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posted:2016.2.27 from:群馬県渋川市 genre:食・グルメ / 買い物・お取り寄せ
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text & photograph
Yuichiro Yamada
山田祐一郎
やまだ・ゆういちろう●福岡県出身、現在、福津(ふくつ)市在住。日本で唯一(※本人調べ)のヌードル(麺)ライターとして活動中。麺の専門書、全国紙、地元の情報誌などで麺に関する記事を執筆する。著書に「うどんのはなし 福岡」。 http://ii-kiji.com/ を連載中。
群馬が誇るご当地うどんの魅力を探る、
ヌードルライター山田による「うどんのはなし」番外編。
第1回目は「おっ切り込み」を取り上げさせていただきました。
いま、この瞬間も鮮明に思い出されるインパクトのあるひもかわうどんの存在感、
そして煮込むことによって得られる味噌スープとの一体感……
これぞ、群馬一のご当地うどん! と思っていました。
が、いやいや、とんでもない。群馬のうどんはなかなかディープです。
〈水沢うどん〉を食べて、再び、
わたくしヌードルライター山田の脳天に衝撃が走りました。
水沢うどんとは、その名が表す通り、群馬県・水沢の名物料理です。
世間一般的には〈讃岐うどん〉〈稲庭うどん〉と並ぶ
“日本三大うどん”のひとつとされています。
その歴史はとても深く、誕生したのは約1300年前といわれています。
水沢地区にある〈水沢寺〉(水沢観世音)の僧侶が、
ご当地・上州産の小麦、榛名山(はるなさん)から湧き出た名水によってつくられる
手打ちうどんの製法を伝え、寺の参詣者に振る舞ったのが始まりです。
現在、水沢寺近くに水沢うどんを提供するお店が立ち並ぶことから
「水沢うどん街道」という愛称で呼ばれているそう。
ちなみに、水沢うどんの元祖とされているのが、天正十年創業の老舗〈田丸屋〉。
ご当地に行かれた方は、ぜひ立ち寄ってみてくださいね。
水沢うどんには独自の基準があり、伝統の製法を守ったものだけを
水沢うどんと呼び、商標登録店組合がその品質を守っているそう。
脈々と受け継がれてきた文化的な背景を知り、さらに興味が深まります。
お取り寄せしたのは「水沢うどん8人前詰め合わせ」。
前回のおっ切り込みは煮込み料理でしたので、
今回はシンプルに麺そのものが味わえる一品に惹かれたわけです。
いざ、箱を開けてみると……
中はこんな感じ。2食ずつ1袋に入っているのが便利です。
袋の中には、冷たいざるうどんがオススメの食べ方ということもあり、
2食分のうどん、そして麺つゆ、ゴマが入っていました。
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さっそく麺を茹でてみましょう。
レシピによると、グツグツと沸騰するお湯に麺を投入し、
麺が浮かび上がった時点から約15分間茹でるとのこと。
15分とありましたが、恐らく家庭用のコンロで湯を沸かしていることもあり、
火力が小さいからか、ぼくの場合は少し足りないようだったので、
さらに1分長めに茹でました。
ここでひとつ注意したいのが、今回作ろうとしているのがざるうどんという点です。
ざるうどんは茹で上がった麺を一度、冷水で締めるため、
その際に麺がキュッと引き締まります。
それを踏まえたうえで、少しだけやわらかめに茹でておくほうが、
最後の仕上がりの際においしくいただけるように思いました。
麺が頃合いだと思ったら、火を止めます。
ここから、鍋にフタをして1分、放置しましょう。
この時に麺がしなやかに馴染むようです。
放置が終わったら、冷水でジャブジャブと。
麺を傷つけないように注意しつつ、表面のぬめりをとります。
その後はザルに揚げ、水分をしっかりと切りましょう。
思わず生唾がせり上がってくるような光沢感!
やや太めのビジュアルが、とっても魅惑的ですね。
器に盛りつけ、いざ、実食タイム。
こうやって見ると、麺線がスッと伸びていて、実に美しい。
まずは何もつけずにそのまま食べてみました。そのみずみずしい食感にうっとり。
唇につるつると勢いよく滑り込んでくる感じは、
スケートリンクを滑走する一流選手のよう。淀みなし。スピード感が違います。
ツルッとした口当たりは、つまり麺自体にほどよい水分が含有されていて、
小麦の粉がしっかり一体となっている証。寝かせ(熟成)が絶妙なのでしょうね。
麺つゆにくぐらせ、あらためて味わってみると、コシの強さもいい塩梅。
決して強すぎず、それでいて、歯にがっしりと食い込む感じが堪能できました。
せっかくなので、釜揚げうどんでも食べてみることに。
冷水にさらさないため、麺がキュッと締まらず、
ざるで食べたときよりも形状がやや大きく感じられます。
食べてみると、ファーストタッチはふわりとやわらかく、
咀嚼してみると奥にコシが確かに残っている魅惑の食感。
熱々を食べるという点で、いま現在の冬に食べるなら、大いにアリ!
水沢うどんの本領、とことん体感させてもらいました。
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