〈 この連載・企画は… 〉
海と山の美しい自然に恵まれた、瀬戸内海で2番目に大きな島、小豆島。
この島での暮らしを選び、家族とともに移住した三村ひかりが綴る、日々の出来事、地域やアートのこと。
writer profile
Hikari Mimura
三村ひかり
みむら・ひかり●愛知県生まれ。2012年瀬戸内海の小豆島へ家族で移住。島の中でもコアな場所、地元の結束力が強く、昔ながらの伝統が残り続けている「肥土山(ひとやま)」という里山の集落で暮らす。移住後に夫と共同で「HOMEMAKERS」を立ちあげ、畑で野菜や果樹を育てながら、築120年の農村民家(自宅)を改装したカフェを週2日営業中。
http://homemakers.jp/
お正月ボケからようやく復帰し、またいつも通りのばたばたした日々を過ごしています。
2018年もどうぞよろしくお願いいたします。
昨年末、とても久しぶりに東京に行ってきました。
〈HOMEMAKERS〉の野菜を使ってくださっているお店へご挨拶に。
日暮里駅で降りて、谷中銀座を歩き、細い脇道に入っていくと、
〈TAYORI〉というお店があります。お惣菜とお弁当と珈琲のお店です。
TAYORIの北川瑠奈さんとの出会いは2年前の冬。
私たちが谷中を訪れお会いし、その翌年の夏には
北川さんが小豆島に遊びに来てくれました。
数日間小豆島に滞在し、私たちを含めた
島のいろいろな生産者さんに会いに行き、島の食材リサーチ。
その食材を使って、〈HAGISO〉というスペースで「旅する朝ごはん」をコンセプトに、
小豆島の食材を使った「HAGI morning」を企画してくれました。
そんな流れの中で、去年6月TAYORIがオープンしました。
TAYORIのコンセプトは「食の郵便局」。
日本各地の地域性を反映する野菜や加工食品、調味料を「つくる人」と、
谷中で暮らす&谷中を訪れる「食べる人」の間にあって、
食を通じたコミュニケーションの場。
「たより」という言葉にはいろんな意味が含まれていて、
・「つくる人」からの食の「便り」をその想いとともに編集して
「食べる人」にお惣菜やお弁当として届けること
・「食べる人」からの感謝の手紙(=便り)を受け取り、「つくる人」に送ること
・「つくる人」と「食べる人」の健全な関係性を築き、安心して食べられる食材を使った
日常の食事を提供することで、地域の「頼り」となること
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一方的に野菜を届けるだけじゃなくて、野菜を食べてくれる人、
野菜を使ってくれている人からの感想や意見をちゃんと聞いて、
それを励みにしたり、意見をもとに何かを変えたり、
そんな循環をもっと回していきたいなと思いました。
そうすることで、つくる人の反対側にいる食べる人じゃなくて、
ひとつの輪の中にいる、つくる人と食べる人であったほうがいいなぁと。
そうはいってもやっぱり日々の農作業やその他いろんなやることに追われて、
食べてくれる人と直接コミュニケーションをとれる機会は少ないので、
TAYORIという場所、仕組みはとてもありがたい存在。
今年はこのTAYORIを拠点に(個人の野菜宅配だと送料や梱包資材などもったいないので)
野菜の共同購入みたいなこともできたらいいね! と北川さんと話しました。
また詳細はお知らせします。お楽しみに!
というわけで、今年も野菜を一生懸命育てます。
そして食べてくれる人たちとのやり取りをもっと大切にしたいなと思っています。
テーマは循環!
さぁ、今日も畑に行ってきます。
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