん。
ここでご紹介したほかにも、多数のプログラムがあります。
ぜひFacebookや公式サイトもチェックしてみてくださいね。

information

map

みちのおくの芸術祭〈山形ビエンナーレ2016〉

会期:2016年9月3日(土)〜9月25日(日)

会場:山形県郷土館「文翔館」、とんがりビル、BOTA coffee & BOTA theater、山形県緑町庭園文化学習施設「洗心庵」、水の町屋「七日町御殿堰」緑地、丸八やたら漬旅籠町立呑処、ミサワクラス、観光文化交流センター「山形まなび館」、旧西村写真館、ギャラリー絵遊・蔵ダイマス、乃し梅本舗佐藤屋本店、やまがた藝術学舎、東北芸術工科大学

電話:023-627-2091

主催:東北芸術工科大学

Web:山形ビエンナーレ2016

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