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〈DAILY SUPPLY SSS〉
東京・池上に〈L PACK.〉の
コーヒースタンド+日用品店+
ギャラリーがオープン!

コロカルニュース

posted:2022.3.22   from:東京都大田区池上  genre:活性化と創生 / 買い物・お取り寄せ

〈 コロカルニュース&この企画は… 〉  全国各地の時事ネタから面白情報まで。
コロカルならではの切り口でお届けする速報ニュースです。

writer profile

Yu Miyakoshi

宮越裕生

みやこし・ゆう●神奈川県出身。大学で絵を学んだ後、ギャラリーや事務の仕事をへて2011年よりライターに。アートや旅、食などについて書いています。音楽好きだけど音痴。リリカルに生きるべく精進するまいにちです。

池上に誕生した、アートと日常の交差点

2022年3月19日、東京都大田区池上に、
アーティストユニットL PACK.のショップ/ギャラリー
〈DAILY SUPPLY SSS(デイリーサプライエスエスエス)〉が移転オープンします。

池上では、3年間にわたってまちづくり拠点〈SANDO BY WEMON PROJECTS〉を
運営してきたL PACK.。
同拠点は2022年1月にクローズしましたが、同じ池上の地に
横浜にあったDAILY SUPPLY SSSを移し、新たな試みを展開していくようです。

L PACK.のことを初めて知ったという方のために、少しご紹介を。
彼らは小田桐奨さんと中嶋哲矢さんによるユニット。

アーティストユニットL PACK. 左から中嶋哲矢さん、小田桐奨さん。Photo : Koichi Tanoue

アーティストユニットL PACK. 左から中嶋哲矢さん、小田桐奨さん。Photo : Koichi Tanoue

静岡文化芸術大学の空間造形学科で出会い、建築を学んだ二人は、
人が集う場を「建築」として提案したいと考えるように。
2007年よりアーティストユニットとして活動を始め、
最小限の道具と現地の素材を組み合わせた「コーヒーのある風景」をつくり、
まちの要素の一部となることを目指してきました。
主な活動に、廃旅館をまちのシンボルにコンバージョンする「竜宮美術旅館」(横浜 2010〜2012)や、
室内の公共空間を公園に変えるプロジェクト「L AND PARK」(東京 2011〜2012)、
旧寿司店を再生し、まちの社交場に変換させた
〈アッセンブリッジ・ナゴヤ〉での「UCO」(名古屋 2016〜)などがあります。

Photo : Koichi Tanoue

Photo : Koichi Tanoue

2017年には、建築家の敷浪一哉さんとともに
横浜市神奈川区にあった空き店舗を再活用し、
日用品店DAILY SUPPLY SSSをオープン。
さらに2019年には〈池上エリアリノベーションプロジェクト〉のまちづくり拠点、
SANDO BY WEMON PROJECTSを立ち上げ、プロジェクトメンバーとともに運営を行ってきました。

建築をバックグラウンドに持ち、「場」をつくることを軸に活動してきたふたりですが、
特徴的なのは、建物の再生からカフェのメニューづくり、
調理、接客まで、すべてを自分たちで行っていること。
その土地で出会った人たちと共同しながら設計を練り、
自らの手を動かしてリノベーションを行い、
オープン後も店に立ち、まちの人たちに接しながら
アップデートを繰り返していくという、新しいかたちの活動を続けているのです。
そんな彼らが開いたDAILY SUPPLY SSSがこれからどんなお店になっていくのか、楽しみですね。

じつはこちら、2月からプレオープンしているのですが、外観はこんな感じ。

Photo : Koichi Tanoue

Photo : Koichi Tanoue

ここはかつて、〈Flower Shop wnico(フラワーショップ ニコ)〉が入っていた建物。
その後は3年ほど空き家になっていたのですが、
昨年の秋にL PACK.が借り受け、リノベーションを開始。
当時はSANDO BY WEMON PROJECTSも運営していたため、
小田桐さんがSANDOを切り盛りし、中嶋さんが新店の改装デザインから工事までを行ったといいます。
何とも離れ業のコンビネーション!

DAILY SUPPLY SSSのリノベーションと工事を手がけた中嶋哲矢さん。Photo : Koichi Tanoue

DAILY SUPPLY SSSのリノベーションと工事を手がけた中嶋哲矢さん。Photo : Koichi Tanoue

立地は池上駅から徒歩2分の、交差点の角。
通りに面してコーヒースタンドがあり、
散歩中のおじいさんや子ども連れの家族が立ち寄ったり、
ママさんが自転車に乗ったままコーヒーをオーダーしたり。
とても風通しのいい、まちに開かれた空間になっています。

Photo : Koichi Tanoue

Photo : Koichi Tanoue

オープンしたばかりのスタンドでコーヒーを淹れる小田桐奨さん。Photo : Koichi Tanoue

オープンしたばかりのスタンドでコーヒーを淹れる小田桐奨さん。Photo : Koichi Tanoue

「先日幕を閉じたSANDO BY WEMON PROJECTSでは、
カフェを拠点にさまざまなイベントを行い、たくさんの出会いがありました。
今後は、池上で出会ったたくさんの人たちと一緒に、
お店とお客さんという関係を超えて、
おもしろいことをしていきたいなと思っています」(小田桐さん)

コーヒー豆はL PACK.が自ら焙煎しており、中南米やアフリカ、
東南アジアの豆を厳選し、常時5〜6種類用意。
浅煎りから深煎りのものまであり、最近はデカフェも人気です。

Photo : Koichi Tanoue

Photo : Koichi Tanoue

コーヒースタンドではドリップコーヒーやカフェ・ラテなどがオーダーできるほか、
エスプレッソをトニックで割った、ちょっと珍しいドリンクも。
そのほかに、ジュースやハーブティもあります。
フードは自家製ドーナツに、地元のソーセージと特注のパンを使ったホットドック。
ドーナツは、早くも人気になっているようです。

日用品は、諸国のプロダクトや洗剤、食器、掃除用具、食品などを販売。
今後は、はかり売りの商品も登場するようです。

Photo : Koichi Tanoue

Photo : Koichi Tanoue

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「L PACK.が考える日用品のとなりのアートとは?」

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アーティスト、青田真也さんの展示〈A.B.〉を開催

『A.B.』Shinya Aota

『A.B.』Shinya Aota

新しいSSSが力を入れているのは、ギャラリーとしての機能。
オープン初日からは、こけら落としとして
アーティスト、青田真也さんの展示〈A.B.〉を開催します。

青田さんは、身近にある日用品や家具の表面をヤスリで削り落とすことで、
もの自体の存在や価値を問う作品を制作しています。

Shinya Aota

Shinya Aota

今回発表するのは、アート作品というよりはプロダクト。
既成のガラスボトルの表面を砂の研磨剤を吹き付けるサンドブラストという技法で研磨し、
磨りガラスのような質感に仕上げた『A.B』というシリーズです。

『A.B.』Shinya Aota

『A.B.』Shinya Aota

商品名やロゴマークが失われたガラスボトルは、
工業製品としての機能美だけがそこにあるような、不思議な存在感。
鑑賞するだけではなく、花を生けたり、飲みものを入れたりと、
日常的に使えるというのも楽しい。

『A.B.』Shinya Aota

『A.B.』Shinya Aota

L PACK.は、アートが美術館やギャラリーの中だけにあるものではなく、
日常にあるものとして紹介していきたいと考えているそう。

「お店に来るお客さんは、地元の方や沿線に暮らしている人たちが多いのですが、
僕たちがやりたいことは、広い層の人たちと僕らの間に日常の接点をつくることなんです。
それで、自分たちが扱うものを“日用品”という言い方にして提案したり、
毎日のように飲むコーヒーを販売したりしています。
アート作品もその延長線上で紹介したら、
普段アートに馴染みがない方も、心を開いてくれるんじゃないかと思って。
様々な層の人がふらっと入ってこられるような場所にしていきたいです」(小田桐さん)

青田さんの展示〈A.B.〉は3月19日(土)~4月9日(土)まで。
ぜひ普段着で、ふらっと出かけてみてください。

information

map

DAILY SUPPLY SSS 

住所:東京都大田区池上3-41-3 ハウスコンフォート102

時間:12:00〜18:00

定休日:日・月・火

アクセス:東急池上線池上駅 徒歩2分

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