連載
posted:2020.12.14 from:香川県小豆郡土庄町 genre:暮らしと移住
〈 この連載・企画は… 〉
海と山の美しい自然に恵まれた、瀬戸内海で2番目に大きな島、小豆島。
この島での暮らしを選び、家族とともに移住した三村ひかりが綴る、日々の出来事、地域やアートのこと。
writer profile
Hikari Mimura
三村ひかり
みむら・ひかり●愛知県生まれ。2012年瀬戸内海の小豆島へ家族で移住。島の中でもコアな場所、地元の結束力が強く、昔ながらの伝統が残り続けている「肥土山(ひとやま)」という里山の集落で暮らす。移住後に夫と共同で「HOMEMAKERS」を立ちあげ、畑で野菜や果樹を育てながら、築120年の農村民家(自宅)を改装したカフェを週2日営業中。
https://homemakers.jp/
この文章を書いている12月9日現在、小豆島では
新型コロナウイルス感染がいままでにない規模で広がっています。
昨日12月8日夜、「【新型コロナ】香川県で1日としては最多17人の感染確認、
全員が小豆島在住」というニュースが流れ、
ここ数日で一気に30人以上の方がPCR検査などの結果で陽性に。
正直こわいです。
小豆島ではこれまで、ひとり、ふたりという人数で
新型コロナに感染された方がいたのですが、
それ以上広がることはありませんでした。
日々ニュースを見ていて、東京や大阪は大変だなぁと他人事のように感じていて、
あまり島外には出かけないほうがいいかなと思っていましたが、いまは状況が一変。
突然やってきたこの状況にみんながあたふた。
島の中では、どこで発生した? 誰がなった?
病院はどうなってる? というコロナの話題ばかり。
小豆島に限らず、地方の狭いコミュニティの中では、
誰が誰とつながっている、誰と会っていたなんて情報はすぐに広がります。
今回の感染拡大に関して、誰が感染したのか、どこで広がったのかなど、
いまの段階では私は知りません。
でも情報の拡散力はすごくて、きっとすぐ伝わってくると思います。
とにかくいまは、正しい情報を得て、その情報をもとに
・自分たちが感染しないように気をつける。
・自分たちが感染を広げないように気をつける。
・やみくもにすべてを自粛しないで、いつもどおりやれることはやる。
ようにするしかないなと思っています。
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いま怖いと思うのは、自分や家族が感染し、重症化してしまうこともありますが、
それ以上に怖いのが私たちが感染を広げてしまうこと、
そのあとの狭いコミュニティの中での噂の広がりです。
「あの人たちはマスクをしてなかった」
「やっぱりあそこは観光客が来てたから感染が広がると思った」
感染対策が少しでも不十分なところがあれば、
きっとありもしないようなことまで言われて、
そんな噂が一気に広がってしまうんだろうなと。
都会と大きく違うのは、田舎というのはお互いのことをよく見ていて、知っていること。
スーパーに買物に行っても誰かしら知り合いに会うし、
病院に行っても看護師さんが知ってる人だったり、待合席で人に会ったり。
都会では不特定の感染者でも、田舎では感染した〇〇さんと、
すぐに特定されてしまうんですよね。
小豆島はまだ人口が3万人弱もいる大きな島なので、
お互いのことを全員知っているわけではないですが、
より狭い島や地域では、それこそもっと強い差別や嫌がらせが
コロナ感染に関してあるのかもしれません。
そういうのは良くない。
そういう状況のなかに自分たちが入ってしまうことも、
そういう状況に触れて疲れてしまうことも良くない。
いまはポジティブに、自分たちができることをいつもどおりしようと思います。
島の中央病院は今日からしばらくの間、救急患者、発熱患者以外の外来診療は休止。
観光客の方を対象にしていた、帰りのフェリーが無料になる
「小豆島復路フェリー無料キャンペーン」も12月13日宿泊分から休止。
中国での新型コロナ発生のニュースを初めて見てから1年。
いま私たちが暮らす日本の小さな離島でそのウイルスが広がっています。
もうどこで暮らしていてもコロナは避けられなさそうです。
刻一刻と変わっていく状況をしっかり見つつ、
自分たちがどう行動したらいいか判断しながら、12月は過ごすことになりそうです。
information
HOMEMAKERS
住所:香川県小豆郡土庄町肥土山甲466-1
営業時間:土曜のみ 11:00~17:00(L.O. 16:00)*冬季休業(2020年の営業は12月19日まで)
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