〈 この連載・企画は… 〉
海と山の美しい自然に恵まれた、瀬戸内海で2番目に大きな島、小豆島。
この島での暮らしを選び、家族とともに移住した三村ひかりが綴る、日々の出来事、地域やアートのこと。
writer profile
Hikari Mimura
三村ひかり
みむら・ひかり●愛知県生まれ。2012年瀬戸内海の小豆島へ家族で移住。島の中でもコアな場所、地元の結束力が強く、昔ながらの伝統が残り続けている「肥土山(ひとやま)」という里山の集落で暮らす。移住後に夫と共同で「HOMEMAKERS」を立ちあげ、畑で野菜や果樹を育てながら、築120年の農村民家(自宅)を改装したカフェを週2日営業中。
https://homemakers.jp/
ジンジャーエールってどうやってつくるか知ってますか?
それこそ私は小豆島に引っ越してくるちょっと前まで、
ジンジャーエールの「ジンジャー」が生姜ってことにさえ気づきませんでした。
気づかなかったというか、ジンジャーエールが何でできているのか気にもならず、
ただ少し辛めのおいしい炭酸ドリンクとして飲んでました。
いつの頃からか、自分たちが口にするものがどうやってできているのか、
どんな素材を使っているのか気になるようになり、
できるものは自分でつくってみるように。
いまはなんでもかんでも完成品が売られているので、
あまり気にせずそういうものとして食べている。
でも考えてみたら、はじめからジンジャーエールっていう液体が
世の中に存在してるわけもなく、カレーだって、お味噌だって、
いくつかの食材を加工してつくりあげたもの。
ひとつひとつの素材を知って、自分の手でつくるのっておもしろいんですよね。
手間と時間はかかるけど、そうやってつくることを楽しめるっていいなと思うんです。
さて、話は戻って「ジンジャーエール」はどうやってつくるか。
ジンジャーエールの主役はジンジャー! そう、生姜です。
生姜、砂糖、スパイス、レモンなどの柑橘果汁、水を合わせて煮て、
ジンジャーエールの素とでもいうようなシロップをつくります。
それを炭酸水で割ればジンジャーエールの完成!
素材さえそろえれば、つくるのはそんなに難しくないんです。
素材の分量や、使う砂糖やスパイスの種類、生姜の切り方などによって
味が変わってくるので、それがまた自家製ジンジャーエールの楽しみだったりします。
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ちなみにイギリスでは1700年代中頃から「ジンジャービア」とよばれる、
砂糖、水、生姜、唐辛子などにジンジャー・ビア・プラントという微生物を加えて
ビンの中で発酵させる飲みものがつくられていて、
これがジンジャーエールの原型とも言われています。
生姜の辛味が強い味わいの微炭酸ドリンクで、
健康飲料として子どもから大人まで飲んでいたそう。
これもいつかつくってみたいなと気になってます。
この冬、私たち〈HOMEMAKERS〉では、おうちでジンジャーシロップをつくれる
〈ジンジャーシロップメイキングキット〉をつくりました。
2年くらい前からこういうセットをつくりたいねと話していて、今年ようやく実現。
小豆島で育てた生姜とレモン、それからいつも私たちが使っている
オーガニックスパイスが入っています。
オリジナルのレシピカードもつくりました。
このセットでシロップをつくってくださった方から、
さっそくこんなメッセージをいただきました。
「ジンジャーシロップつくりました。
調理段階からとってもいい香りですでに幸せで。
でき上がりはとってもスパイシーでとってもおいしいです。
(レモンの)皮がもったいなかったのでシロップ煮込んでいる間に
レモンカードつくりました。目も心も幸せな時間でした。
ありがとうございました」
つくる時間を楽しんでもらえたらいいなと思っていたのですが、
もうまさにそれ以上な感じで、なんだかとてもうれしくなりました。
自分の手でつくることの楽しさや喜びを味わう。
あらためて私たちが大切にしたいことだなと感じました。
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