colocal コロカル マガジンハウス Local Network Magazine

連載の一覧 記事の検索・都道府県ごとの一覧

連載

野草を活用して甲州市に移住。
〈摘み草のお店 つちころび〉
鶴岡舞子さん

PEOPLE
vol.036|Page 1

posted:2016.3.11  from:山梨県甲州市  genre:暮らしと移住

sponsored

〈 この連載・企画は… 〉  ローカルにはさまざまな人がいます。地域でユニークな活動をしている人。
地元の人気者。新しい働きかたや暮らしかたを編み出した人。そんな人々に会いにいきます。

writer profile

Hiromi Shimada

島田浩美

しまだ・ひろみ●編集者/ライター/書店員。長野県出身、在住。大学時代に読んだ沢木耕太郎著『深夜特急』にわかりやすく影響を受け、卒業後2年間の放浪生活を送る。帰国後、地元出版社の勤務を経て、同僚デザイナーとともに長野市に「旅とアート」がテーマの書店〈ch.books〉をオープン。趣味は山登り、特技はマラソン。体力には自信あり。

credit

撮影:川瀬一絵(ゆかい)
Supported by 山梨県甲州市

農家を目指して甲州市に移住

山梨県甲州市。塩山駅から山手方面に向けてグングンと北上した
見晴らしのいい斜面の一角に、木造の小さな小屋〈摘み草のお店 つちころび〉はある。
野草の活用や“摘み草”の実践をコンセプトとするこの店では、
手摘みの野草を使った商品の販売や、〈摘み草実践スクール〉、
料理教室や各種イベントも開催している。
最近では、東京のフランス料理店〈レフェルヴェソンス〉の生江史伸さんなど、
第一線で活躍する一流シェフに食材として卸してもいるそうだ。

営むのは、生まれ育った東京からこの地に移住した鶴岡舞子さん。
屈託のない笑顔で周囲を明るい雰囲気に包む空気感を持った女性だ。

山梨県北東部に位置する甲州市。武田信玄ゆかりの地であり、神社仏閣が多く歴史が感じられるまち。都心から車や電車で1時間半ほどで着く。(写真提供:甲州市)

甲州市は甲州種をはじめとするブドウの一大産地。ブドウづくりには1300年の歴史があるという。(写真提供:甲州市)

鶴岡さんが甲州市に最初に移住したのは、2006年。
就農を目指してのことだった。東京で中高一貫の女子校に通い、
日本列島総不況といわれた時代を15歳で迎えた鶴岡さんは、将来を鋭く見据えていた。

「東京は何をするにもお金が必要で、
大人たちがお金に対して不信感を抱き始めている時代に、
私はどういう大人になったらいいのかと考えたんです。
毎日満員電車で通学しながら、ここ東京で未来をつくりたくないとも思いました」

そして「食べることには苦労をしたくない」という思いに至り、
「お金に左右されないで食べ物に安心を得て生きていける道」として
農家になることを決意。高校卒業後は東京農業大学に入学した。

大学卒業後は、甲州市の野外教育施設への就職を経て、
やはり農業の世界をしっかりと知りたいという気持ちから農業生産法人に再就職。
サクランボ、モモ、ブドウの果樹栽培において一連の勉強をした。

しかし、苗木が育って収穫できるようになるまでに数年かかる果樹栽培には
潤沢な資金が必要。野菜よりも収益単価が高いものの、
農家として新規参入が難しい分野だ。
独立するためには資金的にも体力的にも大きな壁があり、農家への道を断念し、
一時帰京した。そんなときに浮上したのが〈地域おこし協力隊〉の話だった。

鶴岡さん特製のナズナ(ぺんぺん草)のお茶。塩を入れるとスープとしても使えるそうだ。

Tags  この記事のタグ

Recommend