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連載

北海道〈ゴロンタトマトジュース〉
一度飲むと忘れられない味。
そのおいしさの秘密は?

my weekend@HOKKAIDO
大雪山と、北の暮らしを旅する
vol.008

posted:2017.9.8  from:北海道旭川市  genre:旅行

PR 北海道観光振興気候

〈 この連載・企画は… 〉  “北海道の屋根”と言われ、日本最大の〈大雪山国立公園〉を有する大雪山。
深く美しい大自然のなかで、コテージや温泉宿に滞在しながら、北の暮らしを旅します。
森や田んぼのなかを走り抜けるサイクリングや、旭岳を望むレイクカヌー、
そして、北の暮らしから生まれる食や工芸などのつくり手を訪ね、
短くて濃密な北国の夏を満喫しましょう。
旭川空港から30分〜1時間圏内だから、週末トリップにぴったりです。

photographer profile

Asako Yoshikawa

吉川麻子

フォトグラファー。北海道苫小牧市生まれ。札幌市在住。2006年からのスタジオ勤務を経て2011年より独立し、フリーランスとなる。主にポートレイト、衣食住、それらに関わる風景など幅広く撮影。おいしいものといい音楽があると笑顔になります。
気のいい犬1匹と現在二人暮らし。

writer profile

Akiko Yamamoto

山本曜子

ライター、北海道小樽生まれ、札幌在住。北海道発、日々を旅するように楽しむことをテーマにした小冊子『旅粒』発行人のひとり。旅先で見かける、その土地の何気ない暮らしの風景が好き。
旅粒
http://www.tabitsubu.com/

まるでフルーツのようなさわやかな味わい

〈ゴロンタトマトジュース〉。
一度聞いたら忘れない名前のこのジュース。そして、
一度飲んだら忘れられないおいしさのジュースでもあります。
旭川空港から車で約30分、大雪山の麓に広がる旭川市の美しい丘陵地帯、桜岡地区で
不耕起栽培、無農薬のトマトづくりを手がける〈パラダイスファーム〉。
塩も水も使わず、トマト100パーセントでつくられる贅沢なゴロンタトマトジュースは
併設の〈SHOP ゴロンタ〉で手に入れることができます。

直売所〈SHOP ゴロンタ〉はファームを営む大井健太郎さんが古い納屋を移築してリノベーション。右にはトマトジュースをつくる〈工房 ゴロンタ〉がある。畑からは旭岳の山頂が望めます。

ひとくち飲むと、トマトの濃厚な甘みの中にほんのりと酸味も感じられ、
驚くほどさわやかなおいしさが体に染み渡るよう。
トロリとした飲み心地でえぐみもなく、まるでフルーツの後味。
普段はトマトジュースが苦手な人が、ファンになってしまうという逸品です。

訪れたのは、ちょうどトマトの収穫時期。とれたての美しいトマトはみずみずしく、かぶりつくと甘みとともに本来の酸味がしっかり味わえる。

おいしさの秘密

ゴロンタトマトの収穫時期は7〜9月。種から育てているという品種は
サカタの〈シンディースイート〉中玉と大玉の2種類。
トマトジュースは、このふたつをブレンドし、皮と種を除いた
トマトから出る水分だけでじっくりと煮詰められてできあがります。

現在は、収穫するトマトの9割をジュースに加工。
夏の収穫期に1年分のジュースをつくり、保存しているそう。
全体で5000株というトマトのハウスには、整然とトマトの木が並び
あちこちで真っ赤に熟れたトマトが、最初の収穫期を迎えていました。

日差しのたっぷり入るハウスで育つ中玉トマト。1本の木で10段もの実をつける。

先に熟れるのが大玉トマト。無農薬で育てているものの虫の被害もないというゴロンタトマトはつやつやで生命力に満ちているよう。

案内してくれたパラダイスファームの代表、大井健太郎さんに
ゴロンタトマトジュースのおいしさの理由をうかがうと、

「トマトを樹で完熟させていることですね」と教えてくれました。

「普通のトマトジュースの、収穫してから追熟させて赤くするやり方とは
甘みがまったく違うんです。その分、トマトの樹に負担がかかるし
病気になりやすいので管理が大変ですが、味を落としたくないので、
こだわってこのスタイルを続けています」

帯広畜産大学を経て、在学中に農作業の楽しさに目覚め、農家を志したという大井健太郎さん。

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新規就農、選んだ土地は……

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トマトをつくることを決めたのは、桜岡地区の土地が
水はけが良くない粘土質の土壌だったことと、寒暖差の大きい気候から、
果菜類の栽培に向いていると判断したため。

「ゴロンタという名前は、僕らが2003年にここで就農したとき
畑を起こしてくれた農家さんがうちの土を見て『ひどいゴロンタだなあ』と
言ったことがきっかけでつけました。
農業用語かと思いきや、実はその農家さん独特の表現だったんです(笑)」

東川で農地を探したのち、範囲を広げて出会ったのがここ桜岡の土地でした。
ゴロンタな土地ではあったものの、少し標高が高くて過ごしやすく、
豊かな自然に囲まれたこの場所が気に入ったのだそう。

奥さまのタカエさんのアイデアで就農当時からつくっているカシス。生食には向かないためジュースに加工して販売。収穫期は7月頃。

もともと、トマトジュースづくりは考えていなかったという大井さん。
就農当初は農協に出荷していたものの、パラダイスファームでとれるトマトは
なかなか農協の規格や収量に合わなかったため、
急遽自分たちですべて販売するという方針に切り替えることに。
そこで加工が必要になったことから、ジュースをつくり始めたのが
今にいたるきっかけとなりました。

「まだお披露目していないんですけど」とそっと見せてくれたのが、すくすくと育っているワイン用のブドウ!順調にいけば再来年にはワインづくりを始められるそう。

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おいしさを追求できる土地!?

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就農以来、無農薬栽培を心がけているのは、
農薬を使う労力や危険性はもちろん、「自分たちが食べているものを
そのまま、お客さんにもおすそ分けしたい」という思いから。

そして、土地の性質にもっとも適した栽培方法を模索した結果
現在は、乾燥しやすい粘土質の土の表面に近い土壌がだんだんやわらかくなり
いい土になっていくという不耕起栽培を行っています。

タカエさんの友人の手づくりの消しゴムハンコ。店内の壁の色のセレクトや、置かれている手編みのカゴはタカエさん作。すてきなセンスが光ります。

かわいいイラストが目を引くジュースのラベルは、奥さまのタカエさんが描いたもの。
モデルは大井さんで、マフラーを巻いているのは、ゴロンタトマトジュースが
「冬に飲むのもおすすめ」というメッセージが込められているから。

「熟成させると、より濃厚になり甘みが増すので、冬の味も試してほしいですね。
温めて、オリーブオイルを少し落としてスープとして飲んでもおいしいですよ」

「草刈りが大好きなんです」と笑顔で話してくれた、穏やかな空気をまとう大井さん。冬の間は大工仕事やテレマークスキーを楽しんでいるそう。

「この土地は、農業条件としては大変だし量は収穫できないけれど、
おいしいものをつくるには向いているところです」
基本は直売所での販売と通信販売のみですが、口コミで評判になり、
ゴロンタトマトジュースは今や道外からのリピート注文の多い人気商品。

とっておきの贈りものにしたいこのジュースは、2017年も8月の上旬から
販売をスタート。旅の途中に立ち寄って、桜岡の美しさとともに
ゴロンタな土が育んだおいしさを体験してみて。

入り口にあるおしゃれな看板は、大工の師匠でお隣の敷地にある〈CAFE GOODLIFE〉オーナーの渋谷さんが知らないうちにつくってくれて、そっと置いていかれたものだそう。

information

map

パラダイスファーム

住所:北海道旭川市東旭川町東桜岡50−1

TEL:0166−36−5458

営業期間:7~11月(ジュース販売は8月上旬〜)

営業日:土曜・日曜・祝日12:00〜17:00(平日も在宅時は対応。事前連絡がおすすめ)

価格:ゴロンタトマトジュース 1本(1000ml)1080円

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