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writer profile
Chihiro Kurimoto
栗本千尋
くりもと・ちひろ●青森県八戸市出身。旅行会社勤務→編集プロダクション→映像会社のOLを経て2011年よりフリーライターに。主な執筆媒体はマガジンハウス『BRUTUS』『CasaBRUTUS』『Hanako』など。2020年にUターンしました。Twitter
青森県八戸市では、毎週日曜日の早朝から
日本最大級の朝市〈館鼻岸壁朝市〉が開催されています。
そこで見つけたのが、ウミネコのフンの柄のてぬぐい。
うみねこのフンを模様化したアイテムを展開する「Fun Club(フンクラブ)」として、
2013年度のグッドデザイン賞も受賞しています。ノートやステッカーもありますよ。
〈館鼻岸壁朝市〉は、全長800mにわたって
300以上の店舗が軒を連ねる八戸名物の朝市。
地元産の魚介類や野菜、生花をはじめ、パンや煮物、ラーメン、カレーまで
なんでも揃う、まさに八戸市の食の宝庫です。
その出店のひとつである、コーヒー専門店
〈朝市珈琲〉で販売しているのが「フンてぬぐい」。
うみねこはカモメ科の鳥で、
鳴き声がネコに似ていることが名前の由来といわれています。
八戸市内には、うみねこの繁殖地として知られる蕪島があり、
毎年、春から夏にかけて3万羽以上が飛来。
うみねこの産卵や子育ての様子も間近で見ることができます。
その副産物(?)として、周辺には、うみねこのフンが大量に落ち、
上空から落ちてくるフンをよけるための傘が貸し出されているほどです。
それでもフンが被弾してしまったら、地元の住民は「運がついた」と
ポジティブになぐさめることも……。
そんな、悲喜こもごもが込められたような、
うみねこのフンをモチーフにしたのが「フンてぬぐい」なのです。
こちらを手がけたのは八戸市出身のデザイナー、髙坂 真さん。
東京でデザインの仕事をしていた髙坂さんは、
2009年に八戸市へUターンしました。
フンをモチーフにアイテム展開する構想は
もともとあったそうですが、2012年に初めて製品化。
東日本大震災によって取り壊しが決まった
八戸第一魚市場の上屋を撮りに行ったとき、
「いいフンの写真が撮れた」そう。
そこから、試行錯誤を重ねて模様を開発していきました。
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「最初は、フンの立体感を残したままで試したのですが、
パソコンの画面を見ているうちに気持ち悪くなってきて……
フンのイメージから程遠い、パステルカラーなどを使用しました」
と、髙坂さん。
複数のレイヤーを重ね、フンの色を変えて、デザインを仕上げていきました。
キャッチコピーは、
「so much fun(ファン), so many fun(フン) !
(たくさんのフンで、たくさんのしあわせを)」。
デザインの社会的役割と、地域ブランド開発の創造的視点などが
評価され、2013年度にはグッドデザイン賞を受賞しました。
今年、「フンノート」はデザインを一新。
赤(あか)、青(こん)、黄(からし)、グレー(すみ)の4色展開です。
初代ノートは、罫線と方眼の2種類がありましたが、
今回、“フンドット”に変更されました。
右ページが無地、左ページがドットになっていて、
ドットの丸の部分がフンになっているのです。
フンドットの中には、うみねこのシルエットが混ざっています。
さらに、全ページでウミネコの位置が変わっているという、
ものづくりの執念を感じる仕上がりです。
販売店は、館鼻岸壁朝市の〈朝市珈琲〉と〈松橋商店〉、
青森市の商業施設〈A-FACTORY〉、さらに県内の美術館〈十和田市現代美術館〉の
ミュージアムショップでも取り扱っています(店舗により商品の内容が異なる場合あり)。
この他、ネット販売も行なっているので、全国からの注文も可能。
フン模様の名刺もオーダーできるそうなので、
気になる方は要チェックです!
八戸を訪れたら、“フン”のアイテムで“運”を持ち帰っては?
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