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STUDY 風力発電とは

100%Village
vol.007

posted:2012.5.9  from:全国  genre:活性化と創生

〈 この連載・企画は… 〉  全国に52カ所ある、自然エネルギー自給率100%の地域 = 100%Village。
TOPICでは、全国各地の100%Villageやそれを目指そうとするモデルケースをひもとき、
STUDYでは、自然エネルギーにまつわる用語を解説していきます。

writer's profile

Hironao Matsubara

松原弘直

まつばら・ひろなお●特定非営利活動法人 環境エネルギー政策研究所 理事、主席研究員。工学博士。エナジーグリーン(株)、おひさま進歩エネルギー(株)技術アドバイザー。桜美林大学非常勤講師。環境プランナーER。東京工業大学においてエネルギー変換工学を研究、製鉄会社研究員、ITコンサルタントなどを経て、持続可能なエネルギー社会の実現に向けて取組む研究者として現在に至る。持続可能なエネルギー政策の指標化(エネルギー永続地帯)や長期シナリオ(2050年自然エネルギービジョン)の研究などに取り組みながら、日本初の自然エネルギー白書の編纂をおこなう。自然エネルギー普及のため、グリーン電力証書の普及やグリーン熱証書の事業化、市民出資による地域エネルギー事業の支援などに取り組む。

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世界の自然エネルギー市場が成長を遂げる中で、最も成長している「風力発電」とは?

風力発電は、自然エネルギーによる発電の中でも、
世界中で水力発電の次に普及拡大が進んでいます。
人類は、古くから風の力を使って、オランダの風車に代表されるように、
さまざまな産業用の動力として活用をしてきました。
しかし、風力による発電は19世紀末からデンマークなど欧米諸国を中心に技術開発が行われ、
オイルショック等を経て紆余曲折の中で進歩してきました。
世界の自然エネルギー市場は近年、急成長を遂げていますが、
その中でも風力発電は最も成長している分野です。

世界の風力発電は、昨年(2011年)には前年比21%増加し、
2011年末には2億3835万kWに達しています。
(世界風力エネルギー協議会GWEC調べ)
2005年から2011年までの年間の平均成長率は
経済危機の影響もありながら26%に達しました。
世界の風力発電設備の導入のトレンドは下の図の通りです。
この近年の風力発電の急成長では中国が大きな割合を占めています。
中国国内での2011年風力発電の年間導入量は1800万kWに達しており、
2011年末には導入量が累計で6373万kWと世界一の導入国となっています。
第二位の米国では新規導入量が662万kWでしたが、
累計では4692万kWに達しており、
米国内の総発電量の2%以上を占めるまでになっています。
一方、ヨーロッパ全体では2011年には年間997万kWが新規導入され、
導入量の累計で約9662万kWとなっています。
国別の累積導入量ではドイツとスペインが二大導入国で、
それぞれ累計で2906万kW、2167万kWとなっています。
その他アジアでは、インドの新規導入量が302万kWで、
累計が1608万kWに達しています。
さらに、近年注目されている洋上での風力発電の設備容量はまだ小さいものの、
2010年末の時点で310万kWに達していますが、その大部分がヨーロッパです。
特にイギリスでの導入が進んでいます。
(出典:REN21『自然エネルギー世界白書2011』)

日本国内でも、北海道、東北、九州を中心に陸上あるいは洋上での風力発電には
大きな可能性があることが環境省などの調査でわかっています。
しかしながら、2010年度末までの累計の導入量は244万kWで、
基数は1700台以上ですが、年間の導入量は25.6万kWと低迷しています。
日本風力発電協会(JWPA)の推計では、2011年度の新規導入量は約8万kWまで落ち込み、
累計の導入量は252万kWとなり、
国の従来の導入目標である2010年までに300万kWの達成は、まったく困難な状況です。
地域別ではこれまでも風況の良い北海道、東北、九州での導入量が多い状況ですが、
現在、電力系統の制約により、これらの地域では接続が制限され、
風力発電の希望者に対する抽選や入札が行われています。
さらに、立地への各種制約や建築基準法の改正や環境アセスの法制化など
発電事業への負担が増大しており、新規導入量が低迷していますが、
2012年7月からスタートする固定価格買取制度を睨んで、
各地で新たな事業の計画も進み始めています。

世界各国の風力発電設備の導入トレンド(作成:環境エネルギー政策研究所)

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