連載
〈 この連載・企画は… 〉
海と山の美しい自然に恵まれた、瀬戸内海で2番目に大きな島、小豆島。
この島での暮らしを選び、家族とともに移住した三村ひかりが綴る、日々の出来事、地域やアートのこと。
writer profile
Hikari Mimura
三村ひかり
みむら・ひかり●愛知県生まれ。2012年瀬戸内海の小豆島へ家族で移住。島の中でもコアな場所、地元の結束力が強く、昔ながらの伝統が残り続けている「肥土山(ひとやま)」という里山の集落で暮らす。移住後に夫と共同で「HOMEMAKERS」を立ちあげ、畑で野菜や果樹を育てながら、築120年の農村民家(自宅)を改装したカフェを週2日営業中。
https://homemakers.jp/
2021年も残り数日となりました。
1年365日、今年もほぼ毎日野菜と向き合って過ごしてきました。
種をまき、苗を植え、手入れをして、収穫……。
ふと、「私たちいったい何種類の野菜を育てているんだろう?」と
そんな思いが頭の中に。
年間だいたい100品種ほどの野菜を育てているのですが、
ちゃんと数えたらいくつになるんだろう。
ちょうどいいタイミングなので、今回は2021年の総まとめ、
私たち〈HOMEMAKERS(ホームメイカーズ)〉が
この1年で育てた野菜全品種を公開します。
2021年1月からシーズン別に見ていこうと思います。
1年に何度も栽培している野菜もあるので、それは1品種としてカウント。
ちなみに、品種というのは、
〈あやめっ娘大根〉〈三太郎大根〉〈宮むらさき大根〉など、
大根でもいろいろな種類があって、そのひとつひとつのことで、
たとえばうちでは4品種の大根を育てています。
大根、にんじん、キャベツなどという、いわゆる野菜の名前は「品目」といいます。
今回は品種を見ていきます。
1年の中で一番寒い時期。冬野菜シーズン真っ最中です。
水分の多い野菜は寒い時期に自分自身が凍ってしまわないように
糖度を増して凍らないように寒さ対策をします。
だから寒さは野菜の甘さを増す重要な要素なんです。
寒さのなかでゆっくりと野菜が育ちます。
あやめっ娘大根
三太郎大根
宮むらさき大根
紅くるり大根
黒田五寸にんじん
バイオレットハーモニーにんじん
パープルターゲットにんじん
ブロッコリー
オレンジカリフラワー
紫カリフラワー(紫雲)
白菜
芽キャベツ
紫キャベツ
子持ち高菜
春菊
ほうれん草
金時草
フェンネル
パクチー
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まだ寒い日が多いですが、立春を境に畑の様子が変わります。
それまで冬眠していた(くらいじっとしてた)野菜たちが動き出す感じ。
にんじんや大根など冬野菜が終わりに近づき、春夏野菜の準備が始まります。
この時期楽しみなのが「ナバナ」。
白菜やキャベツ、チンゲンサイなど
いろいろなアブラナ科の野菜が花を咲かそうと茎を伸ばします。
その伸びた部分がナバナ。ちょっとの苦味と甘みが最高。
茹でるだけでおいしい一品に。
3月中旬になるとようやく待ちに待った「新玉ねぎ」の収穫スタート!
春の味を楽しむ時期。
紅菜苔(こうさいたい/紫ナバナ)
チンゲンナバナ
アンチョビ菜ナバナ
ケールのナバナ
新玉ねぎ
春キャベツ
ワケギ
冬野菜が終わり、夏野菜の収穫が本格的に始まるまでのこの期間は、
収穫できる野菜の種類が1年のうちで最も少ない時期です。
種類は少ないですが、ルッコラや赤リアスからし菜などリーフ野菜は元気!
新玉ねぎのスライスやラディッシュ、レタスなどと混ぜれば
華やかな春のリーフサラダの完成。
レッドサラダボウルレタス
美味タス(レタス)
カナリーノレタス
フレックルズロメインレタス
赤紫水菜
赤リアスからし菜
ルッコラ
紫小松菜
スイスチャード
エンダイブ
ラディッシュ
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5月中旬頃になると夏の野菜が採れ始めます。
夏野菜第1弾はズッキーニ! 夏が始まるなぁといつも感じさせてくれます。
大きくなる前に摘果した小さなトウモロコシ「ヤングコーン」、
生でも食べられるかぼちゃ「コリンキー」、
春のじゃがいもやいんげん豆など、野菜の種類が一気に増えます。
そして6月は「梅仕事」のシーズン。
アンデスレッド(春ジャガイモ)
シャドークイーン(春ジャガイモ)
ノーザンルビー(春ジャガイモ)
赤玉ねぎ
インゲン 丸さや
インゲン 平さや
ズッキーニ
花ズッキーニ
コリンキー
ヤングコーン
梅
太陽のパワーが日に日に強くなっていきます。夏です!
この時期の畑は完全夏モード。
みんな大好き「トウモロコシ」にトマトにナスにキュウリ。
ビビッドな夏野菜たちに元気をもらいます。
トウモロコシ
ゴールデン・グレープトマト
タイ・ピンク・エッグトマト
ブラックプラムトマト
ブラックチェリートマト
シンディースイートトマト
アトキンソントマト
ワイルドチェリートマト
越前水なす
真黒(千両なす)
長なす
緑なす
トマトフルーツピーマン
ミニチョコレートベルピーマン
ジャンボピーマン
四葉キュウリ
ミニキュウリ(黒さんご)
丸オクラ
赤オクラ
タイガーメロン(マクワウリ)
金太郎(マクワウリ)
大葉(しそ)
赤紫蘇
モロヘイヤ
空芯菜
オカノリ
バターナッツかぼちゃ
ホーリーバジル
スイートバジル
レモンバジル
タイバジル
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少しずつ空気が秋らしくなっていきます。
セミの鳴き声が小さくなり、畑で赤トンボを見かけるように。
夏野菜の旬が終わり、畑は冬野菜への切り替え時期。
春に続き、この時期も野菜が少なくなります。
そんなときにたくさん採れるのが「四角豆」や「三尺ささげ豆」。
それから春に植えた生姜やさつまいもの収穫が始まります。
三尺ささげ
四角豆
新生姜
紅はるかサツマイモ
シルクスイートサツマイモ
ハロウィンスイートサツマイモ
紫イモ
サトイモ
スダチ
グリーンレモン
気温が下がり、少しずつ冬らしくなってきて、冬野菜が一気に採れ始めます。
11月の畑は緑の葉がわっさわさでうれしい。
美しいにんじんの葉や大根の葉、ケールにチコリも。
そしてレモンやダイダイなど柑橘のシーズンです。
レタサイ(白菜)
キャベツ
オータムポエムナバナ
ビーツ
白かぶ
赤かぶ
あやめ雪かぶ
日野菜かぶ
カージナルフレッシーニンジン
デジマ(秋ジャガイモ)
ながさき黄金(秋ジャガイモ)
小松菜
チンゲンサイ
ハルブホーヘルケール
レッドカーリーケール
レッドロシアンケール
Bear Necessitiesケール
チコリ
トレビス
レモン
マイヤーレモン
ダイダイ
さて、どれだけの品種があったでしょうか。
数えてみると、なんと111品種でした!
毎年新しい品種の栽培にチャレンジしたりして、少しずつ品種が変わりますが、
それでも1年で育てる品種や栽培のタイミングなどはだいぶ固まってきました。
これを育ててみたいと思っても、自分たちの土地や気候に合わないと
何回育ててもうまくいかないことがあります。
それなら今度はこれを育ててみよう。そんなことを繰り返しながら、
いまのホームメイカーズの野菜のバリエーションができあがってきました。
自分たちが食べる野菜を育てたい! その思いから始まった農業。
うちは極小農家ですが、それでも自分たちのまわりの
100世帯くらいが1年間に食べる野菜を育てられたら、
ちょっとは日本の食料自給率向上に貢献できるかなと思ったり(笑)。
私たちが育てる野菜を食べることで応援してくださる皆さまに感謝し、
来年もまた野菜を育てていきます。
それでは皆さん、2021年ありがとうございました。
来年も「小豆島日記」をどうぞよろしくお願いいたします。
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