colocal コロカル マガジンハウス Local Network Magazine

連載の一覧 記事の検索・都道府県ごとの一覧
記事のカテゴリー

news

〈発酵醸造未来フォーラム
’18 TOKYO〉
専門性、世代、ジャンルを超えて
“発酵”を語り合った2日間

コロカルニュース

posted:2018.3.30  from:東京都北区  genre:食・グルメ

〈 コロカルニュース&この企画は… 〉  全国各地の時事ネタから面白情報まで。
コロカルならではの切り口でお届けする速報ニュースです。

2018年3月9日(金)・10日(土)の2日間、
東京都北区にある、赤レンガが美しい国の重要文化財・旧醸造試験所にて、
〈発酵醸造未来フォーラム ’18 TOKYO〉が開催されました。

2017年1月に「食のシリコンバレー」プロジェクトの一環としてスタートした
発酵醸造未来フォーラム、通称〈F3(Fermentation Future Forum)〉。
2018年は、日数・登壇者・会場など、規模を拡大して開催。
醸造蔵当主、発酵学者、レストランシェフ、IT起業家など、
発酵醸造の専門領域や業界の壁を越えたディスカッションが行われました。

会場内の様子。

全コンテンツ、興味深いものばかりでしたが、
その中からいくつかのトークやセッションをご紹介します。

京都・丹後を世界のTANGOに。
『弱者こそ強い』を丹後の小さなお酢屋が実証する

『京都・丹後を世界のTANGOに』をテーマに語る飯尾彰浩さん。

“他メーカーより約14倍高いお酢”と謳う、飯尾醸造の〈富士酢〉。
5代目・飯尾彰浩さんのトークでは、
過去に勤めていた大手飲料メーカーで学んだことの真逆をいくという
ユニークな販売戦略や、新しい“サブカテゴリ” をつくる実践例を紹介。

飯尾醸造では、酢の原料となる米は約50年にわたって無農薬米を使用しているそう。
米農家と友好な関係を築くアイデアや、地方創生に紐づく話もあり、
お酢が約14倍高い理由も納得!の興味深いトークが繰り広げられました。

ミレニアルズの食文化論

「ミレニアルズの食文化論」のトークセッションの様子。

インターネットやSNSが普及した環境で育ち、
情報の共有を得意とする〈ミレニアル世代〉。
編集や食に携わる、山田真輝さん、ツチヤキミさん、平山潤さんの
3人のミレニアルズによる食のディスカッションは、
彼らより先に生まれた世代には、ある意味、刺激的な時間だったのではないでしょうか。

オーガニックフードとファーストフードへの見識、小規模生産の推奨、
フードカートのポテンシャル——
その着眼点、視野の広さ、問題提議には、ただただ感服するばかり。

多様な価値観を受け入れるのを好み、カテゴライズするのは苦手、という彼ら。
考え方は違っても、「それもいいんじゃない?」と受け入れてしまう寛容さ。
この世代のボーダーレスな考え方は、新鮮さ、驚きとともに、
未来への展望をポジティブなものに変えるパワーがありました。
彼らが時代を牽引することになるであろう2030年以降、
どんな未来になっているかこの目で見たい! と期待が膨らむトークセッションでした。

〈GEM by moto〉のオーナー・千葉麻里絵さんのトーク時に配られた日本酒と台湾山椒。この2つがあわさると、劇的な味わいの変化が!

他にも、農学博士・辨野義己さんによる
「いいウンチをデザインするシンバイオティクス」の話、
味覚の科学的アプローチを得意とする、
〈GEM by moto〉のオーナー・千葉麻里絵さんの酒と食のペアリング論、
ミシュランにもその名が上がるレストラン
〈レフェルヴェソンス〉のシェフ・生江史伸さんの
「GASTRONOMY IS DEAD」というテーマから繰り広げられる
自然と菌と人間の、とても深い潜考。

生江史伸さんのトークの様子。

“発酵”から派生したトークは、想像していたよりも幅広いテーマで展開し、
思いがけない内容に、笑いあり、じっくりと耳を傾ける話あり。
登壇者に向けられる、来場者の真剣な眼差しが、その内容の濃さを物語っていました。

次のページ
飲食ブースも豪華! 発酵尽くしの2日間

Page 2

飲食ブースも豪華! 発酵尽くしの2日間

3階の古酒BARの様子。

3階では、品川で古酒を扱う〈酒茶論〉の上野伸弘さんによる古酒BARが開店。
人気の「新旧日本酒飲み比べセット」は、
千葉県の〈木戸泉酒造〉の新酒と、なんと同酒を40年寝かした古酒の飲み比べ!
薄暗い煉瓦空間の雰囲気と、上野さんの穏やかなトークを肴に、
いつくしむように日本酒を味わう来場者の姿が印象的でした。

右から、木戸泉酒造の新酒、同酒を40年寝かした古酒、40年もののみりん。

屋台ブースでは、無料で楽しめる「ひとくち発酵フード」を用意。
1日目は下北沢にある〈Salmon & Trout〉がプロデュースした
黒いソーセージのアメリカンドッグ、2日目は若手シェフとソムリエの
独創的メニューが話題の〈Restaurant Kabi〉の鯖鮨と、なんとも豪華なサービス!

〈Restaurant Kabi〉監修の鯖鮨。

ほかにも、発酵にちなんだフードカー、ドリンクカーが並び、
発酵尽くしのグルメを楽しむ来場者で、終始盛況。

カフェ・オ・レのミルクがわりにどぶろく!その名も「キャフェドヴゥ」。

移動式本屋も参上!

多くの来場者が訪れ、盛況のうちに終了した2018年のF3。
来年の開催は未定ですが、今年行き逃した方や、来年も参加したいという方は、
ぜひFacebook等で情報をチェックしてくださいね!

information

map

発酵醸造未来フォーラム 東京’18(略称 F3)

開催日:2018年3月9日(金)・10日(土)

会場:国重要文化財 旧醸造試験所第一工場(赤煉瓦酒造工場)

住所:東京都北区滝野川2-6-30

登壇者:飯尾彰浩(飯尾醸造5代目)/ドミニク・チェン(情報学研究者)/佐藤祐輔(新政酒造8代目)/生江史伸(レフェルヴェソンス料理長)/小松真実(ミュージックセキュリティーズ代表)/安田翔平(Restaurant Kabi 料理長)/小泉武夫(発酵学者)/丸山潤一(東京大学農学部生命科准教授)/千葉麻里絵(酒ソムリエ GEM by moto 店主)/豊田啓介(建築家 noiz architects)/森枝幹(Salmon&Trout 料理長)/山川冬樹(アーティスト)/黒島慶子(醤油ソムリエール)/宮本貴史(農家 みやもと糀店)/山本実侑(東京大学学生)/akiko nakayama(アーティスト Alive Painting)/青江覚峰(僧侶)/ジャスティン・ポッツ(発酵アクティビスト)/平野紗季子(フードエッセイスト)/本村拓人(Space Gray 代表)/田中佑資(発酵DIY)/竹田潤平(ファーマーズマーケット 男子野菜部)/國崎泰司(八百屋プロデューサー)/上野伸弘(長期熟成日本酒Bar 酒茶論店主)/坂本大三郎(山伏)/nhhmbase(音楽家)/白土暁子(酒ソムリエ いまでや)/塚本紗代子(フードディレクター)/LOVE ME AND MISO SOUP.(ミソスープユニット)/岡島悦代(自由大学学長 コミュニティディレクター)/市耒健太郎(恋する芸術と科学 主宰)ほか(敬称略・順不同)

Web:発酵醸造未来フォーラム 東京’18

Tags  この記事のタグ

Recommend