odekake
posted:2014.11.17 from:高知県高知市 genre:旅行
〈 おでかけコロカルとは… 〉
一人旅や家族旅行のプラン立てに。ローカルネタ満載の観光ガイドブックとして。
エリアごとに、おすすめのおでかけ情報をまとめました。ぜひ、あれこれお役立てください。
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Shikoku tairiku
ウエブマガジン四国大陸
「ウエブマガジン四国大陸」は、食、暮らし、自然、風景、仕事、歴史など、四国の密やかな魅力を発信中。四国に住む、デザイナー。編集者、イラストレーターなど、20~40代の他業種のメンバーで運営している。
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高知の歴史というと、
なんと言っても人気があるのは幕末期に活躍した坂本龍馬。
高知市内だけでも桂浜の高知県立坂本龍馬記念館、
上町の龍馬の生まれた町記念館と2つの施設があり、
それぞれ全国の龍馬ファンたちの聖地として賑わいを見せています。
さて、龍馬の生きた江戸時代の260年間にわたり、
土佐を治めていたのは、
現在の静岡県の掛川からやってきた山内家のお殿さまでした。
そして、その山内家が居城としたのが、ここ高知城です。
龍馬たち下級武士はもちろん登城する機会もなかったわけですが、
現代の私たちは隅から隅まで城内を巡ることができます。
迫力ある追手門(正門)からは山の頂上に立つ天守を見通すことができますが、
追手門と天守がセットで見られるお城は全国でも珍しいそうです。
追手門の前の石垣をよく見ると、恐らくは工事の際の目印として付けられたのであろう
「エ」や「シ」といった刻印もみられます。
毎週日曜日には、この追手門のすぐ前から日曜市がはじまります。
江戸時代初期から続く長い歴史を持つ市で、
春から夏にかけては朝の5時から夕方の6時まで、
秋から冬にかけては朝の6時から夕方の5時まで開かれる、
日本最古、日本最大の街路市です。
お堀のすぐ脇の公園では、
青空のもと椅子と机を並べて将棋を指しあうお年寄りたちの姿もみられます。
雑談をしながら真剣に打ち合う姿は、
かれこれ五十年以上続く高知の風物詩のひとつです。
さて、追手門をくぐって石積みの階段を上っていくと、
その途中に石垣から飛び出た石樋を見ることができます。
これは、雨の多い高知のお城ならではの工夫で、
石垣の裏に水がたまらないように埋設した水路で雨水を集め、
この石樋から排水しているのです。
城内にいくつか同じような仕掛けがあるので探してみてほしいのですが、
現在でも大雨になると石樋から水が吹き出てくることもあるそうです。
山の頂上にそびえる天守を仰ぎながらいくつかの階段を上がっていくと、
色とりどりのテープで仕上げられた
派手な看板が目印の売店が立つ「二ノ丸」へ着きます。
もともとは大きな御殿もあった一画で、
小さな池の跡も残っているところのですが、
ここではアイスクリームの原型とされる「アイスクリン」をぜひひとつ。
シャーベットのようなさわやかな食感で、
高知の暑い夏の炎天下で食べるとスーッと汗が引いていきます。
全国的にも珍しい渡り廊下型の櫓門である「詰門」を渡ると、
いざ闘いとなれば最後の砦ともなる「本丸」に到着します。
ここ高知城の本丸は姫路城や熊本城などと比べると圧倒的に小さいのですが、
注目すべきは江戸時代当時のまま本丸の全ての建物が残っているということ。
特に、外様大名の本丸御殿が残っているのは、ここ高知城だけです。
豪華な暮らしを禁じられていた外様大名らしく質素なつくりの御殿ですが、
波模様の欄間などは現代のデザインにも通じるシンプルさがあります。
天守の望楼からは、南北を山に挟まれて東西に細長く広がる高知市を
360度ぐるりと見渡すことができます。
この望楼も江戸時代初期の様式を残す珍しい例だそうで、
城郭建築としてはレトロな部類に入るものだそうです。
高知城は規模としてはそれほど大きなものではありませんが、楽しみ方はいろいろ。
高知のパノラマを楽しんだら、ぜひ来たときとは違う道で帰ってみて下さい。
梅林や銀杏並木、美しく苔むした石垣、芝生の敷き詰められた辷山(すべりやま)など、
季節ごとに違う魅力を発見できるはずです。
information
高知城
住所:高知市丸の内1-2-1
TEL:0288-22-2488
営業時間:9:00~17:00 (入場16:30まで)
定休日:12月26日 ~ 1月 1日
入場料 400円(18歳未満無料)
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