news
posted:2022.3.15 from:山口県美祢市、防府市、島根県津和野町 genre:旅行 / 活性化と創生
PR 山口ゆめ回廊
〈 コロカルニュース&この企画は… 〉
全国各地の時事ネタから面白情報まで。
コロカルならではの切り口でお届けする速報ニュースです。
writer profile
Mayo Hayashi
林 真世
はやし・まよ●福岡県出身。木工デザインや保育職、飲食関係などさまざまな職種を経験し、現在はフリーランスのライターとして活動中。東京から福岡へ帰郷し九州の魅力を発信したいとおもしろい人やモノを探しては、気づくとコーヒーブレイクばかりしている好奇心旺盛な1984年生まれ。実家で暮らす祖母との会話がなによりの栄養源。
2021年7〜12月にわたって開催された〈山口ゆめ回廊博覧会〉は、
山口市、宇部市、萩市、防府市、美祢市、山陽小野田市、島根県津和野町と、
それぞれの地域の特性を生かした催しとなりました。
この博覧会でそれぞれのまちに魅力があることを知りましたが、
まだまだ訪れてみたいスポットやお店がたくさん存在します。
そこで、山口ゆめ回廊博覧会のテーマとなっていた
「7つの市町でつなぐ、7色の回廊」に合わせて、
芸術、祈り、時、産業、大地、知、食というテーマで注目スポットを紹介します。
前編に続いて、
後編は防府市の時、美祢市の大地、島根県津和野町の祈りの魅力を紹介します!
山口県中央部に位置する美祢市には、
自然豊かで壮大な秋吉台が広がります。
日本最大級のカルスト台地である秋吉台は、
地表には草原が広がり、その地下には
総延長約11キロメートルの日本最大規模の鍾乳洞〈秋芳洞〉が広がっています。
見るものを圧倒する、地下の世界はとても美しい。
そんな秋吉台の洞窟を、
専門家のガイド付きで探検できるツアーをご紹介します。
〈秋吉台アドベンチャーツアーズ〉は、
2021年春に設立された新しい洞窟探検ツアー専門の事業者です。
洞窟探検の専門家として活動する村瀬健志さんが主宰し、
これまで多くの参加者に洞窟の魅力を伝えてきました。
小学生から高齢の方まで幅広く参加しているというツアーのコースは3つ。
地底湖と洞窟探検がセットになった入門コース、
入門コースに鍾乳石見学が加わった探検コース、
日本最大の地底湖「青の泉」を目指すコースが用意されています。
知識豊富な村瀬さんのガイドは、
鍾乳洞の成り立ちや歴史の説明もさることながら
安全に楽しくガイドしてくれると参加者から好評だそう。
参加者のご要望に合わせたコース設定も可能です。
またつなぎ服、長靴やヘルメットなど必要な道具を
貸し出してくれるので手ぶらで参加OK!
ただし、泥だらけになる覚悟は必要です。
ケイビングと呼ばれる洞窟探検は、
アウトドアスポーツとしても近年人気のアクティビティ。
秋吉台アドベンチャーツアーズのツアーなら、
本格的なケイビングに挑戦できること間違いなし!
小さなお子さんも安全第一でサポートしてくれるので安心ですよ。
3億5000万年前の大地が生み出す神秘的な光景を、
あなたもアドベンチャーズになって体験してみませんか?
information
秋吉台アドベンチャーツアーズ
Page 2
防府市富海(とのみ)地区にある藍染工房〈草衣 so-i〉。
瀬戸内海に面した温暖な気候の富海で、
藍染めに携わるご夫婦がいます。
大道竜士さんとともみさんは、
東京からこの地に移住して7年目。
地域おこし協力隊として活動した後に、
2018年に古民家を改装して工房を開きました。
草衣so-iでは主に竜士さんが染め、ともこさんがデザインや縫製を担当。
さらに原料となる藍を自家栽培しているというから驚きです!
「夏場に育った藍を刈り取って、
天日干しした後『すくも』をつくります。
藍から採れた種はまた次の年の春、
畑に撒いて藍を育てているんです」と話す竜士さん。
すくもとは、藍染めにかかせない原料で
藍の葉を乾燥、醗酵させたもの。
草衣 so-iでは、自家製のすくもと、
取り寄せたすくもを使って染色を行っているそう。
草衣 so-iのこだわりは「灰汁醗酵建て」と呼ばれる、
木材(広葉樹)の灰から取れた灰汁を使った藍建てを行っていること。
化学薬品は使わず、すくも、灰汁、貝灰、ふすまといった
すべて天然の原料で染められています。
かめの中の染液は季節や気温、湿度によって発酵具合が違うので、
竜士さんは毎朝、工房へ来ると「藍は元気かな?」と調子をみて、
その日の作業工程を決めているといいます。
人間の都合通りにいかないのも、天然素材を扱うからこそ。
藍に寄り添いながら、丁寧に染め上げていくのですね。
日々の暮らしに欠かせない糸や布、
それをさらに深める伝統の藍染めの手法。
藍を育て、藍を建て、藍で染める。
「時」を重ねて生み出される草衣 so-iの製品は、
工房と併設するギャラリーでご覧いただけます。
藍の美しさと奥深さを、直に感じてみてくださいね。
information
Page 3
城下町に鐘の音が響くなか、舞い踊るのは2羽の白鷺(しらさぎ)。
島根県の津和野町に伝わる鷺舞神事をご存知ですか?
五穀豊穣や疫病鎮護を祈る神事で、
毎年、弥栄(やさか)神社大祭の7月20日の渡御(とぎょ)、
27日の還御(かんぎょ)に合わせて優雅な鷺舞が披露されます。
鷺舞は、弥栄神社と町内を練り歩きながら奉納されます。
時に羽根を寄せ合い、時に対峙するように舞う雌雄の白鷺。
鷺頭をかぶり、木製の羽根を身につけたふたりの舞手が羽根を広げる度に、
「パチ、パチ」と音が鳴って、まるで祝いの手拍子を打っているよう。
優美に、そして堂々と舞う鷺の姿に見る人も拍手を送ります。
始まりは1542年の安土・桃山時代にまで遡るという鷺舞神事。
当時の津和野城主であった吉見正頼は、
疫病除けを祈願し、京都から山口に伝わっていた
祇園会の鷺舞を津和野でも行なったとされています。
その後、戦乱の世となり一時中断されますが、
1645年に復活を遂げてからは途絶えることなく今日まで続いているのです。
日本人にとって神社や神事は、暮らしと切っても切れないもの。
豊作や無病息災、さまざまな折に触れて、願い、祈ってきました。
津和野の町民によって大切に受け継がれてきた鷺舞神事。
コロナ禍のため、2020年は弥栄神社のみ、
2021年は弥栄神社と御旅所の2か所のみと規模を縮小しての実施となりました。
今年度は通常どおり7月20日に11か所、7月27日に9か所で
舞がおこなわれる予定です。(※3月14日現在。新型コロナウイルスの感染状況によります)
日本各地に残る神事を間近で見られることは、
なにより貴重な体験となるはず。
旅をしたときにその土地の文化や歴史を知って、
多くの人が関わりながら伝統を守っていきたいものですね。
information
山口ゆめ回廊博覧会実行委員会事務局
(山口市交流創造部山口ゆめ回廊博覧会推進室内)
Feature 特集記事&おすすめ記事