〈 この連載・企画は… 〉
海と山の美しい自然に恵まれた、瀬戸内海で2番目に大きな島、小豆島。
この島での暮らしを選び、家族とともに移住した三村ひかりが綴る、日々の出来事、地域やアートのこと。
writer profile
Hikari Mimura
三村ひかり
みむら・ひかり●愛知県生まれ。2012年瀬戸内海の小豆島へ家族で移住。島の中でもコアな場所、地元の結束力が強く、昔ながらの伝統が残り続けている「肥土山(ひとやま)」という里山の集落で暮らす。移住後に夫と共同で「HOMEMAKERS」を立ちあげ、畑で野菜や果樹を育てながら、築120年の農村民家(自宅)を改装したカフェを週2日営業中。
https://homemakers.jp/
小豆島に移住してこの10月で丸8年!
随分と時間が経ったものだとびっくりします。
暮らし始めた頃は30代だった私たち夫婦は40代となり、
いろは(娘)はティーンエイジャーに。青春真っ只中です。
毎日毎日少しずついろんなことを積み重ねてきて、
引っ越してきたばかりの頃にはまったく存在しなかったものやことが、
いまここにはあります。
〈HOMEMAKERS〉というチーム自体もそうだし、
私たちが育てた野菜、野菜を育てている畑の風景、
カフェ、日々のここでのやりとり、すべてがこの8年かけてつくりあげてきたもの。
そう考えるとなんだか感慨深い。
積み重ねてるなんて普段は意識してないですが、
ふと振り返ると一日一日の積み重ねでいまがあるんですよね。
2014年2月にオープンした〈HOMEMAKERSカフェ〉も
試行錯誤しながら営業を続けています。
週に1日(土曜日のみ)しか開かないカフェですが(笑)。
時間をかけてカフェという場を育てていくことは、
新たに立ち上げるのと同じくらいパワーがいります。
瞬発力みたいなうぁっと一瞬で出し切るパワーじゃなくて、
途切れさせず出し続けていく力。
その時々のまわりの状況と自分たちの状況に合わせて、
少しずつスタイルを変えながら続けています。
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カフェのオープン当初からずっとつくり続けてるのが、
いろんなスパイスを組み合わせてつくるカレー。
たくちゃん(夫)がいつもせっせと仕込んでいます。
6年間のカレーの変遷はこんな感じ。
いやー、変わっていってるなぁ。
最初はサラダとカレーを別のお皿で出してました。
ときどきドライカレーをつくったりもしてました。
4年目くらいからひとつのお皿にカレーとご飯とサラダを盛るように。
見た目はもちろんですが、使ってるスパイスの種類やスパイスの使い方も変わっていて、
本を読んだり、人から聞いたりしながら、
たくちゃんのカレーは少しずつ進化していってます。
「継続は力なり」ってほんとそうだなと思います。
カレーの具材はその時々で変わります。
定番のチキンカレーやポークキーマカレーは安定のおいしさ。
瀬戸内海でとれる旬の魚介を使ったカレーも登場します。
タコやエビなどが入ると、ぐっと香りも味もいつもと違うカレーになります。
それからなんといっても農家であるHOMEMAKERSがつくるカレーには、
たっぷりの野菜がついてきます。
最初はカレーライスとサラダを別々のお皿に持っていましたが、
最近はお皿の真ん中にごはん、両サイドにカレーとサラダを盛るようにしています。
野菜はもちろんすべて自分たちが育てたもの。
そのとき採れる野菜を使うので毎週変わります。
例えば最近(10月上旬)だと、
ルッコラ
赤リアスからし菜
カナリーノレタス
シャドークィーンポテトのロースト
安納芋の大学芋
オクラのクミンシード和え
金時草(きんじそう)のマヨネーズ和え
赤玉ねぎのピクルス
コリンキーと赤玉ねぎのマリネ
マクワウリ
10種類ほどの野菜を使っています。
ルッコラやレタスなど生のままのものもあれば、
茹でたり、ローストしたり、和えたり、ひと手間加えていろんな味を楽しめるように。
週に1度開くカフェのためにカレーやサラダを仕込む。
毎週新たな作品をつくっているような感じ。
季節によってどんどん野菜が変わっていくから、
まったく同じカレー&サラダのひと皿はないんじゃないかと思う。
それが私たち自身毎週楽しみだったりします。
変わり続けるHOMEMAKERSカフェのスパイスカレー、
ぜひ食べに来てくださいね。土曜日にお待ちしてます。
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