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posted:2020.6.1 from:福井県青森県 genre:買い物・お取り寄せ
〈 コロカルニュース&この企画は… 〉
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writer profile
Kanae Yamada
山田佳苗
やまだ・かなえ●島根県松江市出身。青山ブックセンターやギャラリースペース、ファッション・カルチャー系媒体などを経て、現在フリーのライター、編集者として活動中。まだまだ育ち盛り、伸び盛り。ファッションと写真とごはんが大好きです。
傷や形が理由での廃棄、売れ残り、食べ残しなど、
豊かな日本でも、年間約600万トン以上の廃棄食品が
排出されることをみなさんはご存知でしょうか。
スーパーや卸市場、農家など、それぞれの場所で根深い問題として、
今なお私たちの生活のなかに存在しています。
農家さんの場合、廃棄以外の方法の多くは
加工を加えて保存食にするのが一般的ですが、
中にはまったく異なるプロダクトの原料として使われているものも。
それが今回ご紹介する〈おやさいクレヨン〉と〈Food Paper〉です。
青森の〈mizuiro.inc〉が手掛けている〈おやさいクレヨン〉は、
「地球上で循環可能な素材で安心安全な製品を開発する」をコンセプトに、
野菜や果物の規格外品や加工時の残渣から製造されています。
原料の野菜や果物の8割は、青森県で栽培されたもの。
キャベツの一番外側の葉やりんごドライチップスを製造する際に出る皮など、
それぞれの原料ごとに乾燥させてパウダーにし、クレヨンの色素として使用。
クレヨンのベースとなっている米油とライスワックスも、
大量に廃棄されてしまう米ぬかからつくられています。
これらの原料を名古屋にある老舗クレヨン工房に送り、
職人がひとつひとつ手作業で〈おやさいクレヨン〉を製造していきます。
そうしてできたクレヨンは、口に入れても安全。
天然素材を使っているからといって折れやすかったり、
ベタつきやすかったりすることもなく、
普通のクレヨンとして使用することが可能です。
現在〈おやさいクレヨン〉には、全10色入りのものを販売。
こちらのECショップで購入することができます。
information
おやさいクレヨン
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福井にある越前和紙の老舗〈五十嵐製紙〉が手掛ける〈Food Paper〉は、
廃棄された野菜や果物を使ったペーパーブランド。
和紙の原材料の減衰や主要農家さんの生産中止など、
和紙の生産業の変化で代打となる素材を探していたところ、
五十嵐家の次男の5年にも及ぶ食べ物から紙を作る自由研究を
伝統工芸士である母・匡美さんがアレンジし、2020年2月に商品化されました。
伝統を継承し、社会的にも産地的にも意味のある紙文具ブランドとして、
紙の可能性を広げたいという想いが込められているのだとか。
気になる紙はというと、玉ねぎ、にんじんといったさまざまな食材を用いられ、
淡い色合いが美しく、洋紙とも和紙とも異なる質感が特徴。
現在ノートやメッセージカード、サコッシュ、小物入れなどのプロダクトが
展開されているほか、〈Food Paper〉を使った
新規オーダーやコラボレーションも幅広く承っているとのこと。
各プロダクトはこちらのオンラインサイトで購入可能です。
また、廃棄野菜や果物の受け入れも行っているとのことなので、
興味のある農家さんはぜひご連絡してみてください。
巡りめぐって、さまざまなことが私たちが生きる社会に跳ね返ってくる現在。
自分たちの身の回りにあるものを主体的に選び、生産背景を知るということは、
これから真剣に取り組んでいくべきことのひとつかもしれません。
自然と共に生きていく、よりよい未来を自分たちの輪の中で感じられるように、
〈おやさいクレヨン〉と〈Food Paper〉、このふたつをぜひ、
身の回りのプロダクトの候補のひとつとして選択肢に入れてみてください。
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Food Paper
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