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posted:2022.5.3 from:広島県尾道市 genre:旅行 / アート・デザイン・建築
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writer profile
Kanae Yamada
山田佳苗
やまだ・かなえ●島根県松江市出身。青山ブックセンターやギャラリースペース、ファッション・カルチャー系媒体などを経て、現在フリーのライター、編集者として活動中。まだまだ育ち盛り、伸び盛り。ファッションと写真とごはんが大好きです。
瀬戸内海中部に浮かぶ芸予諸島のひとつである百島に、
現代アートを楽しめる宿〈乙 1731-GOEMON HOUSE〉が5月7日にオープンします。
同館は、百島で長年空き家となっていた日本家屋を3年かけて改修し、
安土桃山時代の盗賊・石川五右衛門が釜茹の刑に処された説話のある
「五右衛門風呂」を中心に、現代アートと家屋が一体化した宿です。
気になるアートですが、母屋1階の柿渋で染められた暖簾の先には、
現代美術家の榎忠、原口典之、柳幸典という
3名の強烈な作品が展示されています。
大広間にある榎忠の作品群『LSDF020』。
実際に戦地で使用された約3トンの薬莢、
鉄のスクラップを再利用して制作された大砲のオブジェ『Liberty C2H2』、
旧ソ連製のAK-47と米国製のAR-15を模した鋳物のマシンガン群です。
目に迫るような迫力で、記憶にしっかりと残りそうです。
柳幸典の2018年に誕生した『籠の鳥』。
本作で使用された日本刀は、百島の空き家から発見されたもの。
太平洋戦争に出兵した島民が沈没する軍艦から
この刀一本のみを身につけて生還したというエピソードが語られています。
その近くにあるのは、原口典之の2017年の新作『布袋とロープの関係』。
大型船の2トンあまりの係留ロープが大きな布袋に詰め込まれ、
その重量のみで自立している、これまたインパクト大の作品です。
それから、五右衛門風呂の説話である石川五右衛門の釜茹での刑を描いた、
三代目 歌川豊国(歌川国貞)の浮世絵『木下曽我恵砂路』も飾られています。
五右衛門風呂に入る前に、ぜひともチェックを。
宿泊客しか見れない夜の展示もあるそうで、
特別な空間で観るアートはまたひと味違うことでしょう。
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そして、この宿の目玉のひとつである直径1.6mの巨大な五右衛門風呂。
安土桃山時代の盗賊・石川五右衛門が、
豊臣秀吉が所持していた千鳥の香炉を盗もうとして捕らえられ、
釡茹の刑に処されたという説話のある釡風呂と同じ形の特大サイズです。
もちろんお風呂は、薪を炊いてお湯を温めるのだそう。
自然を感じながら前代未聞の大きさの五右衛門風呂に入るなんて、
なかなかできない贅沢な経験!
五右衛門の最後の晩餐がテーマになった夕食。
義賊として多くの作品に登場する、愛されキャラクターの五右衛門。
当時の様子や五右衛門を想像して食べる夕食は、また違ったものになるはず。
朝食は、百島の柑橘から誕生した天然酵母の手づくりパンに、
百島の柑橘や苺のジャムと季節の野菜が付いてきます。
そのほか、百島にはカヤック体験やサップ、陶芸、
レンタサイクルなどのアクティビティも充実。
自然の中で思い思いの体験ができそうです。
今年こそひと味違うバカンスにしたいと思っているあなた、
乙1731-GOEMON HOUSEで、刺激的なひとときを過ごしてみては?
information
乙1731-GOEMON HOUSE
住所:広島県尾道市百島町1731 ART BASE 百島
宿泊料金:1泊1人あたり33000円(2名から宿泊可能。最大4名まで。五右衛門風呂の入浴料、夕・朝食付きでアートベース百島および日章館の観覧の入場料も込み)
*価格はすべて税込です。
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