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posted:2020.9.8 from:富山県 genre:ものづくり
〈 コロカルニュース&この企画は… 〉
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writer profile
Kanae Yamada
山田佳苗
やまだ・かなえ●島根県松江市出身。青山ブックセンターやギャラリースペース、ファッション・カルチャー系媒体などを経て、現在フリーのライター、編集者として活動中。まだまだ育ち盛り、伸び盛り。ファッションと写真とごはんが大好きです。
鉄、銅合金、錫、アルミ、漆、菅(すげ)などの優れた資源に、
400年にもわたり代々継承されてきた伝統工芸の技術、
そして職人たちの情熱。
日本海沿岸を代表するものづくりのまち・富山県高岡市には、
そのような素晴らしい資産に溢れています。
2019年より始まった、
富山県高岡市のものづくりの魅力を発信するイベント〈Creators Meet TAKAOKA〉では、
今回、全国から4組のクリエイターを募集し、高岡の工房とともに、
そのような由緒ある高岡の伝統工芸の新たな価値創造を目指し、
作品やプロダクトを開発・発信するプロジェクトが実地されます。
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参加するのは、高岡の叡智を受け継ぐ以下の8つの工房。
「伝統は守るものではなく、攻めるもの」をテーマに、
大正5年創業の老舗鋳物メーカーながら、
新規のプロダクト開発や異分野とコラボレーションを行う〈株式会社能作〉。
職人の技法と現代の技術を融合させることで、企画から製造まで請け負い、
高品質な製品を安定的に供給できる生産体制も構築しています。
近年では、錫の曲がる器 〈KAGO〉シリーズが大ヒットを記録。
伝統技法・金属加工を熟知した職人や技術者の幅広いネットワークを持ち、
ニーズに合わせた製造開発のチーム編成が得意な〈株式会竹中銅器〉。
世界で活躍するクリエイターとコラボレーションし、
高岡銅器の可能性を追求している側面も。
鉄やアルミなどの鋳造から始まり、
現在は企業のオーダーメイド品の受注製作や仕上げの加工、
仏具の数珠掛けの製作を行う〈有限会社佐野政製作所〉。
コンセプトから企画立案・開発・生産・製品化までをワンストップで受け持ち、
銅器製造におけるさまざまな知見を掌握しています。
竹と菅からできた縫い笠を手掛ける〈高岡民芸株式会社〉。
日除けや雨除けに最適で、雪にも強く、
羨や合羽と併用して労働や道中に使われていた縫い笠。
〈高岡民芸株式会社〉の縫い笠は、過去に全国シェア90パーセントを誇っていましたが、
時代の変遷に従い、需要の減少と後継者不足が深刻な問題に。
今回、菅を菅笠以外のものに用い、
より現代の日常に取り入れられるような商品開発を図りたいといいます。
東京地方裁判所の銘板をも手掛ける〈有限会社北辰工業所〉。
銘板や看板、記念碑、定礎板、一品物まで幅広く製造しており、
銅器の鋳造における幅広いノウハウを蓄積し、技術的なアドバイスも行っています。
このプロジェクトでは、クリエイターと共に更なる挑戦を切望。
明治42年創業。金槌で叩く鍛金という技法で、
真鍮から寺社に納めるおりんを製作する〈シマタニ昇龍工房〉。
全国に10名ほどしかいない、おりん職人の3名を抱えており、
世界レベルのイベントに何度も招待されています。
近年は、鍛金の技術を生かし、
錫を100パーセント使った絶妙な曲げの平皿〈すずがみ〉を製造。
今後も伝統技術を現代のライフスタイルに昇華させた
新たなプロダクト開発を目論んでいます。
数多くの工房を把握しており、問屋業のみならず、
商品開発に至るマーケティングや商品開発時の窓口、
地域活性プロジェクトへの参画など、
高岡の漆器産業において重要な役割を担う〈漆器くにもと〉。
今回、継続的に機能する製造・販売方法の新たな設計から、
古くなった産業の枠組みを脱却するような、
未来へ繋がる新たなプロダクト開発を希望。
1925年に彫刻塗工房として開業以来、漆器づくりに携わってきた〈株式会社柴田漆器店〉。
自社工房を軸に熟練の木地師・青貝師・塗師・蒔絵師と連携し
茶道具や酒器、和装小物など、
日常小物から数十万もする漆器製品を企画・製作しています。
0.1ミリ厚の貝をも細工する非常に繊細な技法は〈柴田漆器店〉だからこそ為せる技です。
どこも熟練の技術と柔軟な視点が頼もしい、魅力溢れる工房ばかり。
ここから一体どのようなものがつくられるのか楽しみですね。
我こそはという方、
高岡の未来を切り開く新時代の価値創造に挑んでみては。
募集概要はインフォメーションをご覧ください。
information
〈Creators Meet TAKAOKA 2020〉参加クリエイター募集要項
対象:クリエイター・アーティスト(デザイン・美術・建築・音楽・写真・映像・ダンスなど)、エンジニア、科学者・研究者(人工知能・情報技術・ロボット・新素材等)など。
※高岡の参加工房と協働で、伝統工芸に新たな価値を付加する創作活動(作品制作/商品開発/素材開発/ブランディングなど)に取り組むことができる方。
※事業期間中に、高岡や職人の魅力をSNS等で積極的に発信できる方。
※2020年12月上旬までに何らかの成果品(プロトタイプ、試作品可)の提出が条件。
※年齢・国籍・プロ・アマは不問。ただし、基本言語は日本語。
※チームや会社単位での参加も可能。
※応募多数の場合は、事務局によって職種・専門分野・年齢等のバランスを考慮して参加者を決定させていただきます。あらかじめご了承ください。
定員:4組
参加料:無料 ※ただし、移動経費等は自己負担
応募方法:専用応募フォームから必要事項を記載の上、ご応募ください。
応募締め切り: 2020年9月11日(金)
参加特典:(1) 開発経費の補助
作品制作、素材開発にあたっての実費経費(材料費、試作品制作費)を補助。上限30万円まで。
(2) 広報
全国メディアへのプレスリリース配信、
高岡市のサイトなどでの紹介などを通じたPRを行います。
参加工房:株式会社能作(銅器)/株式会社竹中銅器(銅器)/有限会社佐野政製作所(銅器)/高岡民芸株式会社(菅笠)/有限会社北辰工業所(銅器)/シマタニ昇龍工房(鍛金)/漆器くにもと(漆器)/株式会社柴田漆器店(漆器)
主催:富山県高岡市
〈Creators Meet Takaoka 2020〉応募フォーム:https://ux.nu/vUpCT
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