連載
posted:2024.12.31 from:香川県小豆郡土庄町 genre:暮らしと移住
〈 この連載・企画は… 〉
海と山の美しい自然に恵まれた、瀬戸内海で2番目に大きな島、小豆島。
この島での暮らしを選び、家族とともに移住した三村ひかりが綴る、日々の出来事、地域やアートのこと。
writer profile
Hikari Mimura
三村ひかり
みむら・ひかり●愛知県生まれ。2012年瀬戸内海の小豆島へ家族で移住。島のなかでもコアな場所、地元の結束力が強く、昔ながらの伝統が残り続けている「肥土山(ひとやま)」という里山の集落で暮らす。移住後に夫と共同で「HOMEMAKERS」を立ちあげ、畑で野菜や果樹を育てながら、築120年の農村民家(自宅)を改装したカフェを週2日営業中。
https://homemakers.jp/
今年6月、〈HOMEMAKERS CAFE〉は、これまでの場所から徒歩10分ほどの
廃校になった小学校をリノベーションし、移転オープンしました。
建物の2階はゲストハウス〈NOTEL〉です。
広いスペースと泊まれる設備。
この場所にカフェを移転したらやりたいと思っていたことがあります。
それは、ゲストを招いてトークイベントを開催すること!
その思いが実現したのは、12月14日、15日と2日間にわたって開催された
〈小豆島カメラ〉のイベント。
写真展にトークイベント、似顔絵ショップ、山歩きと、
盛りだくさんのイベントで、たくさんの方々に会い、
話すことができ、興奮の2日間でした。
小豆島カメラは、島での暮らしのなかで出会う人や風景、
おいしい食べものをカメラで撮影し発信するチーム。
私もメンバーのひとりです。
上のイラストで10の旗を持ってるのが私。似てる(笑)。
2013年から7人で活動を開始し、気づけば10年!
この節目に、今年1月には東京・新宿にある〈OM SYSTEM PLAZA〉で、
小豆島カメラ10周年の写真展
『10年たってもやっぱり!見たい、食べたい、会いたい』を開催し、
これまでに撮ってきた写真のうち、2019年以降の5年間に撮った写真から
セレクトして展示しました(詳細は小豆島日記vol.330を参照)。
11月22日からは、HOMEMAKERS CAFEの隣にあるフリースペースで
同写真展を巡回展として開催しました。
Page 2
この写真展の開催中に、これまで小豆島カメラの活動で
お世話になってきた方々をご招待したい。
久しぶりにみなさんに会いたいし、写真を見てもらいたいし、
小豆島に遊びに来てもらいたい。
そして、この写真展会場の2階はゲストハウスNOTEL。
泊まってゆっくりしてもらいたい。
そんなことを考えていたら、小豆島カメラのメンバーのひとり
坊野美絵ちゃんが「藤本智士さんという編集者の方を
小豆島にお招きしてトークイベントを開催したい!」と。
小豆島カメラの写真展と藤本智士さんのトークイベント!
これはいいコラボイベントになるんじゃないかと。
藤本智士さんと小豆島カメラがお世話になっている方々を
みんな一緒にお招きして、イベントを開催することに。
盛り上がってきました(笑)。
そしてここから、盛り上がりすぎて、若干大変なことに。
2日間に盛り込まれたイベントの内容は、
12/14(土)16:00〜17:30
【トークイベント】
小豆島カメラ10周年をふりかえる!
写真家 MOTOKO × 編集者 竹中あゆみ
12/15(日)9:00〜12:00
【おへんろハイキング撮影会】
小豆島カメラと一緒に小豆島のお遍路道や畑のあぜ道を歩きながら、
美しい里山の風を撮影
12/15(日)15:00〜16:30
【トークイベント】
編集者 藤本智士『取り戻す旅』出版記念トークイベント
12/14(土)、15(日)
【にがおえSHOP】
大阪のイラストレーター CHO-CHAN による似顔絵ショップ
ん?
あれもこれもやりましょう! と盛り上がったはいいものの、
準備や告知などこれは大変だ
(次回以降は、もう少し後先考えて計画しようと思います。汗)。
ぎりぎりまでお知らせしたり、トークイベントの内容を調整したりして、
なんとか迎えた当日。
Page 3
ここ何年かの私の大変なときの乗り切り方として、
「考えすぎずに流れに身をまかせる」という心持ちでいること。
ある程度のところまではイメージして準備しますが、
あんまりシュミレーションしすぎると、あれもこれもやらなきゃと
大変になりすぎちゃうので、あとは当日の流れに乗りながら、
その場で考えて動く。
つくづく計画性が乏しいなぁと思いますが、つくり込みすぎず、
70%くらいの準備で立ち向かうスタイル。
その場で臨機応変な対応が求められるのでなかなか難易度高めですが。
藤本智士さんのトークイベントには、小豆島の地域おこし協力隊の方や
昔から小豆島カメラの活動を応援してくれている友人たち、
新たに移住してきた人などさまざまな人たちが来てくれました。
あっというまの1時間半。
藤本さんのこれまでの活動やいくつかの地域での具体的な話、
とてもおもしろかったです。そこにあるけどとりあげられてない何かを、
目に見えるかたち、手にとれるかたち、参加できるかたちに
編集してつくりあげる。編集って魔法みたいだなとふと思いました。
小豆島で暮らして12年経ち、小豆島カメラやHOMEMAKERSの活動を通して、
お金は全然貯まってないけれど、人のつながりパワーはすごくできた。
お金がなくても、何かできそうな気さえしてしまう。
何しましょうか(笑)。
何かをしたいと思ったときに、力を貸してくれる人たち、
来てくれる人たち、本当にありがたいです。
それはお金で買えるものじゃないと思っています。
こういう人たちがまわりにいてくれるから、わたしが不完全な状態で、
70%くらいの準備で物事を進めていこうとしても、
なんとかなっているんだなぁとしみじみ思いました。
甘えられる人がいること、助けてくれる人がいることに感謝し、
私も寛容でありたいし、できる限り受け入れたい。
この未来を、小豆島カメラを立ち上げた写真家のMOTOKOさんが、
10年以上前に思い描いていたならば、それは本当にすごいことです、
MOTOKOさん。
最後の最後に、小豆島カメラの活動を1番サポートしてくれているのは、
うちの三村拓洋さんですね。
写真展のパネルを夜遅くまで施工し、イベント当日の夜ごはんも
愛を込めてつくってくれてありがとうございます。
2024年も本当にたくさんの人にお世話になりました。
来年もみなさんにとっていい年になりますように。
どうぞよいお年を。
information
Feature 特集記事&おすすめ記事