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posted:2015.9.20 from:高知県室戸市 genre:旅行
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writer profile
Akiko Saito
齋藤あきこ
さいとう・あきこ●宮城県出身。図書館司書を志していたが、“これからはインターネットが来る”と神の啓示を受けて上京。青山ブックセンター六本木店書店員などを経て現在フリーランスのライター/エディター。
連休まっただ中、お出かけの方も多いのではないでしょうか。
近頃注目を集めるのが「ジオパーク」。
ジオとは地球のこと。自然の地層や地形など、
世界的に重要な地形や地質を含む、自然公園の一種です。
ただいま日本では「洞爺湖」、「有珠山」、「糸魚川」、
「山陰海岸」などが世界ジオパークに認定されています。
ただいまそんなジオパークのシンポジウム「アジア太平洋ジオパーク
ネットワーク山陰海岸シンポジウム」が鳥取市で開催。
2015年9月19日(土)、北海道の「アポイ岳」が新しく認定されたほか、
高知県の室戸半島に位置する室戸市全域を範囲とする
「室戸ジオパーク」が再認定されました。
世界ジオパークは4年に1度、認定の再審査が行われています。
「ジオパーク」の概念は、実は地形や地質の保全だけではありません。
その土地の文化や歴史、生態系も対象としており、地域の活性化や教育など、
地域社会の持続可能な発展に取り組む地域が認定されるんです。
室戸世界ジオパークでは、
いったいどんな取り組みがされてきたのでしょうか?
室戸ジオパークが世界ジオパークに認定されたのは
2011年9月のこと。
室戸の凄さは、プレートテクトニクス理論を初めて陸上で
証明した土地であること。
現在も、1,000年で平均2mという驚異的な速度で
地面が隆起し続ける地殻変動の最前線であり、
地球のダイナミックな営みによって生じた地形や地質を目前で
観察することができます。
また室戸で見ることができるのは、激しく変動し続ける大地と
ともに生きる人々の営みや歴史。
室戸の伝統的建造物もジオパークの一部で、
現地では地元のボランティアの方が
建造物と地形との関係を教えてくれます。
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今年4月29日には、廃校になった中学校を改修した、
ジオパークの拠点施設「室戸世界ジオパークセンター」がオープンしました。
ここは入館料無料。
地形の成り立ちや地域の文化についての情報提供や、
ガイドツアー、体験プログラムの案内などを行っています。
オープンから4カ月後の今年8月29日には、入館者が5万人を突破しました。
ほかにも、地元をあげて「ジオパーク」に取り組む室戸市。
「室戸高校」では、2011年から授業の選択科目で「ジオパーク学」を開講。
外部から専門家を招いての講義や現地調査、
観光客へのガイドなどを継続して行っているのだそうです。
地形・地質の保全のためには、地域の開発管理や、
持続的な地域社会の発展も不可欠。
ジオパークの取り組みは今後ますます注目を集めそうです。
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