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〈とらや〉
昔の日本人の発想に驚き。
羊羹製〈手折桜〉に
込められた思いとは?

コロカルニュース

posted:2020.3.16   from:東京都港区  genre:食・グルメ / 買い物・お取り寄せ

〈 コロカルニュース&この企画は… 〉  全国各地の時事ネタから面白情報まで。
コロカルならではの切り口でお届けする速報ニュースです。

writer profile

Yu Miyakoshi

宮越裕生

みやこし・ゆう●神奈川県出身。大学で絵を学んだ後、ギャラリーや事務の仕事をへて2011年よりライターに。アートや旅、食などについて書いています。音楽好きだけど音痴。リリカルに生きるべく精進するまいにちです。

四季折々の情景を映し出す、日本のお菓子

日本の菓子は「二十四節気」(※)をはじめ、季節の移ろいを
大切にする感性のもとに育まれてきました。
とりわけ上生菓子は茶の湯の発展とともに磨かれ、
旬の素材を使うのみならず、その形や色、模様で
季節を先取りして表現するものとなっていきました。

京都に創業した〈とらや〉にも、四季の風情を表す、さまざまな菓子があります。
なんとお店には、季節の生菓子が半月ごとに登場するそう。

上の写真は、羊羹製〈手折桜(たおりざくら)〉。
“手折”という名前からは、美しい桜を
「手で折って持ち帰りたい」という思いが読みとれます。
楚々とした佇まいに、そんな思いが隠されているとは。
和歌を読むように菓銘から情景を
思い浮かべるのも、和菓子の楽しみ方のひとつです。

※二十四節気:四季を立春や夏至、秋分、大寒などにわけたもの

「菓子見本帳」現代でいう商品カタログのようなもの。とらやには元禄8年(1695)のものをはじめ、約40冊が残っている。

「菓子見本帳」現代でいう商品カタログのようなもの。とらやには元禄8年(1695)のものをはじめ、約40冊が残っている。

〈手折桜〉は、14代店主・黒川光景(みつかげ・1871-1957)が
編纂した「菓子見本帳」にも載っています。
販売期間は、2020年3月16日〜3月31日まで。

旬の味わいを求めるなら、「季節の羊羹」も見逃せません。
3月上旬から4月上旬にかけて登場するのは、〈桜の里〉。
道明寺羹と塩漬けにした桜の葉が入っており、
桜餅に似た食感と桜葉の香りが楽しめます。

「桜の里」

〈桜の里〉

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〈榊麻美植物研究所〉小さな四季を愛でる盆栽展

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盆栽

2020年3月21日(土)22日(日)は、赤坂店にて
盆栽の展示・販売会『春の野 ―草木と暮らす―展』を開催。
つくり手は、今の暮らしに添う盆栽を手がける〈榊麻美植物研究所〉。
桜をはじめ、春の花ものを中心とした作品が見られます。

盆栽

盆栽は、上手に育てれば何十年と目を楽しませてくれるのだとか。
会期中は榊麻美さんが在店し、育て方やお手入れの相談にのってくれます。
盆栽に挑戦したいと思っていた方は、ぜひチェックを。

information

map

春の野 ―草木と暮らす―展

会期:2020年3月21日(土)22日(日)

時間:21日 10:30〜18:00/22日 10:30〜17:30

会場:とらや 赤坂店2階

住所:東京都港区赤坂4-9-22

電話:03-3408-4121(代)

作家:榊麻美植物研究所 榊麻美

https://www.toraya-group.co.jp/toraya/news/detail/?nid=739

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