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勝手に作る商店街サンド:
秋田県・鷹巣駅前編

LOVE、商店街
vol.006

posted:2015.2.27  from:秋田県北秋田市  genre:食・グルメ / 活性化と創生

〈 この連載・企画は… 〉  ひとつの商店街(地域)をねり歩きながら、パンと具材を集めて勝手にサンドイッチを作る旅。
そこでしか食べられないオリジナルなサンド、果たしてどんなものができるのか?

writer's profile

Kozakai Maruko

小堺丸子

こざかい・まるこ●東京都出身。読みものサイト「デイリーポータルZ」ライター。江戸っ子ぽいとよく言われますが新潟と茨城のハーフです。好きなものは犬と酸っぱいもの全般。それと、地元の人に頼って穴場を聞きながら周る旅が好きで上記サイトでレポートしたりしています。

商店街サンドとは?

「商店街サンド」とは、
ひとつの商店街(地域)で売られているパンと具材を使い、
その土地でしか食べられないサンドイッチをつくってみる企画。
必ずといっていいほど美味しいものができ、
ついでにまちの様子や地域の食を知ることができる一石二鳥の企画なのだ。
今回は雪の降る、秋田県北秋田市の鷹巣(たかのす)にやってきた。

世界一の大太鼓がある鷹巣でつくる!

鷹巣は秋田の中でも北部に位置し、
秋田の内陸部を南北に縦断する長さ94.2kmのローカル鉄道
「秋田内陸縦貫鉄道」起点の駅でもある。
また、ギネスにも認定されている巨大な太鼓があることでも有名で、
夏になるとその太鼓の上に何人も乗り、
長いバチで叩きながらまちを練り歩くお祭り(八幡宮綴子神社例大祭)もあるそうだ。
このほか、シシトウラーメンやシシトウチョコレートといった
刺激的な珍名物もあるようなまちである。

ギネス認定の巨大太鼓、直径3.71メートル。これなんと、国産牛の一枚皮でできているのだ!(大太鼓の館より)

いざ鷹巣へ来てみると、雪・ときどき吹雪、
といった豪雪地帯ならではの天気だった。これぞ秋田の冬といった感じ。
出迎えてくれたのは雪だけではなくて、
この日はちょうど商店街近くで朝市が開かれているという。
せっかくなので寄ってみることにした。

商店街からすぐ近くの朝市。7のつく日に行われる。

北秋田の食が凝縮の朝市。上野のアメ横の出張版みたい?!

鷹巣の朝市は、寒かろうが暑かろうが平日だろうが、
「7」のつく日に必ず開かれる。
時間は朝の7時ころからだいたい昼の12時ころまで。
かつては50軒ほどのお店が並んでいたそうだが、
この日は約20軒くらい並んでいただろうか。
ひとつの通りに八百屋さん、魚屋さん、漬物屋さん、
服屋さん、乾き物屋さん、お菓子屋さんなどが
点々とお店をかまえていた。
身ひとつ分のスペースで売る人もいれば、トラックを使って販売する人もいて、
これが見ていてなかなか面白い。

トラックの荷台をお店にしている八百屋さん。

こちらは魚屋さん。トラックに「SUPER SHOP 宇宙船」と書かれてる。なんだかかっこいい!

こちらは洋品店。よく見ると、コタツに入っててあったかそう。

こちらはお餅や豆類など。寒そうだけど、椅子の下に暖房がちゃんとありました。

お客さんに自由に見てもらうスタンスのお店から、
積極的に声をかけて売りこむ姿も見られる。
いろんなものが雑多に売られている様子や、元気に声をかけてくる様子は、
まるで上野のアメ横の一部を切り取ってきたようだ。
ちなみに、これらのお店は出張販売というかたちで周辺地域からやってくるのだそう。
中にはお隣の青森からくる業者さんもいるのだとか。

お菓子屋さん。雲平やもろこしなど、秋田ならでは。

乾き物や缶詰などを売るお店も。

卵や豆腐、調味料など。全国にあるものかと思いきや、よく見ると比内地鶏の卵豆腐やきりたんぽなど、やっぱり秋田のものが並んでいる。

さきほどとは別の魚屋さんではサメも売られていた。あまり見慣れないのでウワーッと大声が出た。

お腹の中で育っていたサメの赤ちゃんと卵を見せてくれた。小さくてもちゃんとサメだ、とマジマジと見る。※こちらは売り物ではありません。

そのままではサンドに挟めないようなものが多いけど、見ていてとても楽しい。
この辺りの人たちにとっては日常の風景であり
売られているものも珍しくはないのだろうけど、
よそからきた私にとって秋田の食文化を知ることができてすごく楽しいのだ。

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ハタハタ寿司を試食してるところ。酸っぱくてコリコリして美味しい。写真に写っているのは今回お世話になった秋田県庁の長崎弥生さん(中央前)と、沓澤琢也さん(中央後ろ)。

「なに食う?」と威勢よく声をかけてきた名物の大将。こちらでは馬肉煮込みを購入。沓澤さんが常連のようで馬ホルモンを1パックオマケしてくれた。

サンドに入れるもとのして、
まずは最も威勢のよかった大将から「馬肉煮込み」を購入した。
秋田県内の阿仁合(あにあい)という、馬肉で有名な地域から出張販売してきたこちらのお店は、
本来は魚屋さんだけど他のお店との差別化をはかるために馬肉を売るようになったそうだ。
これがたいそう好評で、一緒にいた沓澤さんのイチオシということで即決。

続いて目をつけたのは、漬物屋さん。やはり秋田の食に漬物は欠かせないだろう。
広々としたスペースにたくさんのお漬物が並び
「お母ちゃん」とつい呼びたくなるような女性たちが元気よく売っていた。
ここでは一緒にいる長崎さんのオススメの「昆布の味噌漬け」をオーダー。
すると今度は長崎さんのご家族が常連ということで大根や人参のお漬物をオマケしてくれ、
さらには「お代はいいよー」と言って値段を教えてくれなかった。
また来てねというメッセージだろうか。
みなさんの良い関係に便乗しまくりである。ありがたや。

「私は26の時から、もう50年もやってるんだよ。お客さんと話すのがとっても楽しくてね」と優しい話し方をするお母ちゃん。まさかの裏ピースを見せてくれた。

乾き物が多く売られていたお店では見た目が魚の卵のような「トンブリ」というものを購入。ここでも大量にオマケ。全体的に朝市ではサービスが多いみたいだ。

トンブリとは「畑のキャビア」と呼ばれるもので
ホウキ草という植物の実を地域伝来の方法で加工したもの。
名前は聞いたことあるけど秋田の特産物だったのか。
味はほぼないそうだが、プチプチという食感がアクセントになるかと思い購入。

鼻水を垂らしながら今度は商店街へ。シャッターがおりてるお店が多いけど、けっこう広い。ちなみに人口に対して居酒屋は豊富だそうだ。

やってきたのは「肉のデパートきむら」。

商店街には電器店やお花屋さん、美容院などいろいろ並んでいた。
でも見た感じ、食べ物屋さんは少なめの様子だった。
その中で見つけたのが肉のデパートきむらさん。
生肉はもちろん、お惣菜や馬肉の煮込みや漬物、
それにババロアや人気のスイートポテトなんかが売られている。

迷った末に、コロッケ購入。お肉屋さんのコロッケ美味しいよね。

もうこれで材料は十分な気もするが、鷹巣の商店街に来たら抑えておくべき場所がまだあるようだ。ローソンならぬ「の~そん」だ。

産地直売所の~そん。脱力しそうな名称が面白い。

ここでもまた秋田の農家でとれたものが集まっていた。銘菓もそろう。

悩んだ末、わたしが選んだのは比内地鶏卵を使ったマヨネーズ。これとトンブリが合うのでは、とひらめいたのだ。フルーティな味わいで、調味料選手権で入賞したのものだとか。

最後は、このあたりの学校の給食のパンをつくっているという「武藤製パン」さんで食パンをゲット! 直接工場で買うのは地元の常連さんだけらしいが特別にいただくことができた。

こんな感じで食材はそろった。
今回は皆さんのご厚意(オマケ)によりかなりボリューミーに。
外は寒かったけどなんだか心は温かい。
駅前の無料休憩所「キタキタ」でスペースをお借りしてサンドづくりを開始した。

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いろいろオマケしていただいたのでこれまでで一番ボリューミーな食材。

今回は鷹巣出身の長崎さんと一緒につくってみることに。私は毎回挟み方に悩むのだが、長崎さんのつくりに迷いはなかった。

私のはこちら。トンブリマヨネーズを上にそえてみた。これでもけっこう衝撃的なビジュアルだが……。

長崎さんのトンブリマヨネーズを下に敷いたバージョン。食材を少しずつ並べるようにつくったようだが、そのため「お弁当を忘れてきた子のために皆がちょっとずつオカズを分けてくれた」みたいなビジュアルになっていた。サンドづくりは案外個性が出ることを知る。

ギネス級の珍サンドができた!

非常にオリジナリティ溢れるサンドが完成した。
鷹巣出身の人なら誰もが口にしただろう給食の食パンに挟まれたのは、
お肉屋さんがつくる素朴なコロッケに、「食べたら走りだすよ」と大将が言っていた馬肉、
さらにお母ちゃんたちが漬けてくれた漬物と、
トンブリと比内地鶏卵マヨネーズを混ぜたもの。
大口をあけてかぶりついてみると、これまでのサンドのイメージを
覆す「ポリポリ・プチプチ」の食感に思わず笑ってしまう。

初めて食べた馬肉煮込みは、クセや臭みもなく、意外に柔らくてとても美味。
その馬肉と漬物たちの塩気がアクセントとなり、
コロッケと食パンの甘み、そして、まるでホイップのようにまろやかなマヨネーズが
口の中でうまいこと調和している。
うん、やっぱり美味しい!

「わたしのはかじった場所によって味が違います」と長崎さん。並べ方は重要なのだ。

長崎さんにも私のつくったサンドを食べてもらうと、
「鷹巣さらしさが出てるし、とても美味しい」とお墨付きをいただいた。
コロッケと馬肉の相性がすごく合う、とのこと。
馬肉を食べるとエネルギーが出ると言われているし、
夏の大太鼓祭りに参加する人たちにぜひ食べてほしいサンドであった。

キタキタの皆さん。馬肉を食べたのでみんなこのあと走りだした。(嘘)

こちらはオマケにつくってみた鷹巣スイーツサンド。これは甘党向け!

●鷹巣商店街サンドイッチレシピ

・庄司さかな屋さんの馬肉煮込み(小)1パック…500円

・田村さんの漬物…0円(普通に買ったら500円くらい?)

・乾物屋さんのトンブリ…300円

・肉のデパートきむらのコロッケ2個…216円

・くまがい卵油研究所のマヨネーズ…486円

・武藤製パンの食パン…216円

ーーーーー

合計 1718円

●鷹巣商店街スイーツサンドレシピ

・肉のデパートきむらのスイートポテト…155円

・肉のデパートきむらのミルクババロア…152円

・鷹巣で一番の老舗菓子屋・晩梅のル・デセールの切れ端…0円
(買い物したらいただいた。タイミングがいいとくれるらしい)

・「サンドリヨン」の全粒粉食パン…355円
(この日は定休日だったので行けなかったのだけど、オススメとして長崎さんたちが用意してくれていた。)

ーーーーー

合計 662円

※お知らせ…
2015年3月28日(土)に
商店街サンドをみんなでつくるワークショップをすることになりました!
場所は埼玉県川口駅前の商店街。いったいどんなサンドができるのか? 
小学3年生からご参加いただけます。ぜひ!
お申し込み・詳細はこちら→川口市メディアセブン

Post from RICOH THETA. -- Spherical Image -- RICOH THETA

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Information


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北秋田市たかのす銀座通り商店街

住所:秋田県北秋田市松葉町
http://www4.plala.or.jp/takanosuginza/

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