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Kanae Yamada
山田佳苗
やまだ・かなえ●島根県松江市出身。青山ブックセンターやギャラリースペース、ファッション・カルチャー系媒体などを経て、現在フリーのライター、編集者として活動中。まだまだ育ち盛り、伸び盛り。ファッションと写真とごはんが大好きです。
〈Azumi Setoda〉 〈SOIL Setoda〉の開業で盛り上がりを見せる広島・瀬戸田。
しかし、これらの施設のある瀬戸田港周辺、昔から観光地として知られる
耕三寺・平山郁夫美術館のあるエリアのしおまち商店街は、現在空き店舗が目立ちます。
SOIL Setodaを運営する〈株式会社Staple〉の子会社〈株式会社しおまち企画〉は、
そのようなしおまち商店街を活性させるプロジェクトとして、
店舗と住宅兼宿泊が一体化した建築ユニット〈ショップハウス〉の開発を開始しました。
瀬戸田の空き店舗は、設備の老朽化に伴う空き家再活用の難化や、
空き店舗の第三者への貸出が進まないといった課題が起因しています。
さらに近年は、移住者増加に伴う住宅供給不足などの新たな課題も。
しおまち企画が参加した「しおまちとワークショップ」では、
空き物件の活用を地域活性化の最優先課題と捉え、
今回のショップハウスプロジェクトの構想が生まれました。
小規模不動産の開発を面で展開、
商店街の店舗にさまざまな事業者を誘致することで多様性を生み出し、
まちの関係人口を増やすための受け入れ態勢を整える。
上記の点に基づき、地域ににぎわいをもたらす新しい仕組みとして
建築ユニット「ショップハウス」が開発され、商店街に展開されます。
2025年までに、空き家のリノベーション型と新築型を合わせて、
10棟を超えるショップハウスがしおまち商店街近辺にオープン予定。
第1弾はSOIL Setodaの隣に、ショップハウス1号(リノベーション型)が春、
ショップハウス2号(新築型)が夏に開業予定。
中長期的には、瀬戸田でのショップハウスの開発事例をもとに、
同様の課題を抱える地域へのショップハウスの展開・情報共有なども計画されています。
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ショップハウスの1階は店舗、
2階は中長期滞在者がメインターゲットの宿泊施設〈SOIL Stay〉です。
ショップハウス1号では、1階に栄養のあるおかずを取り揃えた自社運営の惣菜屋が。
今後は外部の事業者に貸し出し、多様な店舗と人が共存する商店街にしていくそうです。
2階のSOIL Stayは、中長期滞在者やリピーターの旅人が
瀬戸田の滞在の拠点にできる場所として整備するとともに、今後の宿泊需要にも対応。
ショップハウス1号(リノベーション型)・ショップハウス2号(新築型)の設計は、
国内外でカフェやホテル、住宅など様々な空間のデザインを手がける〈Puddle Inc.〉が担当。
建材においては、岡山県西粟倉村にある〈株式会社西粟倉〉の
木材の加工流通事業を手掛ける〈森の学校〉とも提携。
岡山県の西粟倉村は「百年の森林構想」を掲げ、
2008年から村ぐるみで森林再生と地域再生に取り組む地域です。
建築には、西粟倉で伐採・製材された木材を使用され、
外壁の焼杉は、地域連携の証として、プロジェクトに関わる瀬戸田のメンバーと
西粟倉・森の学校のメンバーと共同で杉を焼くワークショップで
生み出されたものが使われます。
「このまちに住むいち生活者としても、ショップハウスを通じて
今後商店街に多様な店舗や人材が新たに入ることで、
瀬戸田での生活がより住みやすく、豊かになることを期待しております」
(しおまち企画代表取締役 小林亮大)
「ショップハウスはまさに地元の方々や移住者のためにより豊かな生活基盤の提供や、
目に見える人の営みを景色として作っていきたいという思いをもって始めたものですが、
この店舗と客室のユニットは今後他の地域でも必要としてもらえるのではないかと考えます。
『ショップハウスが展開する先は地域が元気になるね』と言われることを目指します」
(Staple代表取締役 岡 雄大)
このショップハウスプロジェクトは、
「しおまちとワークショップ」「電動レモンバイクの普及」で手を組んできた
JR西日本イノベーションズ(JR西日本グループ)をはじめ
複数の地域事業者から資金調達を実施されました。
空き店舗活用の側面から見ても、興味深いプロジェクト。
完成が楽しみですね。
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