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odekake

〈ラーメン みづの〉
生姜と醤油がたまらない!
体も心も温まるホッとする味

おでかけコロカル|北海道・道北編

posted:2016.2.4  from:北海道旭川市  genre:旅行

〈 おでかけコロカルとは… 〉  一人旅や家族旅行のプラン立てに。ローカルネタ満載の観光ガイドブックとして。
エリアごとに、おすすめのおでかけ情報をまとめました。ぜひ、あれこれお役立てください。

photographer profile

YAYOI ARIMOTO

在本彌生

フォトグラファー。東京生まれ。知らない土地で、その土地特有の文化に触れるのがとても好きです。衣食住、工芸には特に興味津々で、撮影の度に刺激を受けています。近著は『わたしの獣たち』(2015年、青幻舎)。
http://yayoiarimoto.jp

writer's profile

Akiko Yamamoto

山本曜子

ライター、北海道小樽生まれ、札幌在住。北海道発、日々を旅するように楽しむことをテーマにした小冊子『旅粒』発行人のひとり。旅先で見かける、その土地の何気ない暮らしの風景が好き。
旅粒
http://www.tabitsubu.com/

credit

取材協力:北海道観光振興機構

旭川名物といえば真っ先に思い浮かぶのが、旭川ラーメン。
老舗から新しいお店まで、
旭川にはたくさんのラーメン店がひしめきあっています。
黄色縮れ麺にラードを使ったこってり醤油スープが、旭川ラーメンの主流。
そのなかで異彩を放つお店が、
繁華街から少し歩いた先の旭川市ロータリー商店街入口にたたずむ、
〈ラーメンみづの〉です。

昭和の風情が残るどこか懐かしい店内ですぐに目を引くのが、
壁にびっしりと並ぶ色紙と、厨房に掲げられた「生姜ラーメン」の立派な看板。
そう、みづのの一番人気メニューは、
創業以来つくり続けている「生姜ラーメン」です。

生姜ラーメン(630円)。ラーメンに最も合う、甘みある高知産の大生姜を使用。

ひと口いただくと、あっさりとした醤油スープに、
生姜の風味がふわっと広がるやさしい味わい。
最後は甘みとともにスッキリ感が残ります。
生姜の辛みはなく、スープだけでどんどんいただけます。
市内の製麺所から仕入れる白くまっすぐな麺は、
このあっさりスープと相性抜群。
ランチにも、またはちょっと飲んだあとの一杯にも合う、
じんわり沁みてくるおいしさです。

生姜は薬膳といわれ、身体の毒素を排出する効果があり、
さらにダシに使う豚骨の脂っぽさも消してくれるという優れもの。
食べるうちに身体がポカポカ温まってくるのもうれしい。

スープに使われるダシは豚骨のみ。
生姜ラーメンに入れる生姜は、なんと大さじ山盛り1杯ほど!
その量に驚きましたが、2代目店主の水野龍司さんいわく
「これだけ入れても、だしに甘みがあるから主張はしないんです」
醤油スープを加え、これもお父さまの好みで選ばれたという麺が入り、
厚めのチャーシューとメンマ、ねぎが乗せられ、
ほんのり生姜が香りたつラーメンのでき上がりです。

言葉を交わさずとも、息の合った流れで一杯ができあがります。

この生姜ラーメンは先代である水野さんのお父さまのオリジナルメニュー。
元小売りのお菓子屋からラーメン店へ転業、
1965年にみづのを開店したお父さまは大の生姜好きでした。
「好物の生姜を、ラーメンに入れてみたらどうだろう?」とひらめき、
試行錯誤の末に誕生したのが生姜ラーメンです。
「シンプルだけど、好きだからこそ生まれた発想が
いまの〈みづの〉の味をつくっているんです」と龍司さんは振り返ります。

ひとりっ子の龍司さんは東京の大学へ進学。
当時は跡を継ぐことを考えていませんでしたが、
いずれ旭川へ戻ることを想定して28歳でお店に入ります。
「親父やおふくろから、
特になにかを教えてもらったという記憶はないですけどね」
と笑う龍司さんですが、
40歳の頃2代目として店を任されて以来23年間、
みづのの味を守り続けています。

みづのが軒をつらねる〈旭川市ロータリー商店街〉は
かつて〈常盤通り商店街〉という名で親しまれ、
1950年には戦後初の北海道博覧会の舞台にもなった、歴史ある地区です。
店内には、商店街オリジナルという
洒落たデザインのTシャツや手ぬぐいが販売されていました。
古くからの土地でありながら、
外からの人も受け入れて、ともにまちの魅力を発信しています。
まわりには龍司さんのように家業を継いでいる近い世代の幼なじみも多く、
今でも仲間たちとのつながりは自然に続いているそうです。

おしどり夫婦な龍司さんと奥さまのみち子さん。おふたりともいい笑顔。

「アナログな人と人とのつながりを大事にしながら
“のんびりやっていて実はしぶとく生き残っている”っていうのがいいですね。
やっぱり商売はやっている人間が楽しくなきゃ」
最近は同じような思いで商売をする若者が増えているので、
その世代がさらに旭川を
いいまちにしていくだろうと龍司さんは期待しています。
「旭川って大都市でもなく、利便性のいいまちでもないけど、
僕らを含め住んでいる人間はみんな好きなまち。
特にここの商店街は、古くから不便さを
人とのつながりでカバーしてきた下地がある。
旭川はもちろん、僕はここの通りが大好きなんです」

好きなものから始まったお店の歴史はまちに根づき、
まちに愛されながら今日も紡がれています。
ここでしか出会えない、
心まであたたまる生姜ラーメンを味わいに、ぜひ足を運んでみてください。

information

map

生姜ラーメン みづの

住所:旭川市常盤通2丁目

TEL:0166-22-5637

営業時間:平日10:00~15:00、17:00~19:30、日曜11:00~17:30

定休日:不定休

※駐車場なし

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