連載
posted:2022.1.10 from:香川県小豆郡土庄町ほか genre:暮らしと移住 / アート・デザイン・建築
〈 この連載・企画は… 〉
海と山の美しい自然に恵まれた、瀬戸内海で2番目に大きな島、小豆島。
この島での暮らしを選び、家族とともに移住した三村ひかりが綴る、日々の出来事、地域やアートのこと。
writer profile
Hikari Mimura
三村ひかり
みむら・ひかり●愛知県生まれ。2012年瀬戸内海の小豆島へ家族で移住。島の中でもコアな場所、地元の結束力が強く、昔ながらの伝統が残り続けている「肥土山(ひとやま)」という里山の集落で暮らす。移住後に夫と共同で「HOMEMAKERS」を立ちあげ、畑で野菜や果樹を育てながら、築120年の農村民家(自宅)を改装したカフェを週2日営業中。
https://homemakers.jp/
2022年が始まりました。
寒い日もありますが、小豆島では穏やかな冬時間が流れています。
農家である私たちにとって、農閑期であるこの時期は
大事な休息期間でありメンテナンス期間。
家の気になるところを直したり、働く環境を整備したりしています。
さて、2022年!
今年は〈瀬戸内国際芸術祭2022〉(以下、瀬戸芸)が開催されます。
瀬戸芸は、3年に1度開催される現代アートイベントで、
小豆島も含めた瀬戸内海の12の島と、その島々と本州、四国をつなぐ
ふたつの港が舞台となります。2010年に第1回目が開催され、今回で5回目です。
私たちは小豆島に移住する前、2010年の瀬戸芸のときに
小豆島と豊島(てしま)を訪れました。瀬戸芸のアートを見に行こうと、
それまで足を運んだことがなかった田んぼや古い民家へ。
そこで見た風景や、感じた空気感がすばらしくて、
小豆島ってこんないいところなんだなぁと思ったことを覚えています。
この思いがのちに小豆島に移住するきっかけのひとつとなりました。
5回目となる瀬戸芸2022は、前回同様、春・夏・秋の3会期に分けて開催されます。
会期によって公開される作品や会場が変わるので、
公式サイトでチェックしてみてください。
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島で暮らしている私たちにとって、瀬戸芸がどんな存在なのか。
立場によって感じ方はさまざま。
飲食業や観光業など場所を開き、商売をしている人にとっては、
たくさんの方が島を訪れてくれるのはうれしいことですが、
田舎で静かに暮らしている人にとっては、
いままで外の人が訪れることがなかったような場所に人が入り込んでくるということは、
落ち着かなくてなんとなくざわついてしまうし、
自分の畑に勝手に誰かが入ってきて写真を撮ってたりしたら、それは嫌ですよね。
そういう小さなひとつひとつの出来事が、瀬戸芸の印象を
良いものにも悪いものにもしてしまうんだと思います。
私が個人的に楽しみにしているのは、
おもしろいアーティストの方や企画をされている人たちに会えること。
いままでも瀬戸芸を通してつながったすてきな方たちがたくさんいます。
そんな方々と出会い、いつもにはない刺激をもらったり、
さらに何か新しい企画やプロジェクトにつながったり、
今年はどんなことがあるかなと、ちょっとワクワクしています。
それと瀬戸芸をきっかけに、普段訪れることがなかなかない島にも
行ってみたいなと思っています。
と、毎回思いながらほとんど行けてない(涙)。
今年こそはと思いつつ、ちゃんと計画しないとだめですね。
開催期間中は、臨時航路の運航があって、
例えば普段小豆島から直島や犬島には直接行けないのですが、
直行便の船が運航されます。いい機会なんです。
島で暮らす私たちにとっても、やっぱり瀬戸芸って楽しみだったりします。
島の多くの人にとってそうであるために、丁寧なコミュニケーションをとること、
ルールを設けて守ることが大切だなと思います。
瀬戸芸2022は4月14日開幕。
みなさん、ぜひ今年は瀬戸内への旅の計画してみてください。
アートを楽しみながら島めぐり、いいですよねぇ(私もしたい!)。
穏やかで美しい瀬戸内海の風景と気持ちのいい空気があります。
information
瀬戸内国際芸術祭2022
春会期:2022年4月14日(木)~5月18日(水)
夏会期:2022年8月5日(金)~9月4日(日)
秋会期:2022年9月29日(木)~11月6日(日)
会場:直島、豊島、女木島、男木島、小豆島、大島、犬島、沙弥島(春)、本島(秋)、高見島(秋)、粟島(秋)、伊吹島(秋)、高松港周辺、宇野港周辺
Web:瀬戸内国際芸術祭2022
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