連載
posted:2017.1.30 from:香川県小豆郡土庄町 genre:暮らしと移住
〈 この連載・企画は… 〉
海と山の美しい自然に恵まれた、瀬戸内海で2番目に大きな島、小豆島。
この島での暮らしを選び、家族とともに移住した三村ひかりが綴る、日々の出来事、地域やアートのこと。
writer profile
Hikari Mimura
三村ひかり
みむら・ひかり●愛知県生まれ。2012年瀬戸内海の小豆島へ家族で移住。島の中でもコアな場所、地元の結束力が強く、昔ながらの伝統が残り続けている「肥土山(ひとやま)」という里山の集落で暮らす。移住後に夫と共同で「HOMEMAKERS」を立ちあげ、畑で野菜や果樹を育てながら、築120年の農村民家(自宅)を改装したカフェを週2日営業中。
http://homemakers.jp/
小豆島にはおもしろい人たちが次々に引っ越してきます。
カカオ豆を焙煎する人、豚を育ててる人、カフェを営んでいる人……。
先日もハーブティをつくられてる方から連絡があり、
この2月に小豆島に引っ越してくるそう。
ほんとにおもしろい人たちがいっぱいで、
この連載でももっともっと紹介したいなと思っています。
そんな外から来た人たちと島の人たちが一緒になって、
この1月に期間限定でオープンしたのが小豆島初の「クライミングウォール」。
私がずっと挑戦してみたかった「ボルダリング」を楽しめる場所です。
ボルダリングというのは、クライミングの一種で
ロープを使わずに身ひとつで登っていくスポーツです。
山や川、海など自然の中にある岩(ボルダー)を登ったり、
ボルダリングジムなどの人工的につくられた壁を登ったりします。
この施設はたくさんの人たちの手によって実現したのですが、
主体となって企画されたのが、数年前に移住されてきた渡部勝之さんと
去年移住されてきた渡利知弘さん。
渡部さんは、土庄町役場に「町の課題をスポーティに解決する」プロジェクト
(愛称トノショーチョースポーティプロジェクト)を持ちかけ、
町役場と島民が運営する団体〈小豆島スポーティサービス〉の発起人です。
これまで、プロバスケットボールチーム球団運営経験を生かして、
プロ球団の小豆島でのキャンプや、子ども向けのイベント
「小豆島スポーツパーク」などを企画する、いわばスポーツの仕掛け人。
一方、渡利さんは20年以上登り続けているクライマーであり、家具職人。
実はちょうど1年前の冬に東京のイベントでお会いし、
「近いうちに小豆島に移住しようと思っていて家を探しに行きます」
という感じのお話をしたような。
奥さまのみきさんとご夫婦で小豆島に引っ越してこられました。
その渡部さんと渡利さんがタッグを組んで完成したのが今回のクライミングウォール。
小豆島スポーティサービスのプロジェクトとして、
島で暮らす人々がスポーツを楽しむ場がつくられました。
Page 2
サッカーや野球、バレーボール、自転車、マラソンなど
いろんなスポーツがあるけれど、今回どうしてボルダリングなのか。
それには理由が3つあって、ひとつ目は、ひとりで楽しめるということ。
何人か集まってチームをつくらないとできないスポーツじゃなくて、
子どもでも大人でも自分ひとりでさっとはじめられる。
ふたつ目は、「登る」という遊びを好きなだけやれるように。
それこそ昔は自然の中で斜面や岩、木に登ったり、
住宅地でもフェンスやマンションの壁を登ったり。
いまはそういうことが危ないとかいろんな理由でなかなかできなくなってる。
でも登るってとてもシンプルな遊びであり運動でもある。
ここに来れば好きなだけ登れる。
3つ目は、渡利さんというクライマーがいて、ボルダリングできる場所を
島でつくりたいという強い思いを持っていたから。
そんな思いからつくられたクライミングウォール。
オープン初日の2日間で610人もの人たちが来たそう。
私たちも行きましたが、大人も子どももいて、自由にワイワイしていて、
でも完全にバラバラなんじゃなくて壁を登るっていう共有しているものがあって、
とてもいい雰囲気でした。
渡部さんの言葉をお借りすると、
「みんなの楽しみを増やす」
「サードプレイスとしての交流の場」
「ひとりで来てもめっちゃ楽しい場所」
まさにそんな場所。
このクライミングウォールは、2月11日までの期間限定です。
町の施設としては終わりになってしまいますが、実はもう少ししたら
渡利さん個人がクライミングウォールのある遊べる場をオープンするそうです。
また島に楽しい場ができると思うとワクワクします。
そして小豆島スポーティサービスの活動も始まったばかりで
今後も町の課題をスポーティに解決していってくれると思います。
今年も小豆島では新しい動きがたくさんありそうです!
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