連載
posted:2014.7.7 from:香川県小豆郡土庄町 genre:暮らしと移住
〈 この連載・企画は… 〉
海と山の美しい自然に恵まれた、瀬戸内海で2番目に大きな島、小豆島。
この島での暮らしを選び、家族とともに移住した三村ひかりが綴る、日々の出来事、地域やアートのこと。
writer's profile
Hikari Mimura
三村ひかり
みむら・ひかり●愛知県生まれ。2012年瀬戸内海の小豆島へ家族で移住。島の中でもコアな場所、地元の結束力が強く、昔ながらの伝統が残り続けている「肥土山(ひとやま)」という里山の集落で暮らす。移住後に夫と共同で「HOMEMAKERS」を立ちあげ、畑で野菜や果樹を育てながら、築120年の農村民家(自宅)を改装したカフェを週2日営業中。
今年もまた7月2日がやってきました。
半夏生(はんげしょう)のこの日、
私たちの暮らす肥土山地区で「虫送り」が行われました。
半夏生とは、夏至から数えて11日目頃の日。
昔は、夏至からこの半夏生の頃までに田植えをしていたそうで、
田植えが無事に終わったこの時期に、虫よけと豊作を祈願して
虫送りが行われるようになったそう。
ちなみに最近は5月上旬頃に田植えが行われます。
江戸時代から続いてきて、かれこれ350年以上。
私たち家族が参加するのは、今年で2回目です。
今年も去年と同じように、6月末に地元の子ども会で集まって火手(ほて)作り。
火手は竹で作った松明で、基本形は竹の先端に
小さく切った木片とボロ布を詰め込んで針金でぐるぐる巻きに。
親と子で一緒に作るのですが、虫送りの最後まで火が消えないようにするために、
皆、一生懸命工夫しながら作ります。
当日は、家からマイ火手を持って、歩いて肥土山離宮八幡神社へ。
暮れゆく田園の中、ぞろぞろと地域の皆が八幡さんに集まる様は、
ほんとにワクワクします。
午後7時、いよいよ虫送りスタートです。
小さい子たちから順番に火をつけてもらって出発。
お父さんやお母さんと1本の火手を一緒に持って、田んぼのあぜ道を歩いていきます。
火手作りから始まって、当日の虫送りまで、
特別な行事だけど地域の皆の日々の暮らしの中にある。
こんなに美しい行事が日常の中にあり、それに家族そろって参加できること。
なんとも幸せだなと。
また来年の7月2日も、家族と友人と一緒に火手を持って田んぼを歩こう。
虫送り、これから先10年、20年、100年と続いていくことを願います。
information
HOMEMAKERS
住所 香川県小豆郡土庄町肥土山甲466-1
営業時間 金曜、土曜のみ 11:00~17:00(L.O. 16:00)
http://homemakers.jp/
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