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3月26日からオンラインでも販売!
東北の職人と「マムアンちゃん」が
コラボレーション

コロカルニュース

posted:2022.3.9   from:宮城県仙台市  genre:ものづくり

〈 コロカルニュース&この企画は… 〉  全国各地の時事ネタから面白情報まで。
コロカルならではの切り口でお届けする速報ニュースです。

writer profile

Haruna Sato

佐藤春菜

さとう・はるな●北海道出身。国内外の旅行ガイドブックを編集する都内出版社での勤務を経て、2017年より夫の仕事で拠点を東北に移し、フリーランスに。編集・執筆・アテンドなどを行なう。暮らしを豊かにしてくれる、旅やものづくりについて勉強の日々です。

マムアンちゃんが教えてくれる職人の物語

タイの漫画家ウィスット・ポンニミットさん(通称タムくん)が描く
人気キャラクター「マムアンちゃん」と、
東北の職人がコラボレーションしたオリジナルグッズが発売になりました。

商品は、〈土笛〉、〈活版アートカード〉、〈起き上がり人形〉、
〈マッチ箱クリップ〉、〈飾りコマ〉の全部で5種類。
「マムアンちゃんをきっかけに、今まで興味がなかった人にも、
東北の手仕事を知ってもらいたい」という思いでつくられた
かわいい外見には、職人の物語が隠されています。

たとえば、〈起き上がり人形〉は、岩手県で3代続く「六原張り子」。
その名をはじめて聞く人も多いかもしれません。

岩手県のデザイナーズユニット〈コシェルドゥ〉による〈起き上がり人形〉2750円。 マムアンちゃんの特徴的なマンゴー型の髪を表現するため、通常の人形より肉付けし、起き上がるバランスになるよう試作を重ね生まれました。

岩手県のデザイナーズユニット〈コシェルドゥ〉による〈起き上がり人形〉2750円。 マムアンちゃんの特徴的なマンゴー型の髪を表現するため、通常の人形より肉付けし、起き上がるバランスになるよう試作を重ね生まれました。

金ケ崎町六原地域には、伝統芸能「鬼剣舞」や神楽の面、
干支人形の制作などを通じて、
型の内側に和紙を張る「裏張り」と呼ばれる独自の技法が伝えられてきました。
花巻市産の「成島和紙」と、起き上がるための重りに、
久慈市「小久慈焼」の土粘土が使用されているのも特徴です。

〈飾りコマ〉は、山形県の比較的新しい郷土玩具で、
米沢市で100年以上木地玩具をつくり続けてきた〈つたや〉と、
天童市のデザイン事務所〈コロン〉により生まれたシリーズ。
昔ながらのコマに、こけしやだるまの絵付けをし、土台を合わせることで、
回して遊ぶだけではなく、飾って楽しむこともできる商品で、
暮らしに合わせた職人の挑戦があったことがうかがえます。

〈飾りコマ〉2,420円。タムくんからの「マムアンちゃんはあまり背が高く見えないほうが良い」というアドバイスから、他の商品より小さくずんぐりした形の飾りコマが生まれました。

〈飾りコマ〉2420円。タムくんからの「マムアンちゃんはあまり背が高く見えないほうが良い」というアドバイスから、ほかの商品より小さくずんぐりした形の飾りコマが生まれました。

〈MAMUANG × TOHOKU〉と名付けられた今回のプロジェクトを企画したのは、
宮城県仙台市の〈カネイリミュージアムショップ6〉。
「東北の誇り」を発信するため、東北の伝統工芸品や、
職人こだわりのアイテムなどを販売するショップで、
店名の「6」は東北6県を意味しています。

〈カネイリミュージアムショップ6〉が入る〈せんだいメディアテーク〉は『仙台短篇映画祭』の会場で、2004年にマムアンちゃんのアニメーション作品が上映されました。以来タムくんは仙台でライブパフォーマンスを行うなど作品を発表。東日本大震災後の『仙台短篇映画祭3.11映画制作プロジェクト』にも参加しています。

〈カネイリミュージアムショップ6〉が入る〈せんだいメディアテーク〉は〈仙台短篇映画祭〉の会場で、2004年にマムアンちゃんのアニメーション作品が上映されました。以来タムくんは仙台でライブパフォーマンスを行うなど作品を発表。東日本大震災後の〈仙台短篇映画祭3.11映画制作プロジェクト〉にも参加しています。

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今回のプロジェクトでは、
東北に根差した新しい取り組みを行うメーカーとのコラボレーションも実現。

〈マッチ箱クリップ〉を手がけるのは、
宮城県仙台市の〈佐々木印刷所〉です。

東日本大震災後に「印刷物で東北の役に立ちたい」と、
国の伝統的工芸品に指定されている「宮城伝統こけし」をあしらった
〈こけし付箋紙〉を発売。
以来宮城県の景色や名産を描いたさまざまな文具を開発してきました。

マッチ箱に入ったクリップは、〈佐々木印刷所〉が、
新たにレーザーカッターを導入して始めた新事業。
ファイバー紙をこけしに型に切り出した〈ご当地こけしクリップ〉が人気で、
その技術を生かし、今回はタムくん書き下ろしの
マムアンちゃんをかたどった商品が誕生しました。

〈マッチ箱クリップ〉 880円。

〈マッチ箱クリップ〉 880円。

「何代も伝わる技による商品のみならず、
新しい活動をしているメーカーさんをたくさんの方に知ってもらうことで、
そうした商品がいずれ東北のスタンダードになり得るかもしれない。
そんな思いで開発しました」と話してくれたのは、
カネイリミュージアムショップ6の伊藤彩乃さん。

〈活版アートカード〉も、東日本大震災後に生まれた南三陸の〈NOZOMI PAPER Factory〉(以前コロカルで取材した記事はこちら)による新しい商品です。

生活介護事業所〈のぞみ福祉作業所〉を利用するアーティストたちがつくる〈活版アートカード〉550円。全国から集まった牛乳パックを手でちぎり、手すきした紙に活版でタムくんのイラストが印刷されています。

生活介護事業所〈のぞみ福祉作業所〉を利用するアーティストたちがつくる〈活版アートカード〉550円。全国から集まった牛乳パックを手でちぎり、手すきした紙に活版でタムくんのイラストが印刷されています。

何代も続く技、時代に合わせた挑戦、新しく生み出される技術……
知らなかった東北の手仕事の物語を教えてくれるMAMUANG × TOHOKU。
商品は、カネイリミュージアムショップ6で購入できるほか、
2022年3月26日(土)から、
オンラインショップ〈#tohokuru/トホクル〉でも発売されます。

〈土笛〉 2,750円(写真中央)は、青森県弘前市に伝わる「下川原焼土人形」の職人・阿保正志さん、阿保七海さんによるもの。「ぽー」っと音が鳴る、鳩の形をした土人形「鳩笛」(写真左)や干支人形で知られる青森県指定の伝統工芸品で、手のひらにぽってりとおさまる座ったマムアンちゃんが表現されました

〈土笛〉 2750円(写真中央)は、青森県弘前市に伝わる「下川原焼土人形」の職人・阿保正志さん、阿保七海さんによるもの。「ぽー」っと音が鳴る、鳩の形をした土人形〈鳩笛〉(写真左)や干支人形で知られる青森県指定の伝統工芸品で、手のひらにぽってりとおさまる座ったマムアンちゃんが表現されました。

information

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カネイリミュージアムショップ6

住所:宮城県青葉区春日町2-1 せんだいメディアテーク1階

TEL:022-714-3033

営業時間:10:00~20:00

Web:#tohokuru/トホクル(オンラインショップ)

*価格はすべて税込です。

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