連載
posted:2015.9.7 from:香川県小豆郡土庄町 genre:暮らしと移住
〈 この連載・企画は… 〉
海と山の美しい自然に恵まれた、瀬戸内海で2番目に大きな島、小豆島。
この島での暮らしを選び、家族とともに移住した三村ひかりが綴る、日々の出来事、地域やアートのこと。
writer profile
Hikari Mimura
三村ひかり
みむら・ひかり●愛知県生まれ。2012年瀬戸内海の小豆島へ家族で移住。島の中でもコアな場所、地元の結束力が強く、昔ながらの伝統が残り続けている「肥土山(ひとやま)」という里山の集落で暮らす。移住後に夫と共同で「HOMEMAKERS」を立ちあげ、畑で野菜や果樹を育てながら、築120年の農村民家(自宅)を改装したカフェを週2日営業中。
http://homemakers.jp/
小豆島で暮らすようになってもうすぐ3年。
4回目の秋がやってきます。
先日、島の友人と「最近何かおもしろいことあった?」と
お互いの近況を話していたのですが、
はて、何か新しくておもしろいことあったかなと考えたものの、
ここ最近は毎週毎週ほぼ同じように働いていて、
目立っておもしろいことなんてあったかなと。
あれ、つまらない毎日になってる?
というわけではなくて、それはようやく自分たちの働き方が
かたちになってきたってことなのかも。
どうやって自分たちで仕事をつくっていくか。
3年前小豆島に引っ越してきたとき、漠然と思い描いていたことはありました。
畑をしよう、カフェをしよう、撮影やWeb制作などの仕事をしよう。
いろんなことを組み合わせて稼いでいこうと。
引っ越して早々に畑を始めました。
私たちには祖父の残してくれた畑があったので、まずはその畑を耕し、苗を植えました。
いまは新たに畑を借りたりして、年間約40品種くらいを栽培。
島内のレストランやカフェで野菜を使ってもらえるようになり、
毎週配達に行っています。
また野菜を定期的に購入してくださるお客さんも少しずつ増え、
毎週火、木に収穫、梱包して発送しています。
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引っ越して1年3か月後にカフェをオープン。
毎週金、土の2日だけ営業しています。
木曜の夜は農業からカフェモードへの切り替え。
仕込みと掃除でいつもほんとに大変です。
新しいメニューを考えたり、レイアウトをちょっとずつ変えたり、
やっぱりずっと同じじゃお客さんも自分たちも飽きちゃうわけで、
続けていくってこういうことなんだなとあらためて思います。
という感じで、毎週月〜木曜日は畑、金、土曜日はカフェ。
日曜日は予備日として溜まったあれこれをしたりお休みする日。
その大きな流れのなかに撮影の仕事があったり、こうして小豆島日記を書いていたり。
小豆島に来て3年経ってようやくそんな流れができつつあります。
そしていまはこの働き方でやっていけるのかどうか、日々収支をみながら、
この作業は効率化しようとか、こうしたら売れるんじゃないかとか、
ひとつひとつを見直していっています。
足りないこともたくさんあるので、追加もしていっています。
まだまだ私たちの生き方・働き方は組み立て途中で、
それは永遠に続いていくんだろうな。
「最近何かおもしろいことあった?」
すごく小さなことだけど、
「カフェのコーヒーチケットがようやくできた!」
「旬野菜セットに毎週畑の様子を知らせる写真を入れるようにした!」
そんな小さなことの積み重ねで、自分たちの働き方が組み立てられていくことが、
いまの私にとってはすごくおもしろい。
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