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デザインでも
アートでも民藝でもない
“雑貨”こそおもしろい!
21_21 DESIGN SIGHT〈雑貨展〉

コロカルニュース

posted:2016.2.29  from:東京都港区  genre:アート・デザイン・建築

〈 コロカルニュース&この企画は… 〉  全国各地の時事ネタから面白情報まで。
コロカルならではの切り口でお届けする速報ニュースです。

writer profile

Yu Miyakoshi

宮越裕生

みやこし・ゆう●神奈川県出身。大学で絵を学んだ後、ギャラリーや事務の仕事をへて2011年よりライターに。アートや旅、食などについて書いています。音楽好きだけど音痴。リリカルに生きるべく精進するまいにちです。

東京・六本木の21_21 DESIGN SIGHTにて、
雑貨をテーマとした企画展〈雑貨展〉が開催されています。

日本では、つい約半世紀前まで“雑貨”といえばやかんやほうき、
バケツなどの荒物(生活に必須な道具)のことを指していたのだそう。
いまではデザイン性の高いグラスやナイフ、うつわ、ブラシから、
用途が分からないもの、実用性を持たないものまで、
あらゆるものが雑貨と呼ばれています。

私たちは、とかくそんな雑貨が大好き。
本展では、そうした雑貨をめぐる環境や感性をひとつの文化として俯瞰し、
その佇まいやデザイン、魅力にあらためて目を向けています。

松野屋+寺山紀彦(studio note)『荒物行商インスタレーション』(画像 荷車を引く行商/横浜開港資料館所蔵)展示では、明治時代、荷車に日用品を積んで販売していた行商の姿を現代の日用品で再現。

会場イメージ

展示作品は、荒物問屋の松野屋さんと
デザイナーの寺山紀彦さんによる『荒物行商のインスタレーション』や、
青田真也さん、フィリップ・ワイズベッカーさんをはじめとする
アーティストによる雑貨を感じるアート作品、
雑貨にまつわる資料を閲覧できるライブラリー、
〈森岡書店〉の森岡督行さんや〈Roundabout, OUTBOUND〉の小林和人さんら、
さまざまな分野のプロフェッショナルが集めた雑貨の展示などなど。

青田真也「ZAKKA OBJECTS & DRAWINGS」撮影:伊奈英次/『MOTアニュアル2014 FRAGMENTS』東京都現代美術館

WE MAKE CARPETS『Peg Carpet』(Photo: Bollmann/参考画像)

展覧会ディレクターは、プロダクトデザイナーの深澤直人さん。
深澤さんは本展の開催にあたって次のように言葉を寄せています。

なぜ“雑貨”がこんなに魅力的なのだろう。
なぜ雑貨店がこんなに私たちを惹きつけるのだろう。
もうこれは“新しいデザイン”という魅力を超えているかもしれない。
生活に溶け込んだ親しみやすさや心地、
細やかな配慮の上に成り立ったささやかな幸福感のシンボルのように
人の心に響いているのかもしれない。
(中略)
デザインやアートや骨董、民藝や工芸とは異なる、魅力を放つ
もう一つのカテゴリーに“雑貨”というものが登場したように思う。
これは常に少し前の時を振り返るノスタルジックな心持ちにも繋がっている。
いつも“あれはよかった”という安堵の感情を揺さぶるものではないか。
人はモノに疲れているし流れの速い時の移り変わりに戸惑っている。
だから“雑貨”は心を落ち着かせてくれる。
この魅力を放つモノ、“雑貨”という美学に焦点を当て、
共にその魅力を語り合ってみることがこの展覧会の目的である。

(深澤直人)雑貨展公式サイトより

1Fショップスペース什器イメージ(デザイン:長坂 常/スキーマ建築計画)

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生活の道具から新しく生まれたアートまで!雑貨展のみどころ

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展覧会企画チーム+三宅瑠人『雑貨と生活史年表』(イメージ) (画像: 三宅瑠人『CAMP TOOLS』<FIGARO japon No.461>)

本展では、生活における雑貨の広がりに着目した、多様なテーマの
展示が展開。資料展示も多く、ボリュームたっぷりです。

〈ZAKKA OBJECTS & DRAWINGS〉というセクションでは、
フィリップ・ワイズベッカーさん、青田真也さんなどのアーティストによる
“雑貨を感じるアート作品”を展示します。これは楽しみ!

〈ZAKKA OBJECTS & DRAWINGS〉フィリップ・ワイズベッカー『BOMBAS』

展覧会企画チームとイラストレーターの三宅瑠人さんによる『雑貨と生活史年表』は
雑貨のルーツに歴史的背景からふれられる作品。

戦後と現代の暮らしの変化について知りたい方には、
映像作家/多摩美術大学講師の菅 俊一さんによる
『今 和次郎と現代の「考現学」』がおすすめ。

とにかく雑貨を見たい!という欲求を満たしてくれそうなのは、
さまざま分野のプロフェッショナルが雑貨を展示するセクション。
“一冊の本を売る書店”〈森岡書店〉の森岡督行さんや
〈Roundabout, OUTBOUND〉の小林和人さん、
島根県の岩見銀山で根のある暮らしを提案している〈群言堂〉の
松場登美さんらの雑貨が見られます。

藤城成貴『雑貨とデザインの考察』

そのほかにも、イラストレーター/デザイナーの川原真由美さんによる『雑マンダラ』や、
デザイナーの藤城成貴さんによる雑貨のなりたちに迫る作品、
〈民具木平〉の野本哲平さんによる『雑種プロダクト』、
スタイリストの国松遥さんに雑貨展ライブラリーなどなど、
おもしろそうな展示が一杯です!

雑貨展

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21_21 DESIGN SIGHT 企画展 雑貨展

会期:2016年2月26日(金)〜6月5日(日)

住所:東京都港区赤坂 9-7-6

アクセス:都営地下鉄大江戸線・東京メトロ日比谷線六本木駅、千代田線乃木坂駅より徒歩5分

休館日:火曜日(5月3日は開館)

開館時間:10:00〜19:00(入場は18:30まで)

※4月28日(木)は関連プログラム開催に合わせ、通常19:00閉館のところを特別に22:00まで開館延長します(最終入場は21:30)

入場料:一般1,100円、大学生800円、高校生500円、中学生以下無料

*障害者手帳をお持ちの方と、その付き添いの方1名は無料

その他各種割引についてはホームページをご覧ください

展覧会ディレクター:深澤直人

企画:井出幸亮、中安秀夫、橋詰 宗、熊谷彰博

参加作家:青田真也、池田秀紀/伊藤菜衣子(暮らしかた冒険家)、WE MAKE CARPETS、川原真由美、国松 遥、小島準矢(Superposition Inc.)、島本 塁/玄 宇民(CGM)、清水久和(S&O DESIGN)、シンプル組合&RONDADE、菅 俊一、D&DEPARTMENT、寺山紀彦(studio note)、野本哲平、萩原俊矢、藤城成貴、町田 忍、松野屋、三宅瑠人、フィリップ・ワイズベッカー

出展者:井出恭子(YAECA)、岡尾美代子、小林和人(Roundabout, OUTBOUND)、小林 恭・マナ(設計事務所ima)、たかはしよしこ(S/S/A/W)、平林奈緒美、ルーカス B.B.(PAPERSKY)、PUEBCO INC.、保里正人・享子(CINQ, SAML.WALTZ)、松場登美(群言堂)、南 貴之(alpha)、森岡督行(森岡書店)

主催:21_21 DESIGN SIGHT、公益財団法人 三宅一生デザイン文化財団

Webサイト:雑貨展

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