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posted:2019.10.18 from:佐賀県西松浦郡有田町 genre:アート・デザイン・建築
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writer profile
Kanae Yamada
山田佳苗
やまだ・かなえ●島根県松江市出身。青山ブックセンターやギャラリースペース、ファッション・カルチャー系媒体などを経て、現在フリーのライター、編集者として活動中。まだまだ育ち盛り、伸び盛り。ファッションと写真とごはんが大好きです。
コロカルでも何度もご紹介している有田焼。
17世紀の佐賀県有田町でつくられた日本初の磁器であり、
透明感のある白磁の上に、花や草木などの図案が
藍をはじめ、赤や緑、黄、紫など色とりどりに、美しく表現されているのが特徴です。
高温で焼き締めるため丈夫で、長年人々の間で親しまれてきました。
今回、そんな有田焼と、美術家・野老朝雄(ところ・あさお)氏がコラボレーション。
現在、有田焼誕生の地にある〈佐賀県立九州陶磁文化館〉で、
野老氏がデザインした有田焼が展示されています。
野老氏は「つなげる」をテーマに、紋様の制作をはじめ、
美術、建築、デザインの境界領域で活動している美術家。
単純な形から核となるピースをつくり、
それをつなぎあわせたり増殖の法則を考慮したうえで
組み立てていく手法で紋様を形成。
そのようにつくられた作品には、“ものや人をつなげていきたい”という
野老氏の想いが込められています。
主な作品は、大名古屋ビルヂング下層部ファサードガラスパターン、
大手町パークビルディングのための屋外彫刻作品、
そして言わずと知れた、来年開催の「東京2020オリンピック・パラリンピック」
公式エンブレムなど。
オリンピック・パラリンピックのエンブレムとなった作品も、
日本の伝統色・藍色を基調に市松模様をアレンジしたもの。
野老氏の表現に深く関わってくる色、それが「青色」なのです。
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そして今回の展覧会では「青」を主題に、
野老氏が新たな有田焼の可能性を探求。
丸い有田焼のお皿の上に紋様を散りばめたものや
有田焼でつくったキューブでグラデーションを表現したものなど、
シンプルななかに、緻密に計算されたデザインの奥深さを感じられる作品が
展示されます。
野老氏の作品は、展示会などで見られる機会も少なく、
この[有田×野老]展は非常に貴重な機会となっています。
コンセプトの立て方、作品の構築のしかたなど、
その丁寧に考察された過程は、私たちに多くの気づきをもたらすことでしょう。
有田焼と野老朝雄、両者がどのように交わったか、
ぜひその目で確かめてみてください。
information
[有田×野老]展
開催期間:2019年9月20日(金)~11月24日(日)
場所:佐賀県立九州陶磁文化館 第1・第2展示室
住所:佐賀県西松浦郡有田町戸杓乙3100-1
営業時間:9:00~17:00
定休日:月曜日 ※月曜が祝日の場合開館、翌日休み
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