連載
posted:2014.11.3 from:香川県小豆郡土庄町 genre:暮らしと移住
〈 この連載・企画は… 〉
海と山の美しい自然に恵まれた、瀬戸内海で2番目に大きな島、小豆島。
この島での暮らしを選び、家族とともに移住した三村ひかりが綴る、日々の出来事、地域やアートのこと。
writer's profile
Hikari Mimura
三村ひかり
みむら・ひかり●愛知県生まれ。2012年瀬戸内海の小豆島へ家族で移住。島の中でもコアな場所、地元の結束力が強く、昔ながらの伝統が残り続けている「肥土山(ひとやま)」という里山の集落で暮らす。移住後に夫と共同で「HOMEMAKERS」を立ちあげ、畑で野菜や果樹を育てながら、築120年の農村民家(自宅)を改装したカフェを週2日営業中。
http://homemakers.jp/
credit
撮影:MOTOKO、古川絵里子、西川均
10月下旬、大阪。
その日は、オリンパスプラザ大阪にて小豆島カメラのトークイベント。
朝一で島を出て、大阪までやってきました。
「見たい 食べたい 会いたい」小豆島カメラ写真展、
7月のgrafでの展示から始まり、今年最後の展示がオリンパスプラザ大阪。
その展示と合わせて、今回トークイベントの機会をつくっていただきました。
この日のイベントには、なんとオリンパスイメージング株式会社の小川治男社長や、
FM802の土井コマキさんにもご参加いただきました。
こんな日が来るとは!
新大坂駅で少し時間があったので、カフェでひと仕事。
そこで、たまたまこんな記事を読みました。
秋田県庁が発行するフリーペーパー『のんびり』の編集長、藤本智士さんのお話。
「秋田県『のんびり』 地方の時代をつくる「編集」の力」というタイトル。
なんとなくその記事の内容が頭に残ったまま、いざ会場へ。
この日はトークイベントの前に、来年どうやって
小豆島カメラの活動をしていこうかという打ち合わせも。
小豆島カメラはこの1年、スタートの勢いとまわりの方々の力によって、
いろんな活動をしてきました。
島のことをよく知っていて、その写真を撮るのは島のメンバーだけれども、
カメラやレンズの提供、カメラ講習の実施、ツアーや写真展の段取りなど、
ほんとに多くのことをいろんな方にサポートしてもらっています。
そのサポートがなければ、ここまでやってこられなかったし、
いまの私たちもなかったと思います。
ふと思い出したのが、朝読んだ藤本智士さんの記事中の一文、
「地元のクリエイターを育てることが、僕の役割。
編集の力でできることはたくさんあるのに、
地方のクリエイターはそのことを知らない」
都会から来ている藤本さんたちのチームと地元の編集チーム、
そして行政が意見を出し合い、ともに活動することを通して、
地元の人たちの編集力、発信力を育てる。
私たちもまさにいま育ててもらっています。
写真家のMOTOKOさんやカメラメーカーのオリンパスさん、
写真雑誌「PHaT PHOTO」を出版するシー・エム・エスさん、
その他たくさんの人たちに。
外に対して小豆島での暮らしを伝えていくのに、どんなふうにすればいいのか、
ひとつひとつ具体的な経験を通して、教えてもらってるんだなと。
来年、再来年、そして5年後と、
小豆島カメラという活動を継続して自分たちでやっていくためには、
まだまだ身につけなければいけないことがたくさんあります。
伝える技術や方法だけじゃなくて、運営していくためのお金やチームづくりのことも。
これは、触れたくないけど、実はいちばん大切なことだったりするかもしれない。
小豆島カメラ2年目の活動は、継続できる仕組みづくりをすること。
自分の仕事とは別に、地域のことを仲間と一緒にしていく。
その仕組みができれば、もっとパワーアップできるんじゃないかなと。
そして、2016年は第3回目の瀬戸内国際芸術祭。
たくさんの人が小豆島にやってきます。
そのタイミングにあわせて私たちも何かできるように
準備を進めていきたいなと思っています。
information
HOMEMAKERS
住所:香川県小豆郡土庄町肥土山甲466-1
営業時間:金曜、土曜のみ 11:00~17:00(L.O. 16:00)
http://homemakers.jp/
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