連載
posted:2012.2.14 from:全国 genre:活性化と創生
〈 この連載・企画は… 〉
全国に52カ所ある、自然エネルギー自給率100%の地域 = 100%Village。
TOPICでは、全国各地の100%Villageやそれを目指そうとするモデルケースをひもとき、
STUDYでは、自然エネルギーにまつわる用語を解説していきます。
writer's profile
Hironao Matsubara
松原弘直
まつばら・ひろなお●特定非営利活動法人 環境エネルギー政策研究所 理事、主席研究員。工学博士。エナジーグリーン(株)、おひさま進歩エネルギー(株)技術アドバイザー。桜美林大学非常勤講師。環境プランナーER。東京工業大学においてエネルギー変換工学を研究、製鉄会社研究員、ITコンサルタントなどを経て、持続可能なエネルギー社会の実現に向けて取組む研究者として現在に至る。持続可能なエネルギー政策の指標化(エネルギー永続地帯)や長期シナリオ(2050年自然エネルギービジョン)の研究などに取り組みながら、日本初の自然エネルギー白書の編纂をおこなう。自然エネルギー普及のため、グリーン電力証書の普及やグリーン熱証書の事業化、市民出資による地域エネルギー事業の支援などに取り組む。
・環境エネルギー政策研究所
・自然エネルギー政策ポータルサイト
・永続地帯ポータルサイト
・自治体グリーン政策の窓
・個人ブログ「サステイナブルなもの」
・Twitter
協力
枯渇しない再生可能なエネルギー源として、
地球に降り注ぐ太陽光を太陽エネルギーとして直接利用する発電です。
シリコンなどの半導体から作られる太陽電池を用いて、
太陽光のエネルギーを直接、電気に変換する方式が主流になっています。
開発当初は高価だったため、人工衛星の電源や電卓などの電気製品に用いられて来ましたが、
日本国内では、1970年代からスタートした国のサンシャイン計画での技術開発、
民間での研究開発や大量生産技術の確立に伴い、
次第に電力供給を目的とする太陽光発電のシステムが確立してきました。
同じ1970年代に技術開発が行われた、
太陽光を集光し熱に変換して発電する太陽熱発電とは区別されます。
日本国内では、これまで住宅用の太陽光発電が比較的多く導入されてきました。
1990年代に電力会社が、太陽光発電による余剰電力を買い取る自主的な取り組みがスタートし、
電力を供給する配電網に太陽光発電設備を接続する系統連系の技術が標準化されました。
1994年度からは国による住宅用太陽光発電導入促進に対する補助金制度が始まり、
2005年度まで12年間実施され、
電力会社による自主的な買取制度と、この住宅用発電設備への補助金制度により、
2005年度末までに住宅用太陽光発電システムが累積で約100万kWまで導入されました。
その時点で日本は世界のトップランナーとして
導入量、生産量ともに世界第1位の座を得ましたが、
2005年度以降の住宅用の補助金制度廃止などにより、
単年度導入量は約20万kW程度で低迷しました。
その結果、2004年に自然エネルギー法(EEG)を改正したドイツに、
単年度導入量を抜かれた上に、
2010年までの累積導入量では1700万kWを超えたドイツ、さらにはスペインにも抜かれ、
世界第3位の約360万kWとなり、大きく差がついてしまうこととなったのです。
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