連載
posted:2017.4.24 from:香川県小豆郡土庄町 genre:暮らしと移住
〈 この連載・企画は… 〉
海と山の美しい自然に恵まれた、瀬戸内海で2番目に大きな島、小豆島。
この島での暮らしを選び、家族とともに移住した三村ひかりが綴る、日々の出来事、地域やアートのこと。
writer profile
Hikari Mimura
三村ひかり
みむら・ひかり●愛知県生まれ。2012年瀬戸内海の小豆島へ家族で移住。島の中でもコアな場所、地元の結束力が強く、昔ながらの伝統が残り続けている「肥土山(ひとやま)」という里山の集落で暮らす。移住後に夫と共同で「HOMEMAKERS」を立ちあげ、畑で野菜や果樹を育てながら、築120年の農村民家(自宅)を改装したカフェを週2日営業中。
http://homemakers.jp/
小豆島に引っ越してきてから始めたこと。
農業もそうだし、カフェもそう。
軽トラマニュアル車の運転もこっちに来てからするように(笑)。
それまでの暮らしでは体験しなかったことを、たくさんしています。
そんななかのひとつが、みそづくり!
今年でようやく3年目になります。
おみそにはいろんな種類がありますよね。
スーパーの棚には、田舎みそ、信州みそ、八丁みそ、白みそ、赤みそ、だしみそ……、
何種類ものおみそが。
その違いもよくわからず、いつもなんとなーく選んで買っていました。
おみそに対してはずっとそんな感じだったのですが、
小豆島で暮らすようになり、自分たちで野菜や調味料などいろいろつくるようになり、
自然とおみそもつくりたいなという気持ちになってきました。
といってもどうやってつくるかも知らず、ひとりではなかなかきっかけもなく、
何もしないまま1年、2年……。
そんなときに声をかけてくれたのが、近所の友人。
「おみそ一緒につくらへん?」
私が暮らしている地区には〈大鐸(おおぬで)味噌作り友の会〉という
有志のグループがあります。
主に婦人会のお母さんたちが参加していて、
毎年地元のお米でおみそをつくり、秋に開催される収穫祭で販売したり、
そのおみそを使ったおいしい豚汁をふるまってくれたりします。
そのグループが管理している共同のおみその加工場があり、
そこを貸してもらっておみそをつくることができます。
友人とふたりで、その場所を借りておみそをつくることに。
最初の年はつくり方がまったくわからず、味噌作り友の会のお母さんに、
それこそ手取り足取り教えてもらってつくりました。
私たちがつくるおみそは「米みそ」。
まずは蒸したお米に麹菌をふりかけ、米麹をつくります。
あ、お米はもちろん小豆島・肥土山産。
その米麹と煮た大豆、塩、大豆の煮汁を混ぜてミンチにして樽に詰めていきます。
あとは半年から1年待てば、おみそのできあがり。
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自分たちの手でつくったおみそは本当においしい。
うちはほぼ毎日おみそ汁を食べますが、地元のお米と、
畑で採れた野菜たっぷりのおみそ汁があれば、もうそれだけでごちそうです。
(料理が苦手な私にとって、おいしいおみそ汁は強い味方!)
畑を手伝いに来てくれてる友人たちとのお昼ごはんにもおみそ汁をよくつくるので、
自分たちや友人たちと食べる分全部合わせて年間25キロくらい。
みそづくり3回目となる今年もそれくらい仕込みました。
どうかおいしくできますように。
30年以上ほぼ毎日おみそ汁を食べてきたのに、
そのおみそがどうやってできるのかちゃんと知らずにいました。
なんでもスーパーで買える時代。
だからそのつくり方なんて知らなくても生きていけるわけだけど、
でもやっぱり知ってたほうがおもしろい。
実際につくってみたほうがおもしろい。ごはんが楽しくなる!
みそづくりはこれからも毎年続けていくつもりです。
肥土山で育ったお米、そのお米でつくったおみそ汁、
自分とこでつくった梅干し、畑で育てた野菜のサラダ。
そんな風にして、少しずつ食卓の自家製率をあげていけたらいいなと思います。
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