連載
〈 この連載・企画は… 〉
海と山の美しい自然に恵まれた、瀬戸内海で2番目に大きな島、小豆島。
この島での暮らしを選び、家族とともに移住した三村ひかりが綴る、日々の出来事、地域やアートのこと。
writer profile
Hikari Mimura
三村ひかり
みむら・ひかり●愛知県生まれ。2012年瀬戸内海の小豆島へ家族で移住。島の中でもコアな場所、地元の結束力が強く、昔ながらの伝統が残り続けている「肥土山(ひとやま)」という里山の集落で暮らす。移住後に夫と共同で「HOMEMAKERS」を立ちあげ、畑で野菜や果樹を育てながら、築120年の農村民家(自宅)を改装したカフェを週2日営業中。
https://homemakers.jp/
11月になり、だいぶ秋らしくなってきました。
食卓に並ぶ野菜も、大根、にんじん、かぶなどの
根菜類やその葉っぱなど、秋冬モードに。
そんな時期に食べたくなるのが、焼きいも!
最近はコンビニでも、おでんや肉まんなどと一緒に焼きいもが並んでるそう。
「熟成 紅はるかの焼きいも」なんて書かれるとついつい食べたくなってしまいますよね。
ところで、〈紅はるか〉って何でしょ?
ブランドの名前? 商品名?
さつまいもにはたくさんの種類があって、
紅はるかというのはさつまいもの品種名です。
最近では、国内で約60品種の栽培が報告されているそうです
(農林水産省のページ参照)。
それ以外にも、報告されていないもの、地域の在来種など、
細かく分ければもっとたくさんの種類のさつまいもがあるとされています。
さつまいもは、品種によって形や色、甘さや食感などが違います。
自分でさつまいもを栽培し販売するようになるまでは、
「さつまいも」というひとくくりでしか考えてませんでしたが、
同じさつまいもでも随分と違うもんだなぁと最近では思います。
その違いを知っておけば、さつまいもを選ぶときにちょっと役に立つかもしれません。
さつまいもは、食べたときの食感で分けると、よく言われるのが
「ほくほく系」「しっとり系」「ねっとり系」の3種類。
これ、誰が最初にそういう表現をしたのかわかりませんが、
うまいこと分けたなぁといつも思います。本当にそんな感じです。
【ほくほく系さつまいも】
水分が少なめで、口の中でほろりとほどける粉質、やさしい甘さのさつまいもです。
水分少なめなので、少しずつ口に入れてしっかり噛んでから飲み込まないと、
のどに詰まりそうになります(汗)。
昔ながらの焼きいもは、このほくほく系ですね。
最近は水分多めのねっとりとした食感の焼きいもが人気ですが、
でもやっぱりこのほくほく感が好きという人も多いかと。
有名な品種でいうと〈紅あずま〉〈鳴門金時〉などがあります。
香川県では〈坂出金時〉という品種が有名で、私たちも栽培したことがあります。
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【しっとり系さつまいも】
ほどよい水分量でなめらかな口あたり。
いきすぎない上品な甘さなので、いろんな料理に使いやすいです。
私の中でちょっと高級なイメージ。
がつがつ食べるというより、ひと口ずつそのなめらかさと
甘さを味わってほしい感じ(勝手なイメージです)。
代表品種は〈シルクスイート〉。
絹のようになめらかな舌ざわりということでその名がつけられています。
【ねっとり系さつまいも】
水分が多く、糖度も高いさつまいも。
加熱すると、ねっとりとした食感になり、スプーンですくって食べたり、
そのままパンにジャムのようにして塗って食べたりできます。
とにかく甘い! 最近流行りの蜜(糖分)たっぷりの「蜜芋」は、
このねっとり系さつまいも代表格の〈安納芋〉や〈紅はるか〉です。
私たちがメインで育てているさつまいもはこの紅はるかで、
何度もリピートで注文される方が多いさつまいもです。
焼くだけでおやつになるくらい甘いので、料理に使うと甘すぎてしまうこともあるかも。
というのが、それぞれの特徴です。
たとえば、ホクホクのお芋でさつまいもご飯にしようとか、
紅はるかをじっくり焼いてしっかり甘ーい蜜たっぷりの焼きいもをつくろうとか、
さつまいもの特徴を生かした食べ方ができると、
さつまいもをもっとおいしく楽しめると思います。
さてさて、今年もさつまいもがおいしい季節です。
まずは、焼きいも!(オーブンで40~60分くらい焼きましょう)
それから、さつまいもご飯もやっぱりおいしい。
そして、さつまいもの天ぷら~。
さつまいも料理、いろいろ楽しんでみてください。
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