連載
posted:2012.5.9 from:宮城県仙台市 genre:活性化と創生
〈 この連載・企画は… 〉
日本の地域を拠点にしてさまざまなプロジェクトを仕掛ける地域プロデューサー、
本田勝之助さんから地域活性のヒントを学びます。いま、ローカルビジネスが注目されるその理由とは?
writer's profile
Masayuki Sawada
澤田真幸
さわだ・まさゆき●東京生まれ。幼少期より国内外を転々とし、現在は東京在住。ジャンルはとくに問わず、面白ければオールOKのスタンスでライター稼業を邁進中。旅好き。仕事でもプライベートでも、ここではないどこかに行けるならどこへでも。
東日本大震災において大きな被害を受けた
東北エリアの食材・食ブランドを応援する「Rebirth 東北フードプロジェクト」。
2011年11月よりスタートしたこのプロジェクトは、
丸の内エリアを中心に店舗を構えるレストランのシェフたちが
食に関する提案と発信を行うために立ち上げた
「丸の内シェフズクラブ」(会長:服部幸應氏)と
東北エリアのシェフたちが連携して新商品やメニューを開発し、
消費活動につなげていくことで、
東北の“食のブランド再生”を目指すべく活動を展開している。
「そもそも震災前にシェフズクラブの人たちと
丸の内で福島フェアをやったことがあったんです。
そのときのメインが相馬漁港の魚だったのですが、
震災の前と後とでは漁港の風景もまったく変わってしまって、
そうした窮状を心配したシェフズクラブの人たちが立ち上がってくれて、
『Rebirth 東北フードプロジェクト』は始まりました」
本田勝之助さんは、このプロジェクトにイベント運営統括として参画。
記念すべき第一回目の取り組みは、
昨年11月14日に「仙台ロイヤルパークホテル」で行われ、
東北エリアの生産者や加工者、食関係者をはじめ、
プロジェクトの趣旨に賛同した一般参加者も含めて
東北の食材を使った食事会を開催したのだった。
「東北エリアのシェフと丸の内シェフズクラブが考案したメニューを
ビュッフェスタイルで提供し、参加者同士が交流することで、
新たな食材のブランド化やメニュー化の可能性を探ろうというイベントです。
さらには、近隣の商業施設を会場にして
丸の内シェフズクラブによる料理セミナーも開催したほか、
施設内のレストランでは東北エリアの食材を活用したメニューを提供するなど、
地産地消の拡がりを広くアピールする場になったと思います」
第2弾は、今年2月に丸の内にて「はらくっつい 宮城食堂」を期間限定オープン。
第1弾で開発したメニューの一部をランチメニューとして提供し、
レシピを公開することで、宮城県食材の首都圏への流通促進や消費活動につなげた。
そして第3弾は、先頃4月16日に仙台ロイヤルパークホテルで開催。
「シェフの絆」をテーマに、1回目より参加している
丸の内シェフズクラブ4名と東北エリア3名のシェフに加えて、
新たに8名の東北エリアシェフが参加し、
宮城県産食材を活かしたメニューの共同開発を行った。
しかも、そこで開発されたメニューは後日レシピを公開し、
プロジェクトパートナーの協力を得て、県内飲食店を中心に展開されるという。
「第1弾はお披露目的な位置付けで、
今回の第3弾で本格的に始動した感じでしょうか。
現地のシェフとのきずなを深めようというのが今回のテーマなので、
東北エリアのシェフと丸の内のシェフがそれぞれパートナーを組み、
交流を図りながら宮城県産食材を活用したご当地メニューを考えてもらいました。
ここで生まれた新メニューは、この場限りではなく、
地元の飲食店でも食べられるようにします。
こういうことはやはり継続性が大事。食を通じた持続的な活動の輪を広げ、
『地産地消』を推進しながら、
地域の皆さんと一緒に食ブランドの再生を目指していくことが目的ですから」
丸の内をはじめとした首都圏エリアと東北エリアのネットワーク作りを積極的に図り、
食を通じたかたちで復興支援活動を推進する「Rebirth 東北フードプロジェクト」。
その活動はこれからも続く。
profile
KATSUNOSUKE HONDA
本田勝之助
ほんだ・かつのすけ●福島県会津若松市生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。会津食のルネッサンス代表取締役。ヒルサイドコネクション代表取締役。地域を経営するという視点で、会津地方や福島県内を中心に食やモノづくりのプロデュース、ならびに伝統産業のコンサルティングやリノベーション事業を展開している。福島復興のキーパーソン。
会津食のルネッサンス
株式会社ヒルサイドコネクション
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