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〈名古屋城本丸御殿〉
素晴らしい修復技術に注目!
10年の復元計画を物語る動画公開

コロカルニュース

posted:2018.3.8   from:愛知県名古屋市  genre:アート・デザイン・建築

〈 コロカルニュース&この企画は… 〉  全国各地の時事ネタから面白情報まで。
コロカルならではの切り口でお届けする速報ニュースです。

writer profile

Yu Miyakoshi

宮越裕生

みやこし・ゆう●神奈川県出身。大学で絵を学んだ後、ギャラリーや事務の仕事をへて2011年よりライターに。アートや旅、食などについて書いています。音楽好きだけど音痴。リリカルに生きるべく精進するまいにちです。

2018年6月8日(金)、10年にわたる復元計画を経て、
〈名古屋城本丸御殿〉が完成公開されます。
先日、完成に先駆けて本丸御殿のトレーラームービーが公開されました。

監督は美術家の山城大督さん、
楽曲は国内外で高い評価を受けている音楽家の蓮沼執太さん!
気鋭の若手アーティストたちが鮮やかな切り口で映像化しました。

400年前の姿をそのままに継承した
復元技術の素晴らしさも垣間見えますね。

名古屋城本丸御殿は、1615年(慶長20年)に
尾張藩主の住居かつ藩の政庁として
徳川家康の命によって建てられたお城。
ところが1945年(昭和20年)の空襲により建物の大部分が焼失してしまいました。

2018年6月、いよいよ復元が完成し、名古屋城本丸御殿を公開。
江戸幕府将軍が宿泊するために建造された、
豪華絢爛な「上洛殿」や「湯殿書院」なども公開されます。

名古屋城本丸御殿は、日本を代表する近世書院造の建造物。
総面積3,100平方メートル、木造平屋建こけら葺き書院造、
13棟の建物で構成されています。

1945年の空襲により建物は焼失してしまいましたが、幸いにも1049面の障壁画や309枚の実測図、約700枚の写真、約2000個の礎石などは焼失を逃れました。

室内は忠実に復元模写された山水花鳥などを
画材とした障壁画や飾金具などで絢爛豪華に飾られ、
建築・絵画・美術工芸史において高く評価されています。

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「ガラス乾板写真」など第一級史料から400年前の姿を再現!

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「ガラス乾板写真」など第一級史料から400年前の姿を再現!

ところで、映像のなかに映っているネガフィルムのような写真は一体何でしょうか?

これは、戦災にて焼失した当時の本丸御殿を記録した
第一級史料である「ガラス乾板写真」。
復元プロジェクトにおいて重要な資料となったのが、この写真でした。

名古屋城にはこの写真のほかにも江戸時代の文献や実測図など、
豊富な史料が残されていたのだそう。
全国的に見られる城郭建築の復元の中でも、
忠実な復元が実現できたのは、
そういった第一級の史料があったからだといいます。

また、木曽の森で数百年の時を刻んだ檜を使用するなど、
原則として旧来の材料を使用しているほか、
復元により伝統技術や技法を受け継ぐとともに、
先人の技や知恵を未来へと継承し、
名古屋の活性化につながるを拠点となることを目指しているのだとか。

さらに5月には本編となるスペシャルムービーも公開されるそう!
ぜひチェックしてくださいね。

information

map

名古屋城

住所:愛知県名古屋市中区本丸1番1号

時間:9:00〜16:30(天守閣・本丸御殿の入場は16時まで)

休園日:12月29日〜31日、1月1日 ※催事等による変更の可能性あり

観覧料:大人500円 中学生以下無料/名古屋市内在中の65歳以上の方 100円/団体割引あり

徳川園との共通券:大人 640円/名古屋市内在中の65歳以上の方 160円

提供:名古屋市観光文化交流局名古屋城総合事務所

プロジェクト企画・コーディネート:ユネスコ・デザイン都市なごや推進事業実行委員会

Web:名古屋城本丸御殿 Facebook

ユネスコ・デザイン都市なごや推進事業実行委員会

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