連載
posted:2016.10.12 from:高知県高知市 genre:暮らしと移住
〈 この連載・企画は… 〉
海と山の美しい自然に恵まれた、瀬戸内海で2番目に大きな島、小豆島。
この島での暮らしを選び、家族とともに移住した三村ひかりが綴る、日々の出来事、地域やアートのこと。
writer profile
Hikari Mimura
三村ひかり
みむら・ひかり●愛知県生まれ。2012年瀬戸内海の小豆島へ家族で移住。島の中でもコアな場所、地元の結束力が強く、昔ながらの伝統が残り続けている「肥土山(ひとやま)」という里山の集落で暮らす。移住後に夫と共同で「HOMEMAKERS」を立ちあげ、畑で野菜や果樹を育てながら、築120年の農村民家(自宅)を改装したカフェを週2日営業中。
http://homemakers.jp/
小豆島から高知市内へは、フェリーと車で2時間半くらいで行けます。
ちょっとパワーはいりますが、それでもふらっと行けないこともない距離。
そんなわけで小豆島で暮らすようになり、高知へは何度か遊びに行っていますが、
一度訪れてみたかったのが、高知の〈日曜市〉。
毎週日曜日の朝から夕方まで、高知市内にある高知城の追手門から
約1.3キロにわたっていろんなお店が並びます。
野菜、魚、漬物からその場で食べられるお寿司やお餅、植物の苗もあったり。
その数400店以上!
以前写真で見た大きなシュロの木の下に並ぶお店の様子が、
どこかのアジアの国の市場みたいで、これは行ってみたいとずっと思っていました。
その日ははりきって早朝のフェリーに乗って小豆島から高松港へ。
島を一番早く出る船は、池田港から5時30分に出発します。
10月ともなるとまだ日の出前。
この時間の船に乗る時はいつもちょっとワクワクします。
フェリーで高松港まで行き、そこからは車です。
高速道路を走って、高知市内には9時前に到着。
そっさくお店が並んでいる「追手筋」という通りへ。
追手筋は高知市内の中心を走る4車線の大通り。
その片側2車線にずらーっと露店。
道路の真ん中に並ぶ大きなシュロの木。
写真で見ていたその風景を見て興奮!
暑さと人の熱気に汗かきながら、いろんなものに目移りしながら、
売り手のおばちゃんとお話しながら、欲しいなと思うものをひとつずつ買っていく。
あー、やっぱり「市」って楽しい。
Page 2
私が生まれ育ったのは愛知県の岡崎市というところなのですが、
そこにも〈二七市(ふないち)〉という市がありました。
子どもの頃、家族で一緒によく買い出しに行きました。
寒い冬の日に、かごにどっさり盛られたみかんやりんごを買ったのを覚えています。
小豆島でも毎年2回、春と冬に西光寺というお寺の参道で開かれる〈大師市〉や、
地元商工会主催のフェアが年に数回開かれています。
大師市は100年続く歴史のある市ですが、年々露店の数が減り、
いまは少し寂しい感じもします。
高知の日曜市に比べたら開催される頻度も規模も違いますが、
小豆島らしい規模感で、毎月とか毎週とかそういう頻度で開催される
「市」があるといいなぁと思ったりします。
そういう場や時間があることって、暮らす土地としてひとつの魅力だと思います。
実は小豆島では去年から新しい「市」が開かれています。
その名も〈小豆島日曜市〉。
その3回目が11月20日(日)に開催予定です。
まだ始まったばかりの「市」ですが、毎回たくさんの人で賑わっています。
すぐ横には公園、その先には海! と場所もよく、いつも子どもたちも楽しそうです。
地元のものを買える楽しさ。
地元の人と直接やり取りできる楽しさ。それが集まる「市」。
高知の日曜市にはまた行きたいなと思うし、
小豆島でもそんなふうに感じてもらえる「市」が続いていくといいなと思います。
information
HOMEMAKERS
Feature 特集記事&おすすめ記事