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アイヌとともに時間を過ごす、
阿寒湖ガイドツアーが6月から開催。
アイヌ文化に直接触れ、
森林散策と楽器演奏を楽しむ

コロカルニュース

posted:2020.3.18  from:北海道釧路市  genre:旅行 / ものづくり

PR 釧路市

〈 コロカルニュース&この企画は… 〉  全国各地の時事ネタから面白情報まで。
コロカルならではの切り口でお届けする速報ニュースです。

writer profile

Yu Ebihara

海老原 悠

えびはら・ゆう●コロカルエディター/ライター。生まれも育ちも埼玉県。地域でユニークな活動をしている人や、暮らしを楽しんでいる人に会いに行ってきます。人との出会いと美味しいものにいざなわれ、西へ東へ全国行脚。

アイヌという文化、阿寒という土地、両方を守るために

阿寒摩周国立公園の原生林に囲まれた、ひがし北海道屈指の美しさを誇る湖、阿寒湖。
そのほとりには複数の温泉宿が立ち並び、
阿寒湖温泉街として多くの観光客を受け入れています。
この温泉街の一角にあるのが日本の先住民族アイヌによってつくられた
工芸と芸能の集落〈阿寒湖アイヌコタン〉。
釧路空港から約1時間のこの地は、民芸品と飲食店が軒を連ね、
アイヌの文化を伝えています。

2020年6月1日から、自然を敬い、阿寒湖で生きてきたアイヌの案内で
自然散策、ものづくりを楽しむガイドツアー「Anytime,Ainutime!」が開催されます。
4月30日から予約受付開始というこのガイドツアーの内容を見てみましょう。

観光とアイヌ文化が交わるこのまちで

阿寒湖温泉商店街の民芸品、飲食店が連なる通りを歩く。

阿寒湖温泉商店街の民芸品、飲食店が連なる通りを歩く。

釧路市には約1,100人のアイヌの人々がいます。
阿寒地区のアイヌコタン(コタンとは“集落”のこと)には、36戸に約120人が暮らし、
北海道で一番大きいアイヌコタンです。
昭和9年に国立公園に指定されるなど、湖畔の景観は四季を通じてすばらしいものがあり、
昭和30年代の観光ブームが到来しても変わらず、
ヒグマや鳥、人間などを題材にした木彫りの工芸品などで人々は自活をしてきました。

この観光ブームで、阿寒湖畔でもホテルの新築、増設が相次ぎ、温泉需要も増大。
『阿寒に果つ』(著・渡辺淳一)など、
阿寒周辺を舞台にした小説がベストセラーになったのも、追い風となりました。
阿寒はもともと狩り場(イオル)だったという歴史もあり、
先祖代々住み続けているという家は多くはなく、
「よそ者が多い」ことは、アイヌ文化を観光に活用する際にプラスに働いているのです。

アイヌの人々は自然に語りかけながら植物を採集したり、大切な人を思いながら、
自然をモチーフにした文様を木彫、刺繍します。
こうして、人と人、モノ、自然との関係性を大事に育んできたのです。

今回のガイドツアー「Anytime,Ainutime!」というコンセプトには、
このすばらしい文化を、「体験」を通して伝え継ぎたいという思いが込められています。

ガイドをするのは阿寒で暮らすアイヌの人々。
普段は木彫作家、民芸店の店主、伝統舞踊の踊り手など、職業はさまざま。
それぞれが受け継いできたアイヌの伝統や民話を伝えながら、ツアーは展開されます。

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散策とムックリ演奏を通じて、阿寒の森に出合う旅

ツアーは「森の時間」「湖の時間」「創る時間(木彫・刺繍)」の大きく分けて4種類。
「森」と「湖」は、実際に阿寒国立公園を散策しながら、
アイヌの逸話などを聞いていくツアー。
「創る」は刺繍や木彫を体験するツアーです。
特にこのツアープログラムは、普段エネルギッシュに働いている都会の人にこそ
体験してもらいたいのです。

「森の時間」の舞台は、イオルの森。
木立を風が抜け、倒れた木から若葉が芽吹く。
光射す阿寒の森は、生命の気配に満ちています。
この森は、アイヌ文化が受け継がれるよう、
イオル(アイヌの伝統的生活空間)再生事業が行われている森です。

ツアーのスタート地点でまず行う「オンカミ」。両手をすり合わせてから、手のひらを上に向け両手をゆっくり数回上下させるアイヌの伝統的な挨拶です。

ツアーのスタート地点でまず行う「オンカミ」。両手をすり合わせてから、手のひらを上に向け両手をゆっくり数回上下させるアイヌの伝統的な挨拶です。

阿寒で暮らすガイドが語る、伝承や森の植生にまつわる話に耳を傾け、森を散策します。

阿寒で暮らすガイドが語る、伝承や森の植生にまつわる話に耳を傾け、森を散策します。

ガイドと一緒に森を歩き、
「アイヌが森からどんなインスピレーション、知恵を受け取ってきたか」を追体験した後、
ムックリ(口琴)演奏のワークショップを行います。
ムックリは、薄い板についている紐を引っ張ることで弁を振動させて音を出し、
これを口の中に共鳴させ倍音を響かせます。
演奏のコツを習ったら、ガイドと一緒につくったムックリで、
自由に音を鳴らして遊んでみましょう。
森に息づくものたちと、響き合う時間を楽しむプログラムです。

アイヌ民族の伝統楽器ムックリの演奏を体験。

アイヌ民族の伝統楽器ムックリの演奏を体験。

1時間30分のプログラムで、何を得られるか。
それは、アイヌの思想や暮らしの知恵です。
生きるヒントとして心に宿り、旅が終わってからも続く、
豊かな時間を届けてくれることでしょう。

木の杖「クワ」を持って、雄阿寒岳の前で。

木の杖「クワ」を持って、雄阿寒岳の前で。

ツアーを担うガイドたちが願うのは、日本の先住民族であるアイヌが、
阿寒摩周国立公園とアイヌ文化の両方を守りながらガイドを続けていくこと。

教科書でしか知らなかったアイヌのことを、知るきっかけになった。
阿寒に来て、ツアーでガイドとの時間を過ごすうちに心がほっとしていた。
アイヌの考え方を通じて『そういう考え方もあるんだ』と知れた。
そんな気づきが参加者に芽生えることを期待してーー

阿寒の植生とアイヌの叡智に触れ、
自分と向き合う時間を愛おしんでみてはいかがでしょうか。

information

map

阿寒湖ガイドツアー「Anytime,Ainutime!」

森の時間

森と生きるアイヌの精神に触れる旅

大人・子どもともに(1名)5,610円(税込)

時間/約1時間30分 対象/小学生以上 最少催行人数/2名(定員10名)

催行期間 6月~翌3月

湖の時間

アイヌが愛する湖岸の景色と出合う旅

大人・子どもともに(1名)7,700円(税込)

時間/約2時間30分 対象/小学生以上 最少催行人数/2名(定員10名)

催行期間 6月~翌3月

創る時間

カムイからいただく材料を使って、大事な人のために願いを込めてつくります。

どちらかひとつをお選びいただけます。

刺繍体験(コースターにアイヌ文様を刺繍する体験)

木彫体験(トンコリのかたちをしたチャームを製作する体験)

大人・子どもともに(1名)4,290円(税込)

時間/約1時間 対象/小学生以上 最少催行人数/2名(定員10名)

オプション「食の時間」

〈民芸喫茶ポロンノ〉で伝統的なアイヌ料理をいただきます。

※「森の時間」「湖の時間」「創る時間(刺繍体験・木彫体験)」のいずれかに参加された方のオプションです。

大人・子どもともに(1名)3,300円(税込)

時間/約1時間

対象/小学生以上

最少催行人数/2名(定員10名)

催行期間 通年

予約について:

2020年4月30日から予約受付開始予定。ツアーの催行は2020年6月1日から。下記の公式HPで予約が可能です。また、ツアー内容は変更になることがございます。最新の情報や詳細については公式HPをご覧ください。

https://www.anytimeainutime.jp

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