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posted:2020.5.31 from:青森県弘前市 genre:アート・デザイン・建築
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writer profile
Kanae Yamada
山田佳苗
やまだ・かなえ●島根県松江市出身。青山ブックセンターやギャラリースペース、ファッション・カルチャー系媒体などを経て、現在フリーのライター、編集者として活動中。まだまだ育ち盛り、伸び盛り。ファッションと写真とごはんが大好きです。
近代産業遺産として長年青森県・弘前市のシンボルだった〈吉野町煉瓦倉庫〉。
それが、建築家・田根剛氏により美術館〈弘前れんが倉庫美術館〉として生まれ変わります。
コンセプトは「記憶の継承」と「風景の再生」。
築100年の元煉瓦倉庫の形態はできるだけ留め、耐震性能を高めた館内では、
国内外の先進的なアート、そして弘前や東北地域の歴史、
文化と向き合う同時代の作品を収集し、展示していくのだそう。
館内にはスタジオなども備えており、アートを通して、弘前と世界が繋がり、
過去から未来を結ぶ新たなクリエーションを支える
クリエイティブ・ハブ(文化創造の拠点)となってほしい
という想いも込められているようです。
もともと4月オープンの予定でしたが、
新型コロナウイルス感染症の予防・拡大防止のため、開館が延期に。
6月1日より、まずは弘前市民を対象にした、
事前予約制のプレオープンが決定しました。
さらに6月17日からは、青森県民に来館対象が拡大します。
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開館記念の展覧会として、
『Thank You Memory – 醸造から創造へ –』が予定されています。
美術館(ミュージアム)という語源は、記憶の女神の娘である
学問・芸術の女神たちの祀った神殿の名前に由来しているのだそう。
そんな美術館と親和性の高い「記憶」をキーワードに、
場所と建物の「記憶」に焦点をあて、尹秀珍、
ジャン=ミシェル・オトニエル、笹本晃、畠山直哉、藤井光、
奈良美智、ナウィン・ラワンチャイクン、潘逸舟[弘前エクスチェンジ]ら
8名のアーティストがそれぞれ作品を披露。
改修工事の記録に基づく作品や、土地の人々から協力を得て制作された作品など、
この場所ならではのサイト・スペシフィックな新作を中心に構成されるとのこと。
煉瓦倉庫が美術館となるきっかけのひとつで、
有志市民の企画運営によって開催された
『YOSHITOMO NARA + graf A to Z』展に関わった人々へ、
奈良美智が感謝の気持ちから制作し、市に寄贈した作品
『A to Z Memorial Dog』も改めて展示される予定です。
また『弘前エクスチェンジ』と題して、
弘前出身や地域の文化に新たな視点をもたらしてくれるアーティストらを招き、
滞在制作や調査研究、地域コミュニティとの関係性を通してのプロジェクトを行ったり、
トークやレクチャー、ワークショップなども予定されています。
第1回では、弘前ゆかりのアーティスト潘逸舟(ハン・イシュ)氏を招聘し、
弘前で発表した最初の作品や代表作、滞在制作を展示。
日本にまた、新たな注目のミュージアムが誕生しました。
弘前から生まれる創造の和は、私たちに何を見せてくれるのでしょうか。
期待を胸に、今後の動きに注目しておきましょう。
information
Hirosaki Museum of Contemporary Art
弘前れんが倉庫美術館
住所:青森県弘前市吉野町2-1
プレオープン期間(事前予約制)
6月1日(月)〜6月15日(月):弘前市民対象 6月17日(水)〜終了日未定:青森県民対象
開館時間:9:00〜17:00
休館日:火曜日(祝日の場合は翌日に振替)、年末年始
アクセス:JR弘前駅より徒歩約20分、タクシー約7分、弘南バス「中土手町」下車 徒歩約4分、「住吉入口」下車徒歩約2分、弘南鉄道大鰐線中央弘前駅より徒歩約3分
Web:http://www.hirosaki-moca.jp
企画展:『Thank You Memory – 醸造から創造へ –』
会期:8月31日(月)までを予定
参加アーティスト:尹秀珍、ジャン=ミシェル・オトニエル、笹本晃、畠山直哉、藤井光、奈良美智、ナウィン・ラワンチャイクン、潘逸舟[弘前エクスチェンジ]
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