連載
posted:2019.12.23 from:愛知県岡崎市 genre:暮らしと移住
〈 この連載・企画は… 〉
海と山の美しい自然に恵まれた、瀬戸内海で2番目に大きな島、小豆島。
この島での暮らしを選び、家族とともに移住した三村ひかりが綴る、日々の出来事、地域やアートのこと。
writer profile
Hikari Mimura
三村ひかり
みむら・ひかり●愛知県生まれ。2012年瀬戸内海の小豆島へ家族で移住。島の中でもコアな場所、地元の結束力が強く、昔ながらの伝統が残り続けている「肥土山(ひとやま)」という里山の集落で暮らす。移住後に夫と共同で「HOMEMAKERS」を立ちあげ、畑で野菜や果樹を育てながら、築120年の農村民家(自宅)を改装したカフェを週2日営業中。
http://homemakers.jp/
いよいよ年末ですね。
2019年も残すところわずかになりました。
毎年この時期は野菜の収穫・出荷も多く、生姜の加工作業などもあり、
私たちはバタバタ。まさに師走。正月休みが待ち遠しい〜。
さてそんな年末、今回は私の故郷のことを書こうと思います。
私はすっかり小豆島の人として、小豆島での日々のことを書き続けているわけですが、
生まれは愛知県の岡崎市というまちです。
岡崎市というと、徳川家康の生誕地、八丁味噌の産地、
自動車関連産業が盛んなまちなど、いろんなイメージがあると思います。
愛知県の真ん中あたりにあって、田舎でもなくて、
かといって大都市でもない地方のまち。
2030年くらいまでは人口がゆるやかに増えていくと予測されていて、
人がたくさんいる元気で豊かなまちなんじゃないかなと思います。
地元の高校を卒業し、岡崎を離れて20年以上になりますが、
昨年から〈岡崎カメラがっこう〉という企画を通して
岡崎に関わらせていただいています。
私が岡崎出身だと知っていた知人が声をかけてくれたのがきっかけで昨年から始まり、
今年で2年目になります(経緯の詳細は、こちらの記事を読んでくださいね)。
岡崎カメラがっこうは、カメラを片手にまちをめぐり、まちの人たちと話し、
まちの人の写真を通じて岡崎の魅力を発信・再発見するプロジェクトです。
私が小豆島で活動している〈小豆島カメラ〉と共通する部分が多く、
その経験を踏まえて、どんな思いでどんなふうに活動してるかを伝えながら、
カメラの使い方なども含めてお話したり、一緒にまちを歩いて撮影したりしています。
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いまこのまちで何が起こっているのか、岡崎ってどんなまちなのか、
20年以上も岡崎を離れていた私はほとんど何も知らず。
そもそも岡崎ってこういうまちで、こんないいところがあるよ!
なんてことを考えたこと自体、いままでなかった気がします。
そうなんです、自分が生まれ育ったまちって、
風景もお店も人も、そこにあるすべてが当たり前で、
あらためてその良さだったりありがたさを考えることってほとんどないんですよね。
だから岡崎カメラがっこうの活動を通して岡崎のことを知ろうとしているのは、
まさに私自身だったりします。
岡崎を離れて20年経ったいま、あらためて関わるようになって、
あー、岡崎ってこんなまちなんだなぁ、
おもしろい人たちがたくさんいるんだなぁと感じています。
空きビルを改修したカフェ、昔からある製造メーカーの職人さん、
まちのなかにぽつぽつとあるお寺、まちの真ん中を流れる乙川(おとがわ)の風景。
中心市街地から少し離れれば、里山が広がり、そこにある農園での営み。
カメラを持って人に会いにいき、話すことで少しずつ見えてきた私のふるさとのまち。
見えてきただけじゃなくて、このプロジェクトの参加者やスタッフのみなさんと一緒に
まちを歩いたり、農園でごはんをつくって食べたりすることで、
商店街をみんなで楽しく歩いている風景、
美しい里山の農園でテーブルを並べてごはんを食べてる風景、
そんな新たな風景を生み出しています。
「このまちがこんなふうになっていくといいな」っていう3歩先の未来を想像しながら。
人口減少、高齢化にともない、日本の地方のまちではいろんな変化が起こっています。
そんな変化の時期に始まった、岡崎カメラがっこうプロジェクト。
カメラを持ってまちを歩く。
魅力を探しながら、変わっていくまちを記録し、
すてきな風景を自分たちでつくっていけたらいいなと思います。
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