TOPIC 天栄村(1)天栄村風力発電所

村おこしから始め、事業として風力発電を主力化させた天栄村の取り組み。

日本国内では1990年代以降、地方自治体が運営する風力発電所が数多くつくられてきました。
福島県の南部にある人口約6000人の天栄村も、
村営の風力発電所を持っている自治体のひとつですが、
特徴的なのは発電事業として安定した収入を得られていることです。
風力発電事業の経緯を見ていくと、
天栄村では村おこしの一環として風力発電所をつくろうと1996年に検討が始まりました。
当初は、村営のスキー場で使う電力をまかなう風車1基を建設する予定でしたが、
建設に向けた調査の過程で、計画予定地が風力発電の適地であることが判明したのです。
そこで、単にシンボルとして風車を建てるのではなく、
事業として風力発電に取り組もうということになり、合計4基を建設することになりました。
この天栄村の風力発電事業は、
1998年にNEDOの「地域新エネルギー等導入促進事業」に採択され、
総事業費の50%の補助を受けています。
そして、2000年12月に「天栄村風力発電所」の運転が開始されました。
天栄村風力発電所は、内陸山岳部に導入された国内初の風力発電所で、
出力750kWの風車4基による合計3000kWの発電能力を持ち、
年間約500万kW前後を発電しています。
天栄村の風力発電事業は、建設費用の村負担分を無借金でまかなった点が特徴です。
山間部の風力発電所建設では、風車本体の費用以外にも、
発電所建設地への道路敷設や電力会社の送電線に接続する高圧送電線の敷設など、
大きな費用がかかる工事を必要とします。
しかし、事業費をまかなうために村の借金となる地方債を発行しなかったことで、
将来的な利息負担がなく、風力発電事業による収入は全て村の歳入にすることができます。
その収入の中から、年間500万円を村内の新エネルギー導入促進のための基金として積み立て、
更に2000万円を一般会計の歳入として繰り入れ、活用してきました。
落雷による風車破損などの事故もあって、
現在は万が一に備えた積立金の割合を増やしているということですが、
風力発電事業は黒字運営が続いています。
風力発電事業への村の支出約4億7000万円に対して、
2011年度末時点で累計6億円以上の買電収入があったということです。
すでに天栄村風力発電所は、運転開始から11年が過ぎています。
村の担当者の方は、これからもしっかりとしたメンテナンスを行って、
20年でも30年でも出来る限り長くこの風車を使い続けていきたいと話していました。
地方自治体による再生可能エネルギー事業のモデル事例として、
天栄村の風力発電事業は数多くの自治体の参考にされているということです。

天栄村風力発電所

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