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〈 コロカルニュース&この企画は… 〉
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Yuichiro Yamada
山田祐一郎
やまだ・ゆういちろう●福岡県出身、現在、福津(ふくつ)市在住。日本で唯一(※本人調べ)のヌードル(麺)ライターとして活動中。麺の専門書、全国紙、地元の情報誌などで麺に関する記事を執筆する。著書に「うどんのはなし 福岡」。 http://ii-kiji.com/ を連載中。
福岡生まれ、福岡育ち。
そんなぼくの地元・福岡は、全国きってのご当地麺の宝庫です。
博多ラーメン、久留米ラーメン、戸畑ちゃんぽん、
焼きラーメン、博多皿うどん、筑後うどん、小倉発祥焼きうどん、
まだまだあって、本当に枚挙にいとまがありません。
ところが、群馬県もまた、負けないくらいの麺の宝庫だと聞きました。
そこで、3回にわたり、群馬県の麺をお取り寄せしてご紹介します。
「ぐんま三大うどん」とされる水沢うどん、館林うどん、桐生うどんを筆頭に、
おっ切り込み、ひもかわうどん、たかさき福々うどん、上州太田焼きそば、
キムトマ焼きうどん、高崎パスタ、藤岡ラーメンと、
こちらも例を挙げだすとキリがありません。
ヌードルライターとして、いつかはコンプリートせねばなるまいと思わせる、
圧巻のラインナップです。
そもそも、なぜ群馬は麺が豊富なのか。
そこには群馬ならではの気候と風土が関係しているそう。
小麦は主に秋冬に栽培されます。
その際、ポイントになるのが、日照時間と湿度。
小麦の栽培には長い日照時間とほどよい大地の乾燥が必要です。
群馬は冬の日照時間が長いうえに、水はけがいい火山灰地で、
からっ風が吹き、足元の大地が適度に乾燥します。
こうして良質な小麦が育つのです。
そんな群馬の小麦の生産量は全国トップクラス。
なんと弥生時代からの小麦の産地なのだと知って、驚愕しました。
そんな背景があり、小麦によって群馬の食文化は育まれていきました。
今回紹介するにあたり、本当に悩みました、どれにすべきか。
だって、どれをチョイスしても、未知との出会い。
もう、これは選べない! と思うくらい追い詰められ、出した結論が、
この「上州ひもかわうどんのおっ切り込みご膳 みそ味」です。
「おっ切り込み」とは、幅広い形状が特徴のひもかわうどんを、
野菜や肉と一緒に煮込んで楽しむご当地グルメ。
このセットには、ひもかわうどんと群馬県産を主とした野菜8種
(大根、にんじん、里芋、こんにゃく、ごぼう、まいたけ、豚肉、油揚げ)の水煮、
そして香り高い赤味噌に旨みを加えたおっ切り込み専用の
味噌スープが一式セットになっています。
特に食材を用意する必要なしというお手軽ぶりがありがたいですね。
何が決め手になったか。
まだまだ寒い冬ですし、いかにもあったかそうなビジュアル。
そしてひときわ目を引いた幅広い麺。ということで、さっそく食べてみます。
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箱の中には、ひもかわうどんの乾麺、
そしてレトルトパックに入った野菜、味噌スープ。
手順でいうと、まず麺を茹でます。
その後、鍋に野菜と味噌スープを投入して温め、
頃合いに茹でた麺を鍋に入れてひと煮立ちさせると完成です。
包丁も、まな板もいらないのでラクラク。
さっそく麺の袋を開けて、ひもかわうどんとご対面。
幅広い麺だとは聞いていたものの、こうやって実際に見ると、
実にインパクトのある佇まいですね。
厚みは1ミリほどと極薄です。麺って細長いもの。
そういう先入観をみごとに打ち砕いてくれます。
ちなみにこの幅は茹で上がりで23ミリ(乾麺の状態で約15ミリ)。
ご当地では100ミリ、つまり10センチものひもかわ麺もあるそうですよ!
アメージング!
麺を泳がせつつ、茹でていきます。
薄い板状なので、最初から力任せに箸でかき混ぜようとすると
折れてしまいますので、どうぞ、やさしく、慎重に。
7、8分茹で、麺に火が通ったら、いったん水にさらし、十分に水を切りましょう。
思わずつまみ食いしたくなる、甘美なビジュアル。
1枚すすってみると、唇にブルブルと震えながら
滑り込んでくる食感がたまりません。これは実に官能的です。
味噌スープ、野菜を投入して温めます。
スープが温まったら麺を入れ、3分ほど煮込みましょう。
スープはカツオベースです。具材からの旨みが溶け込み、実に奥行きがあります。
じんわりと体に沁み入る豊かな旨みにつられ、
ついついスープをどんどん飲んでしまいました。
お好みで七味唐辛子をかけてもアクセントになります。
ごぼうのしゃっきり感、こんにゃくやしいたけの
クニッと歯に食い込むような弾力感もまたアクセントに。
そして、いよいよ麺を実食。
わずか1ミリ程度の薄さなのに、かなりひきがあり、箸で持ち上げてもちぎれず、
ピラピラッと箸の振動をしなやかに受け流すではありませんか。
しっかりとしたコシがあるのは食べる前から明白です。
注目したいのが、その幅の広さ。
水分を含むことで、乾麺の状態から比べると、一層、幅が強調されます。
ゴクッと喉がなり、口に運んでみる。
ブルブルブルブル〜っと音をたて、麺が口に流れ込んでいきます。
この薄い形状がもたらす独特の震える食感は感動ものです。
咀嚼すると、コシの存在感はしっかり。
これだけ個性炸裂な麺だと、最後まで、一切飽きません。
恐るべし、ひもかわうどん。そして、おっ切り込み。
味見で食べたざるうどんでの食べ方も忘れられないので、残りはざるで味わってみます。
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