〈まこっこ農園〉
才木誠さん・祥子さん
身の丈に合わせた「つながる農業」
のどかな風景が広がり、白ネギがやたらとシャキッとして植わっている。
遠目に眺めると、びっしりと連なるその列が緑のじゅうたんのようだ。
自然豊かな山口県宇部市で、この葉っぱまで丸ごと食べられる白ネギや
フルーツのように甘いミニトマト〈アイコ〉を中心に、
野菜を育てているのが〈まこっこ農園〉の才木誠さん・祥子さん夫妻だ。
宇部で農業を始めてから、今年で10年目。
蛍が生息するきれいな清水を使い、菌の多様性を最大限に生かす農業に取り組んでいる。

創業当初からつくり続けているミニトマトの〈アイコ〉。細長い形が特徴。
もともとは、夢と憧れを抱き、経験ゼロで農業の世界に飛び込んだふたり。
同じくゼロから新規就農し、子育て世代である若手農家5組で
〈情熱農家プロジェクト toppin〉というグループを結成した。
埼玉県出身の誠さんと山口県宇部市出身の祥子さんはどのようにして農業を始め、
継続し、そのスタイルを確立してきたのか、お話をうかがった。
想いを生かせる販路を見つける

〈おかわりカラフルトマト〉。トマトは産直アプリ「ポケットマルシェ」で直販を行っている(収穫期間中のみ)。〈サンココア、アイコ、サンチェリー、サンオレンジ、サンイエロー、サングリーン〉。時季に応じて多様なミニトマトがぎっしり入っている。
トマトと白ネギの生産を主軸にしている〈まこっこ農園〉。
季節に応じて、キャベツやスナップエンドウなどの野菜もつくっている。
農園のモットーは「食べることを楽しく」だ。

「『葉っぱの部分なんて今まで食べてなかった』という人が食べてくれるようになったらうれしい」と祥子さん。
「例えば、カラフルトマトみたいに
見た目でパッと気分が上がる野菜をつくりたかったんです。
葉っぱの部分まで食べられる白ネギなら、新しい食べ方ができるし楽しくなりますよね」
(祥子さん)
そうした自分たちの想いを守りながら農業一本で食べていくためには、
なにより販路の選択や販売方法が要になる。
「ミニトマトは、近くに産地がないんですよね。
個人で出荷するので数や量ではなく味や彩りといった
量以外の勝負をしていこうと考えました」(誠さん)
就農当時に手がけていたお茶は、
家族経営という自分たちの農業スタイルと照らし合わせて考えた。
「お茶は全国的に価格が低迷していて、そのなかで活路をつくることができず、
結局、野菜に専念することにしました。
ただお茶は今でも大好きで、日本茶インストラクターの資格を生かし、
地元の小学校などで“茶育”を続けています」(祥子さん)

祥子さんの家族の知り合いや飲食店への直販は、初期の頃から行っていた。
店舗でも、特徴やこだわりをポップなどで伝え、付加価値をつけるようにしたという。
「その効果もあって、野菜を買ってくださるお客さんが少しずつ増えてきました。
売れるということで評価が見えやすいということが、
自分たちのやりがいにもつながったと思います」(祥子さん)
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